【みなさまからお寄せいただいた感想をご紹介いたします!!】♪
粋な江戸っ子っぷりが気持ちがいいくらい格好いいです!
出演者の皆さんの、芸達者ぷりにも感動です。
特に、二幕の人情味溢れた物語は、これぞ井上ひさしワールドというような、時代性に翻弄される人間と、その中に見える優しさが滲み出ていました。
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北村有起哉さんを久々に舞台で観劇しましたが、やはり細身の身体から出る明瞭な声がとてもセクシーでした。
新妻聖子さんはときにしとやかに、ときにチャーミングに、ときに逞しく、ときに溌剌と様々な役を演じ、歌声でも大先輩の方のなかで舞台の華として存在感を発揮していました。
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井上ひさしさんの戯曲ではないのに、とてもこまつ座らしさのある舞台でした。
名だたる役者達の中でも全く引けを取らないどころか、声と滑舌の良さは抜群だった玉置君!とても目を引きました!劇団柿喰う客をかなり前から応援している私はとても嬉しくなりました!
紅一点の聖子ちゃんの歌声はとても心地よく、べらんめえ口調の台詞はとても新鮮でした!
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こまつ座公演でも井上ひさし原作、昔木村、今栗山・鵜山・蜷川演出作品とは明らかに空気が違い新鮮だ。
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戯作者の知識なき私は、開演前に目を通した「the座」戯作者銘々伝に登場する戯作者たちの記事が大変役に立ちました。
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幕開きから江戸の空気感に心が攫われました。
役者さんが皆、髷の似合う、着物での所作が堂に入った手練れの面々、テンポの良い江戸弁が暖かいお湯に浸かっているような心地良さ。
ただ井上作品の根本にある反戦・反権力のメッセージは確実に伝わって、ラストはやはり熱く重く、でした。山路さんの七変化、新妻さんの透明な歌声もステキです。
江戸と平成は地続きなんだな~と噛み締めながら帰路につきました。
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江戸時代後期の人気戯作者達や版元の蔦屋重三郎が、松平定信の寛政の改革により洒落本を書いた罪で処罰され筆を折ったり方針変換を余儀なくされるが花火師に夢を託す。
時代小説が好きなので背景は理解しているつもりでしたが舞台で見ると身近に感じられました。
現代は本当に自由なのかしら。
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よく書き込まれた脚本だと思います。
言葉一つ一つが、活けるが如く、役者さんと、一体になってエネルギーを発している感覚を覚え、江戸の戯作者が役者さんのりうつって、語っているようにさえ、感じました。
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井上ひさしの2つの原作をうまく2幕に構成して、江戸の庶民とお上との戦いを今を生きる私たちにこれでいいのかと問いかけて来るあと味の爽やかな傑作。
芸達者な出演陣が素晴らしい。特に紅一点新妻さん素敵。
迷っている方見たほうが良いです。【開幕レポート】そこは江戸であり、平成である。
そんな演劇の面白さがギュギュっと詰まったこまつ座の新作が誕生いたしました。
おけぴ稽古場レポートでもお伝えした井上ひさしさん×東憲司さん×宮川彬良さんでお届けするこまつ座・待望の新作 東憲司版『戯作者銘々伝』。
後列)新妻聖子さん、玉置玲央さん、阿南健治さん
前列)相島一之さん、北村有起哉さん、西岡德馬さん、山路和弘さん
井上ひさしさんの小説『戯作者銘々伝』及び『京伝店の烟草入れ』を素材として、東憲司さんが書き下ろした新作演劇が、それぞれに味のある7人の役者さんで舞台上に立ち上がりました。
権力と物書きの仕事、“戯れ”と笑い飛ばしながら書くことに命を懸けた戯作者たちの壮絶なまでの生き様をぜひぜひご観劇いただきたいのです!!
冒頭場面は三途の川!
この作品の中では、亡霊となった戯作者たちが言いたい放題?!それぞれの思いのたけを表現していくのですが、その姿のなんとイキイキとしたことか。死んでいるのにイキイキですよ♪
三途の川と隅田川、あの世とこの世をすいすい~っと行き来してしまう、これ演劇の醍醐味!
西岡德馬さん、北村有起哉さん
冒頭、亡霊京伝(北村有起哉さん)と亡霊蔦屋(西岡德馬さん)の場面。
まぁ、この蔦屋という人物のスケールの大きさといったら!
西岡さんの渋さも手伝って江戸の出版界のビッグダディ的な迫力があります。
そして物語の中心にいる山東京伝、飄々として憎めない。
そんな男がたどる運命はいかに!
北村さんのとぼけたところも微笑ましく、そこからギアをぐっと上げたときの外連味ある芝居とのギャップにもグッときちゃいます。
このように登場人物たちは決して聖人君子ではなく、ダメなところもある、もしかしたらダメなところのほうが多いかも知れない…人間味あふれる描き方に愛を感じるんです。
新妻聖子さん、北村有起哉さん
紅一点ゆえ、京伝の先妻も後妻も演じるのが、今回芸達者ぶりをいかんなく発揮している新妻聖子さん。
劇中要所要所で披露される新妻さんの歌声は讃美歌のような聖なる響き。(聖子さんだけに・・・失敬!)
それでいてお芝居では江戸っ子の気風の良さも!
“この手でお天道さまを拵える、それが出来たら死んでもいい。”
夜空にあがる一瞬の光に身を捧げる花火師と、書くことに魅せられ、コトバと心中した戯作者の場面はその心意気と共に「美」も追求した演出に!
玉置玲央さん、北村有起哉さん
こまつ座初登場となる玉置玲央さん、堂々たる存在感です。スコーンと抜ける真っ直ぐな声の強さと若き花火師の野望が重なります。小劇場界の注目の若手、でっかく打ちあがりました!
相島一之さん、阿南健治さんの「東京サンシャインボーイズ」コンビも八面六臂の大活躍、声がいい!威勢がいい!
山路和弘さんの驚異の化けっぷりもお見事(稽古場取材で仰っていた「ちゃらっと」感、いい感じで出ています・笑)!あんなこんなそんな山路さんがご覧いただけますよ。
物語を彩るのはもうひとつ、宮川彬良さんの音楽♪
第一印象はファンタジー!江戸?近未来?
でも、それがあら不思議、劇中の世界と合うんです!!これはもう体験していただくしかないですっ!
最後になりましたが、こまつ座さんという安心感と共にフレッシュさも感じさせるとても素敵な作品の作・演出の東憲司さん!
新しい一歩を踏み出す、その肩に、全身にのしかかったプレッシャーたるや、想像を絶するものがあります。今はただただ、素敵な新作誕生にありがとうございます!の言葉しか見つかりません。
ラストシーンは…そりゃもう涙が出ちゃいます。
この作品、書くことに命を削った戯作者がいると同時に、彼らの理解者、陰になり日向になり支え続けた版元・蔦屋重三郎の存在の大きさも見過ごすことはできません。
そして、こまつ座、井上ひさしさんの演劇のよき理解者であり続けた扇田昭彦先生が2015年5月22日にご逝去されました。毎度興味深く拝読していたthe座での連載『演出家の時代』も次号『父と暮せば』号内で終了となるとのこと。
こまつ座ファンとして劇場へ足を運び楽しい時間を過ごすことで、ほんのほんの微力でも後に続ければと思う観劇でもありました。
先生のご冥福を心よりお祈り申し上げます。
舞台写真提供:こまつ座
おけぴ取材班:chiaki(編集) 監修:おけぴ管理人