藤山直美さん×三田佳子さんの掛け合いに客席は手を叩いての大爆笑!
小林綾子さんは着物でぴょんぴょん飛び跳ねながら駆けまわり、
金子貴俊さんも振り回されつつ振り回す息子を好演♪
そして源之介役の橋爪淳さんが、まわりがドタバタした中にふんわりした存在でいい感じ♪
女の子と飲み屋の常連の場面も見所です。
早速観てきた方達の感想を舞台写真と共にご紹介しますね!
◆楽しかったです。藤山直美さんがもうサイコーです!
前半の怒り酒の場面は大笑い、後半の二人飲みは大笑いしながらもその心情に何だか泣けて泣けて、
三田佳子さんもどんどん可愛らしい酔っぱらいになっていくし・・・良い場面でした。
最後があっけなかったですが、直球のおすすめです!!
◆橋田作品・石井演出でハズレ無し・・
さすがに芸達者の藤山さん三田さんに、他の出演者達も素晴らしい!
いさかい、いたわり、そこここに笑いを誘う主役のお二人。
後半の酔芸は秀逸!!まるで寛美さんが乗り移ったかと思わせる直美さん恐れ入りました。
苦労して子育ての終わったお母さん達にも泣いて笑って是非観て頂きたい作品です。
◆藤山直美さん三田佳子さんの酔った演技必見でした。本当に素晴らしいです。
◆初明治座でした。公演は予想通りのストーリー展開ながら、
それを皆承知の上ででほのぼのと楽しむ雰囲気にくつろげました。
最後にお土産物も買ってテーマパークの様に楽しんできました。
橋田壽賀子(作)×石井ふく子(演出)の名コンビ傑作舞台が再び!!
昭和60年の初演以降、今までに7度上演され、2年半前の明治座140周年記念公演では
藤山直美さんと三田佳子さんという二大女優の競演が実現し連日超満員。
そのお二人がさらにパワーアップして帰ってきます!
三田佳子さん(左)と藤山直美さん(右)
下町の飲み屋と屋敷町の呉服問屋、それぞれの息子が娘が
親の意に反し結婚するといいはじめ、母親同志が大げんか!
女の意地や、母と子の葛藤、町の人々の笑いあり、涙ありの人情喜劇です。
こちらが前回上演時のダイジェスト映像↓
この映像だけみても、その楽しさが伝わってきますよね。
前回に続き飲み屋ひさご亭の女将には喜劇女優・藤山直美さん!
対する屋敷町の呉服問屋には三田佳子さん(今年デビュー55周年!)、
(前回の公演の時は)
「
帰る時に心に、ほんとよねー、親子ってこんなもんよねー、女ってこんなもんよねー、
あぁやっていきていくのねー、とかしみじみ感じていただくお芝居だったんです。
そのことが凄いことだったなと。役者冥利につきるお芝居でした」(三田佳子さん)
それぞれのかわいい息子・娘役には金子貴俊さん&小林綾子さん♪
写真はせっかくですので親子ショットでご紹介いたしましょう。
下町の飲み屋ひさご亭の女将かめ(藤山直美さん)とひとり息子の清太郎(金子貴俊さん)
「
清太郎という役はお母さんから“バカ息子”といわれ、
お袖ちゃんには、はっきりしない男だったりするんですが、
そういったところから愛情を感じてほしいです。
めいいっぱい煮え切らない男を演じていきます。」(金子貴俊さん)
呉服問屋・越後屋のお鶴(三田佳子さん)とひとり娘のお袖(小林綾子さん)
「
ちょっとおてんばで、はねっかえりなところやはっきりものをいうところがありながらも、
お母さんのことを思ったり、人を大切にする気持ちを忘れていない
ということを感じながら演じています。」(小林綾子さん)
息子と娘からは前回公演時のこんなエピソードも
「
(本番の舞台上で)越後屋のお芝居を三田さんと綾子さんがやってる間、
ひさご亭の演者はひさご亭にいてずっと会話をしてるんです。
なので場面転換してもスっとお芝居がはじまっていく、
その雰囲気がすごく心地よくて幸せでした。」(金子貴俊さん)
「
私がお気に入りだったのは、藤山さんと三田さんが最後に二人で酔っ払いながらお話をされる場面。
私達は出番が終わり、モニターで聞いてても面白いんです!
