<舞台写真掲載につき、ご観劇前のみなさまはご注意ください>狂気に満ちたブラジルの熱い風が吹き荒れる!!
写真左より)三浦大輔さん(演出)、池内博之さん、内野聖陽さん、寺島しのぶさん、野村周平さん
賛否渦巻く衝撃作を発表し続ける現劇界の異端児・
三浦大輔さん、いま勢いのある才能がシアターコクーン初登場!センセーショナルなチラシヴィジュアルでも話題のシアターコクーン・オンレパートリー2015 日ブラジル国交関係樹立120周年
『禁断の裸体』。
ついにその全貌が!!
おけぴ開幕レポート【プレスコール&あらすじ紹介】、【寄せられた感想】、【初日前会見】、気合の3部構成でお届けいたします。
【プレスコール&あらすじ紹介】
エルクラーノ(内野聖陽さん)が、カセットテープを聞き始めた場面から物語は遡り始める。
妻の死を乗り越えられないエルクラーノを心配し、
弟のパトリーシオ(池内博之さん)に神父様に相談をするように勧めるおばたち(
木野花さん、池谷のぶえさん、宍戸美和公さん)。
しかし、兄を憎んでいるパトリーシオは馴染みの
娼婦ジェニー(寺島しのぶさん)に会いに行き、エルクラーノと関係を持つように勧めたのだった。パトリーシオはジェニーの裸の写真を持って禁欲生活を送るエルクラーノを訪ねる。
写真左より)内野聖陽さん、池内博之さん
池内さんは堕落した男の役作りのために体重を増やしたそうです!
弟の言うことに憤怒するエルクラーノだったが、写真を見て心を乱し、泥酔状態でジェニーを訪ね、そこで3日間ともに過ごしてしまう。そしてジェニーはエルクラーノに心を奪われる。
写真左より)内野聖陽さん、寺島しのぶさん
一方で、エルクラーノと同じく母の死を受け入れられない18歳の
息子セルジーニョ(野村周平さん)は、父親が母親の死を自分と同じように悼まないことに苛立ちを覚え、反発する。
野村周平さん(母親の墓に花を捧げ祈るエルクラーノ)
その後、エルクラーノはジェニーにだんだんと想いを寄せるが、彼女が売春婦であることや、妻の死後に息子のセルジーニョに「二度と女性と関係を持たない」と約束したことで、もう一歩を踏み出すことができない。
母親の死によって歪んだ父子関係、弟の陰謀、
男と女、セックスと愛と結婚、生と死、崩壊していく家族の結末は…。
【寄せられた感想】
▼ギラギラした南米のコクや暑苦しさが、溢れ出ていました。
客席にまで、その熱気と汗の飛沫が降りかかってきそうです。
▼タイトルとチラシでちょっと躊躇してしまうかもしれませんが、演劇としてとても楽しめると思います。
もちろんそういうシーンもありますが(笑) 役者さんが皆さんハマっていて違和感なく物語に入れます。
内野さん、寺島さんの魅力全開です!あと
舞台美術が大変素敵かつゴージャスでした。舞台転換もとても良かったです。
▼セックスと欲望がてんこ盛りのストーリー。これだけ多いと
突き抜け感があります。
ショッキングに描かれていますが、一つ一つは登場人物も劇中で言っているように「
よくあること」。
展開が早くて飽きませんし、衝撃的に美しい出演者の裸体も拝見する事が出来、見て損のない舞台だと思います。
▼役者さんたちの正に体当たりの演技が圧巻でした。演出も照明も良かったですが、音響のセンスが群を抜いて素晴らしかったです!
ラストは…全く予想できませんでした。▼刺激的な作品でした。内野さんと寺島さんの突き抜けた演技で、なかなかハードな部分もすんなり受け入れられました。
内野さんの息子さん役の野村さんの熱演、初めて舞台で拝見させていただきましたが、心に残りました。シンプルで美しい白い舞台装置、シーン毎に演じる場所を変えたり、映像を使ったり、とても効果的だったと思います。
【初日前会見】
--三浦大輔さんの演出を受けて内野)三浦さんの演出は「過激」。それは「過激さ」を表現したいがために「過激」なのではなく、人間を深くえぐるように見つめ、それを描くときに避けられないところをきちんと描くがゆえの「過激」なのだと感じました。
寺島)稽古が始まる前は脅かされていて、「三浦さんは女をぼこぼこにする」と聞いていたもので(笑)。ちょっとビビッていましたが、実際にはそんなことはなく、それぞれの役者さんとのセッション、
三浦さんが創り上げた世界に私たちがのめり込めることがすごく楽しいです。
池内)僕もね、台本が飛んでくるって聞いていました(笑)。
でも、紳士的でね、稽古場では
「性の殺陣師」と呼び、絡みはすべて三浦さんにお任せして、すごくのびのびとやらせていただきました。
野村)僕は毎日裏で殴られていまして、みんな楽しくやっている中で、一人泣かされています。
ごめんなさい嘘です(笑)。
噂では色々と聞いていましたが、実際には優しくて、僕のような若い人の意見も聞いてくれて、反映させてくれるので、やっぱり
噂を信じたらいけないなと思いました。
一同)そうだね!
--ブラジルの戯曲について三浦)1970年代に書かれたブラジル戯曲というと日本人にとって縁遠いかもしれませんが、
普遍的な人間の面白さはしっかり描かれています。
また、このちらしビジュアルで宣伝したので、そういう
スケベ心の期待もあるでしょうが、その期待にも十分応えられるものになっていると思います(笑)。
このビジュアルに偽りないと思っていますし、さらにそれだけの目的で来た方にも、海外戯曲を敬遠し、ちょっと堅苦しいというイメージを持っている方にも、
幅広く楽しんでいただけるエンターテインメントになっているめずらしい芝居だと思います。
内野)翻訳劇、しかもタイトル「禁断の裸体」、ちょっと敷居高いなと思う方多いと思うのですが、実際に僕たちが作っている過程で感じたのは「こんなシンプルなもの無いや!」ということです。
どんな方も拒絶しない、ちょっとセックスに関してきわどい、エゲツナイの嫌いな方も笑って観られるようなところがあるので、
あまり警戒しないでいらしてください。
寺島)ブラジル戯曲…表現方法が日本人にはあり得ないですよね(笑)。
あの太陽のもとで、サンバのリズムで生まれた話なのだと感じました。90%以上がカトリックでありながら、それを全部ひっくり返す
反逆的な話になっています。
私自身については、
この役をやったら、もう、ちょっと次どうしようかなというほど挑戦していますし、ジェニーという役をとても好きになっています。
「この役は誰にもできないだろ」という気持ちで日々やっています。
パッションを感じていただければと思っています。
池内)内野さんも仰ったように「ブラジル戯曲」と構える必要はなく、笑いも泣けるところもあるし、
カラッと楽しめる舞台だと思います。本当にいい舞台なのでたくさんの方に見に来ていただきたいですね。
野村)(作者の)ネルソンさんは、なんか嫌なことがあったのかなと思うくらい、すごく…。
でも、それが美しく描かれているので、やっている側もすごくやりやすいですし、
観ている側もそんなに難しく観るものではないと思っています。
さらっと入ってくる舞台になっていると思いますので、カップルやご夫婦で観ても刺激的で楽しめますが、過激なのでお子さんをつれてくるときはちょっと気をつけてください。
確かにね!そこはちょっとね!