Dステ17th『夕陽伝』開幕レポート

「あの夕陽の沈む向こうには明日がある──」

国を巡り、愛する人を巡り、交錯する思い…日本の神話をベースにし、現代にも通じるメッセージを有し、エンターテイメント性も豊かに創り上げられたDステ17th『夕陽伝』
早速届いた舞台写真と感想で綴る、おけぴ開幕レポートをお届けします。(稽古場レポート&開幕速報はこちら


◆カッコよくて楽しくて、よいお芝居でした。Dステは以前から気になってはいましたが、若い娘ばかりかなぁと遠慮しておりました。でもこの機会に観てよかったです。
動きがキレキレでお稽古を積み重ねてきているのがよくわかりますし、皆さん個性があって、イケメンとひとくくりにするのは勿体ないので、まだの方にはオススメです。
瀬戸康史くん、お顔は小さいけどサスガの存在感!
小芝風花ちゃん、初舞台とは思えないくらい楽しんでいます。
見終わってスッキリ!ストレス解消 できます。

◆大和朝廷というとガチガチの時代ものかな?と思い勝ちですが、
現代にも通じる「生きるとは?」という不偏的テーマが根底にあり、そこに苦悩し葛藤する若者たちの姿がありました。と、いうようなテーマ性もありつつ、それらをエンタメにする殺陣と笑いあるお芝居が非常に魅力的です。
泣けます!笑えます!手に汗握ります!是非劇場へ足をお運びください。



海里役:瀬戸康史さん

◆アクション満載の古代日本の青春群像劇。恋あり、笑いあり、涙あり、何よりも若いキャストたちのパワーが溢れた作品でした。
みなさん、殺陣やアクションがとても素晴らしく、見応えがありました。
キャストによる前説的な楽しい時間があるので、お早めの客席入りをオススメします。



◆最初からいくつも布石が敷かれていて、最後にパズルのピースがはまるかのようなしっかりとした脚本です。
加えて俳優陣がそれぞれの役の個性を演じ切っているので分かりやすいです。
大和朝廷の皇子、瀬戸康史くんの気品とオーラは流石。
富士丸と陸奥はシリアスで重いシーンに緩衝材的な存在となっています。



後列)出雲役:荒井敦史さん、海里役:瀬戸康史さん
前列)富士丸役:前山剛久さん、陸奥役:高橋龍輝さん

◆冒頭からとてもスピーディで休憩なしの2時間弱、飽きることなく集中して観ました。
ほとんど暗転が無く進んでいくのが理由の一つかと思います。
それぞれのキャラが立っていたのも印象的。主演の瀬戸さんは心の葛藤の表現が見事で殺陣も美しく、舞台にとても映えます。他のキャストさんもそれぞれ良かったのですが、
特に陸奥役の高橋龍輝さんの海里にかける一言がとても真に迫るもので、心をぐっと掴まれました。



陽向役:小芝風花さん

◆カンパニーのチームワークの良さが、キレのある殺陣にも生きていて圧巻です。
ただのイケメンの集まりと思ったら大間違い。本当に素晴らしい俳優集団です。
小芝風花さんも初舞台とは思えない演技で、可愛らしさだけでなく後半の不気味さを好演していました。



都月役:宮﨑秋人さん

◆Dステ初登場の宮﨑秋人さん!真っ直ぐな都月を熱演。
真っ直ぐだから、真っ直ぐすぎるからこその都月の決断に、今も胸がざわざわしています。
感情移入とはちょっと違うけれど、強烈な余韻をのこすキャラクターでした。
これから要チェックな俳優さんです。



都月役:宮﨑秋人さん、真多羅(まだら)役:鈴木裕樹さん

◆冒頭から終盤まで役者さんの高い身体能力とスピーディな殺陣を楽しめます。
Dステは初見の私でも、開演5分前の前説とオープニングの役者紹介で把握することが出来ました。
どの役者さんにも見せ場はありますが、特に池岡亮介さんと鈴木裕樹さんのファンの方は必見です。
すすり泣きが聞こえるシーンもあり、笑いが起きるシーンもあり、緩急が付いた舞台です。



瀬戸さん、富士丸役:前山剛久さん、猿美弥役:遠藤雄弥さん、出雲役:荒井敦史さん

◆いろんな人の強い想いが錯綜していく中、出雲は海里を支える友であり、中間管理職的でもある(?!)すごくニュートラルな立場のキャラクター。それを荒井敦史さんが存在感十分に演じていて印象的でした!強い男、出雲!ダイナミックな殺陣も必見!

◆ひらりと、軽やかで 舞うような殺陣!華麗なアクション!
そして、笑いも きちんと 織り交ぜてありそこに 演者の皆様の情念をこめた 演技魅入りました。時代を超えた、テーマがそこにありました。ラスト、ハンカチが、必要です。お忘れなきように!