大先輩方のお芝居をみて勉強させていただくのが楽しかったです」(小林綾子さん)
ちなみに今回の再演が決まった時、藤山直美さんは
「えーうそやーん、めっちゃくちゃしんどいやーん」と心の声で思ったくらい、
演じるたびにぜぇぜぇ息切れするほどの運動量とのこと。
え~、うそや~ん
小林綾子さんも「
とにかく運動量の多いお芝居なんです。
振り袖を着ているにも関わらず、飛び跳ねたり駆けずり回ったり、ほんとにもう大運動会なんです」
それを聞いていた石井ふく子さんは
「
(皆さんの話を)伺っていて、そんなに動かしたかなーと(笑
皆さんの身体をみてると自然に動いちゃうんです。
わざと動かすんじゃなくて、自然にもっとリアルに日常の中で舞台が進行していくと嬉しいなと思っています。
橋田壽賀子さんのセリフは長いと一般的にいわれてますが、
セリフとセリフの間というのがあって、それをどう演じてくださるのが大事と思っています。
ですから、みなさんがお一人お一人がすごく一生懸命やってくださってるので本当に嬉しい。
ただ私はしつこいので、わざとでなくて、
みなさんが動きやすくて自然にできる方法があればどんどんやっていきたい。
この中では一番年寄りですが、私も一緒に動いていますので、
元気にこの芝居の演出をしていきたいと思っています。」
藤山直美さんからはこんな言葉も
「
石井先生は、演出しはります時に、
芸者、遊女、おかみさん、子役、全部自分でやってみはるんです。
全部できはるんです。三味線も太鼓も全部ご存知なんです。」
藤山直美さんが石井ふく子さんを全面的に信頼されていることがわかる言葉ですよね。
そしてこの日は、演出の石井ふく子さんが、
“最多舞台演出本数”で祝ギネス世界記録認定でサプライズくす玉割りもありました。
その演出本数なんと183作品!
ちなみに今まで「テレビ番組最多プロデュース」(1007本)、
「世界最高齢の現役テレビプロデューサ」(87歳)
のギネス記録をお持ちなので、これでなんとギネス3つ目!!
おめでとうございます!
その石井ふく子さんと橋田壽賀子さんについて
藤山直美さんからこのようなお話があり、とても印象的だったのでご紹介します。
「
石井先生と橋田先生の作品を第三者でみていると、いらないものを削いでいってる演出なんです。
私達はいいものを届けようとする場合、すぐものをひっつけたがるんですよ。
あんなものもやってみようとか、こんなものをやってみようとか。
でも石井先生と橋田先生は大事なものをご存知ですので、いらないものを省くんです。
大事なものを残すためには、やっぱりお客さんの目がチラチラ移らないように、
省いていく方が倍よくみえるんやなと、すごく勉強させていただきました。」(藤山直美)
あれもこれもお伝えしたいと思っていたらどんどんレポが長くなってしまいますが、
(読んでくださっている方のことを考えると省いていく方がいい、とはわかっているのですが)
最後に製作発表での石井ふく子さんの言葉をご紹介してレポを締めくくります!
「
母と子、二組の家族の、まったく違う生活の二人が恋人同士になり、
親たちがどうみつめていくかというお話なので、現代にも通じるところがあり、
現代劇と思ってご覧いただいても結構だと思います。
再演というものは難しいです。再演の方が緊張しております。
心にお土産をいっぱいお持ちになってお帰りいただける作品を作っていきたいと思います」
文・写真:おけぴ管理人