【感想&舞台写真あり】ミュージカル『CHESS』開幕レポート

2012年に『CHESS in Concert』日本ヴァージョン初演、2013年12月セカンドヴァージョン上演、そして、ついについに…ミュージカル『CHESS』本公演が開幕しました♪

まずは、みなさまから寄せられた感想からご紹介!
その後は、舞台写真付き開幕レポートとなりますので、まっさらな気持ちでのご観劇をと思われるみなさまはご注意ください♪


【お寄せいただいた感想】

◆複雑な楽曲が素晴らしいキャストとかみ合ったこの舞台の快感を、是非体感していただきたいです!ネタバレせずに、この感動をお伝えするのは難しい!
とにかく石井一孝さんの女性陣とデュエットする時の包み込むような歌声が、とてもとても素敵なんです。アッキーの歌声は、人間の器を借りた天恵かもしれないと思いました。
AKANEさん、美しい容姿もさることながら、歌声がこんなに美しいとは知りませんでした。

◆安蘭さんの力強い存在感が、チェスの世界チャンピオンたちと対等な絆を結ぶこの役とぴったりで、この人しか出来ないと思いました。歌声ともども素晴らしかったです。

◆衣装や舞台装置等が豪華で大掛かりなミュージカルではありません。
でも、俳優さんが豪華で、歌も踊りも上手過ぎで目が離せません。特に、田代さんの登場シーンに釘付けになりました。仕草や指先の細かな動きがなんとも技ありなので、注目していただきたいです。

◆とにかく楽曲が素晴らしく、それを歌いこなすキャストも最高でした。
チェスの試合とか、あまり馴染みがないのですが、各々の人物の苦悩や思いが音楽を通じて伝わってきて、魂に響きました。終わったとたん、もう一回見たくなりました。

◆アメリカとソ連の冷戦時代という若干重いムードですが、とにかく出演者全員の歌唱力が素晴らしく、引き込まれてゆきます。
田代万里生さんがクールな役で、ちょっとロックな歌だったりイメージ一新という感じでした。
オリンピックはよく知られていますが、チェスという競技にまで冷戦が及んでいたという事実を知り、平和の重みを再認識しました。

◆コンサートVer.を観ていなかったので、歌の素晴らしさがウリのミュージカルだと思っていたら、すべてがハイクオリティでした。まずセットの素敵さに目を奪われ、アンサンブルさんの計算された動きや衣装の多彩さ、ダンサー大野さんの表現力も相まって、メインの皆さんの歌に乗せた感情がより一層伝わってきました。

◆楽曲はソロの曲も勿論素敵なのですが、出演者ほぼ全員による重層的な旋律が息をつかせぬ迫力で聞き応えがあり、他の作品にはない魅力かなと思いました。


続いては、開幕レポート!


【開幕レポート】

コンサートバージョンからこの日を待ち望んでいたみなさまはもちろん、初めてご覧になるみなさまへ、ちょこっと作品解説&これまでのおけぴ『CHESS』インタビューからの言葉も織り交ぜながらどうそ!


白黒のスタイリッシュな舞台装置で繰り広げられるスリリングな人間ドラマ

~伝説のミュージカル『CHESS』~
スーパー・ポップグループABBAのベニー・アンダーソン、ビョルン・ウルヴァース作曲、「エビータ」「ジーザス・クライスト・スーパースター」「ライオンキング」のティム・ライス原案・作詞の伝説のミュージカル、それが『CHESS』なのです。

~舞台は米ソの冷戦時代~
イタリア・メラーノで開催されるのは、国家の威信をかけた代理戦争の様相を呈するチェスの世界一を決める選手権。
時の世界チャンピオンはアメリカ合衆国のフレディ(中川晃教さん)。傍らには、彼のセコンドを務めるフローレンス(安蘭けいさん)がいる。対戦相手はソビエト連邦のアナトリー(石井一孝さん)。
そして、競技場には、彼らの世界を冷徹に支配するアービター(田代万里生さん)が待つ。



チャンピオンの重責から傍若無人な振る舞いをしてしまうフレディ(中川晃教さん)

情緒不安定のその奥底には、フレディの生い立ちが…♪Pity the Childのなかで、彼自身がそれを吐露するのですが、それはもう、魂の叫び。誰にぶつけるでもなく、天に向かって訴えるような歌声に心震えます。