◆出演者の皆さん若い方が多いからか、熱量がすごくて気持ちも一緒に持っていかれるようでした。自分もこの舞台上の国の一員のように感じてしまいました。
途中、クスッと笑うところもありましたが、後半はどうなるのかはらはらします。
劇場でしか感じることができないであろう熱量を感じて欲しいです。

◆今回、配役としては若すぎるかな、と初めは思ったキャストさんもいましたが、見終わった時は「この方でないと成立しなかったな」と思える程でした。
前を向いて進みたいと思える作品です。



◆末満さんのあてがき脚本と岡村さんの骨太な演出でD-BOYSの皆さんがとてもいきいきとされて見応えがありました。
日本の神話をもとにしたファンタジー色の強い作品ですが、兄弟間の確執や親子間の執着、国同士の争いなど盛りだくさんの内容でした。
特に殺陣のシーンが多いのでアクションも楽しめたのが良かったです。
劇団Patchさんの幽悲伝も観たくなりました!

◆岡村さん演出で山本亨さん出演の舞台なら、見逃せないでしょ、のつもりで、D-BOYSの事はほとんど知らずに観劇しました。
D-BOYSってアイドルだと思っていた私は間違っていました。
脚本の良さもさる事ながら、殺陣、滑舌の良さで、ぐいぐいと舞台に引き込まれ、最後は鼻の奥がつんとしました。
コミカルなシーンもありますが、山本さんの円熟した演技と池岡さんの怪演を観られた事は、今回の収穫だったと思います。



瀬戸さん、凪大王(なぎのおおきみ)役:山本亨さん

◆2009年Dステで初めて見た鈴木くん、龍輝くん、D-BOYSを卒業した遠藤くん、今回新加入の秋人くんが同じステージに立っているのが不思議な感覚でした。
芝居が好きで好きでたまらないのがD-BOYSなんだなと、改めて思いました。

◆アンサンブルがたった4人と思えないはたらきで舞台に彩りを添えていました。
演出のスピード感に2時間あっという間でした。
12月の幽悲伝がさらに観たくなりました。

◆古代を舞台にしながらも、現代にも通じる悩みや苦しみを抱えた若者たちの群像劇。
人の心に棲まう闇や絶望をむき出しに見せる末満脚本と、生命力溢れる岡村演出、全く異なる個性がぶつかった、ここだけでしか観られないであろう作品です。
深い憎しみを持ちながら絶妙な間合いで笑いを取る池岡君のキャラクター(あて書きだそう)と芝居に注目して下さい!



毘流古(ひるこ)役:池岡亮介さん

このように熱い感想続々到着の『夕陽伝』。
国と個人、兄と弟、親と子、男と女、そして生と死…さまざまな対極のエネルギーを糧にエンターテイメント性豊かに疾走する物語。
東京公演は11月1日(日)まで、サンシャイン劇場にて!11月には大阪公演!

さらに!感想の中にも登場していますが、ふたつの<ユウヒデン>Dステ『夕陽伝』と関西版D-BOYSの「劇団Patch」がお届けする『幽悲伝』の両バージョン連鎖上演も楽しみですね。
脚本の末満さんが演出も手掛ける『幽悲伝』もお楽しみに。



【公演情報】
Dステ17th『夕陽伝』
2015年10月22日(木)~11月1日(日)@サンシャイン劇場
2015年11月21日(土)、22日(日)@森ノ宮ピロティホール

<スタッフ>
脚本:末満健一
演出:岡村俊一

<キャスト>
瀬戸康史/宮﨑秋人/小芝風花/鈴木裕樹/荒井敦史/池岡亮介
前山剛久/高橋龍輝/中山義紘/三好大貴/遠藤雄弥/山本亨
アクションクルー:塚田知紀/石井靖見

<ものがたり>
大和朝廷の時代。政治を取り仕切る豪族の長・凪大王(なぎのおおきみ/山本亨)は妻を亡くしてから心を病み、摂政・猿美弥(えみや/遠藤雄弥)まかせになっていた。大王の子供として生まれた兄弟、海里(かいり/瀬戸康史)と都月(つづき/宮﨑秋人)、猿美弥の娘で幼馴染の陽向(ひなた/小芝風花)。天真爛漫、自由のない宮中生活を嫌い、外の世界を見て回りたいと願う海里。対して、都月は生真面目で書物や草花を愛する温厚な性格ながら、兄に嫉妬にも似た劣等感を抱いていた。正反対の2人と活発な陽向は、喧嘩しながらも仲良く暮らす平和な日々。互いを思いやる友情はいつしか淡い恋心となり、それぞれの想いは交錯していく。

Dステ17th『夕陽伝』公演HPはこちらから
劇団Patch『幽悲伝』公演HPはこちらから


感想寄稿:おけぴレポ隊のみなさま 舞台写真提供:ワタナベエンターテインメント
おけぴ取材班:chiaki(編集、文) 監修:おけぴ管理人

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