中川さん)
ABBA独特のスウェディッシュPOP、その要素に加えて、アメリカ人の歌はロック、その内容も心の葛藤や感情をストレートに歌っています(2012年公演に向けてのインタビューより)



“チェスそのもの”、審判のアービター(田代万里生さん)

常に中立、チェスゲームを支配する男!今回初役となる田代さんの異質感が、登場人物の心情と交わらないアービター自身の“物語との距離感”と重なります。
ちなみに独特の指の動きは田代さん発のアイデアとのことです♪

田代さん)
具体的な荻田さんの演出プランはまだ聞いていませんが、それをしっかりと具現化しつつアービターのさじ加減の面白さも感じながら演じたいと思います。
ただ、変わり者を作ろうとは思っていません。まずは常にニュートラルでいることを意識していきたいと思っています。(今回の公演に向けてのインタビューより)


チャンピオンの重圧から精神的に追いつめられたフレディ、敵味方であるはずなのに恋に落ちてしまうフローレンスとアナトリー。アナトリーの妻スヴェトラーナ(AKANE LIVさん)…。
それぞれの葛藤の中繰り広げられるチェスゲーム。




ハンガリー動乱で家族を亡くしたフローレンス(安蘭けいさん)の孤独

西側に亡命したものの、パートナーのフレディの自由奔放すぎる行動に頭を悩ませる。

過酷な運命に翻弄されるフローレンスですが、ただただ悲劇のヒロインとはならず、激流の中でもしっかりと前を向いて立つ!凛とした美しさがあるののです!!

安蘭さん)
私は宝塚時代から、今回のフローレンスのような、何か抱えている人物を演じることが多く、荻田さんからも芯の強い、決して折れない、倒れない、たとえ倒れても起き上がる役を付けていただくことが多いですね(笑)。(2012年公演に向けてのインタビューより)

荻田さん)
安蘭さんは踏まれても踏まれても、どんなにつらい目にあってもきっと勝ち残っていくであろうと予感させる、そう予感したいと思わせる風情を持った方です。
彼女の持つ芯の強さは、最後の希望に繋がるのです。(2013年公演へ向けてのインタビューより)



国家の威信を背負わされ、勝つことが義務付けられたソビエトチャンピオンアナトリー(石井一孝さん)

不自由さの中で生きなければならなかった男の苦悩と葛藤、そこに現れたフローレンス…。そして、そんな夫をじっとみつめる妻・スヴェトラーナ。

一幕ラストで歌うアナトリーのビッグナンバー♪Anthem、ミュージカル版では、より人間味のある分、切なく、辛く、それでいてものすごく力強い響きです。

石井さん)
自由な国の人ではない、KGBが背後に潜んでいて、盗聴されているかもしれないので思っていることを言わない、言えない。そんな中で生きてきた人間が、チェスの世界大会を通して自由な世界に旅立つ経緯。祖国を捨てるべきかの葛藤。そんなバックボーンを作りたいですね。
そして彼は、ただ単に、チェスが好きだからやっているのでは決してありません。そうできたら幸せなのに…(2012年公演へ向けてのインタビューより)


そんな彼らが再び顔を合わせたのは、1年後、やはりチェスの世界選手権。そこではKGB(旧ソ連国家保安委員会)、CIA(米国諜報機関)の思惑も渦巻き、 彼らの人生を翻弄する。
こうして、すべてを賭したゲームが始まる…。



CHESSの頭脳戦の裏側で繰り広げられる国家同士の覇権争い、そこで暗躍するフィクサーたち、
西側のウォルター役:戸井勝海さん、東側のモロコフ役:ひのあらたさん
そして『CHESS』の世界観を体現する大野幸人さんの舞!

東と西、それぞれを象徴する存在でもある戸井さん、ひのさんの暗躍っぷりが想像以上!芝居も歌声もビシッと締めるお二人、ひのさんの低音にシビレ、戸井さんの悪い色気に腰が砕けます。なんというか、個人の愛の物語を一掃するブルドーザーのような大きな力なんですよね…。

ここからは多くは申し上げません。
ぜひぜひぜひぜひ、そのドラマを、極上の歌声をライブで感じてください!



♪One Night in Bangkok 白黒の世界のなかで、このシーンはとても華やか!!


♪I Know Him So Well 一人の男を愛した二人の女性の歌声が交り合い…


♪Someone Else’s Story 歌いだしから、もう、言葉になりません


♪You and I 二人の決断は…

演出、訳詞の荻田浩一さんのもと、2度のコンサートバージョンでの上演で育み、磨き上げ、そして今回新たな才能も迎え入れてミュージカル版初演を果たしたミュージカル『CHESS』。
これは伝説の始まり・・・そう感じさせる、完成度の高い作品です!


コンサートバージョン初演の様子はこちらから(浦井健治さんのアービターショットも!)

コンサートセカンドバージョンの様子はこちらから(マテ・カマラスさんのアービターショットも!)

<イベント詳細は公式HPにてご確認ください>
★スペシャルカーテンコール歌唱曲も発表されています★
★ 9/30(水)18:30 by 田代万里生 ♪Anthem
★ 10/2(金)18:30 by 中川晃教 ♪The Arbiter
★ 10/6(火)13:30 by 石井一孝 ♪Someone Else‘s Story
★ 10/9(金)18:30 by 安蘭けい ♪The Arbiter

【大阪公演】
★10/19(月)18:30 by 安蘭けい ♪The Arbiter トートバッグプレゼント
★10/21(水)13:30 by 石井一孝 ♪Someone Else‘s Story タオルハンカチプレゼント
★10/22(木)18:30 by 田代万里生 ♪Anthem  タオルハンカチプレゼント
★10/23(金)18:30 by 中川晃教 ♪The Arbiter  タオルハンカチプレゼント

★アフタートーク★
【東京公演】
10/1(木)13:30 by 安蘭けい 石井一孝 田代万里生 中川晃教
【大阪公演】
10/20(火)13:30 by安蘭けい、石井一孝、田代万里生、中川晃教

★チェスプレイヤー小島慎也さんによる初心者でも分かるチェスト~ク開催!★
「キャストと一緒にチェスを知ろう!」
# 第1回 9/30(水) 13:05~13:20 (開場12:50)
# 第2回 10/7(水) 18:05~18:20 (開場17:50)
トークキャスト:角川裕明 遠山裕介

ミュージカル『CHESS』
2015年9月27日(日)~10月12日(月)@東京芸術劇場 プレイハウス
2015年10月19日(月)~25日(日)@梅田芸術劇場 シアタードラマシティ

<スタッフ>
作曲:ベニー・アンダーソン ビョルン・ウルヴァース
原案・作詞:ティム・ライス
演出・訳詞:荻田浩一
音楽監督:島 健

<キャスト>
安蘭けい/石井一孝/田代万里生/中川晃教 (五十音順)
AKANE LIV/戸井勝海
天野朋子/池谷京子/角川裕明/高原紳輔
田村雄一/遠山裕介/ひのあらた/横関咲栄
大野幸人  ほか

<ストーリー>
舞台は米ソの冷戦時代。イタリアのメラーノでチェスの世界一を決める選手権が開催される。
時の世界チャンピオンはアメリカ合衆国のフレディ(中川晃教)。
傍らには、彼のセコンドを務めるフローレンス(安蘭けい)がいる。

対戦相手はソビエト連邦のアナトリー(石井一孝)。
チェスの天才フレディはフローレンスの忠告もむなしく、記者会見で対戦相手を罵り、記者達から非難をあびせられる。天才チャンピオンの成功と孤独に苦しむフレディ。
一方、アナトリーは共産主義のソビエト連邦という国家を背負ってチェスをプレイすることの重圧に苦しんでいた。

競技場には、彼らの世界を冷徹に支配するアービター(田代万里生)が待つ。
精神的に追いつめられたフレディは試合を放棄、それによりアナトリーが不戦勝で新たな世界チャンピオンとなる。葛藤の中で、敵味方であるはずなのに恋に落ちてしまうフローレンスとアナトリー。しかしアナトリーには故郷に残してきた妻と子供がいた。
フローレンスは 1956年のハンガリー動乱で親を失くした孤独な身の上だ。アナトリーは亡命を決意する。

1年後、再びチェスの世界選手権がタイのバンコクで開催される。世界チャンピオンであるアナトリーは出場者としてフローレンスと共にこの国に来ていた。そしてこの地に、テレビ業界に転身したフレディ、アナトリーの妻スヴェトラーナ(AKANE LIV)も現れる。試合を前に KGB(旧ソ連国家保安委員会)、CIA(米国諜報機関)の思惑も交錯する。 彼らの人生はどのような軌跡を描いていくのか…… すべてを賭したゲームが始まる。

公演HPはこちらから


おけぴ取材班:おけぴ管理人 chiaki

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