OSK日本歌劇団『レビュー春のおどり』 稽古場レポート/高世麻央さん&名倉加代子さんインタビュー


写真左から:高世麻央さん、名倉加代子さん


今年も大阪松竹座(東京は新橋演舞場)の舞台は桜満開♪
それぞれに魅力的な和洋レビューの二本立てで、客席を幸福感で包みこむ!


 大阪松竹座で5月1日に幕を開ける、OSK日本歌劇団『レビュー春のおどり』

 第一部は花柳基さん作・演出・振付で全編を通して郭(くるわ)の世界を描く和物レビュー『花の夢 恋は満開』。そして第二部はダンサー・振付家として日本のエンターテイメント界の第一線を走り続けてきた名倉加代子さんが構成・演出・振付を手がける洋物レビュー『Take the beat !』を上演することが発表されました。



製作発表で笑顔を見せる花柳基さん 名倉加代子さん 出演者たち
(写真前列左から:真麻里都さん、桐生麻耶さん、名倉加代子さん、花柳基さん、高世麻央さん、折原有佐さん
後列:遥花ここさん、白藤麗華さん、楊琳さん、悠浦あやとさん、恋羽みうさん、舞美りらさん)


 第二部『Take the beat !』の振付が進む稽古場で、OSK日本歌劇団トップスター高世麻央さん、名倉加代子さんにお話を訊いてまいりました。

 第二部の見どころから、次世代へ受け継がれるナンバーのお話まで、ショーの中盤となる景(場面)「キャラバン」振付の模様(写真)とあわせてお届けします!






【いろいろな高世麻央、そして個性豊かなメンバーの魅力をみせたい】



高世) (第二部『Take the beat !』は)とにかく“ワクワク感”がいっぱいにつまった作品。王道のレビューの要素や、大地の力強さを感じるダンス、おしゃれな映画のワンシーンのような場面など、たくさんの魅力が融合したステージです。名倉先生からは「いろいろな高世麻央をみせたい」と。男役としての格好良さはもちろん、レディへの変身にも挑戦しますし、中性的なイメージの場面や、楽器の演奏をする場面もあるんですよ。
名倉先生の作品ならではの難しさは、それぞれの個性の出し方。たとえば群舞だったら、まず動きを揃えなくちゃいけない、でも個性を殺してほしくないと。しっかり動きを揃えた上で、メンバー全員がいきいきと動く。先生には「自由にやっていいのよ」と言われるんですが(笑)、OSKの舞台はまず格好良くないと成り立たないですから、格好良く動きを揃えたうえで、それぞれの感性で先生の世界観と向き合い、個性を出す。これが難しいですね。群舞力はOSKの大きな魅力のひとつ。私自身もそれに憧れて、いまここにいるわけですから、個性を大事にしながらひとつになる魅力、“生きている群舞”をおみせしたいと思っています。



名倉) 高世ちゃんの魅力はまずなんといっても“端正さ”。正統派で、都会的なセンスも持っていて、透明感もあるから女役をやっても美しい。男くさい男役というよりは、清楚な男役ですね。桐生ちゃん(桐生麻耶さん)との個性の違いがすごいでしょう? この“違い”こそが素晴らしいんです。それぞれの個性を出しながら、トップスター高世麻央の魅力を追いかけるショーになっています。オープニングはシャープで都会的な高世麻央、そして妖精のような透明感あふれる場面、女性にもなりますし、OSKならではの力強い男役のダンスも。それが膨れ上がり、続いてOSKの総力を挙げた中詰め。客席降りもあるし、素の高世ちゃんを感じる曲もあって、選り抜きの男役メンバーが踊って…もうフィナーレね。あっという間でしょう(笑)?




【あっという間に終わって、何度も観たくなるステージを】


名倉) 私がステージを作るときに一番大事にしている言葉は“あっという間”。これが絶対なんです。時間を忘れて、はっと気がついたらもうフィナーレ。ショーにはそのくらいのスピード感、飽きさせない力が絶対に必要です。もちろんスローな場面もありますが、にぎやかな場面、コミカル、ドラマチック…全部がつまっていて、最後に「え? もう終わりなの?」と思ってくれたら成功です。それから“何度もみたくなる作品”ね。景ごとに主役が変わるくらいの気持ちで作っていますし、メンバーにも自分が主役だと思って踊ってほしいと伝えています。高世ちゃん以外にも、桐生ちゃん、真麻(真麻里都さん)…女役が引っ張る場面もあります。それぞれのファンの方に「あの人のあの景をもう一度みたい!」と劇場に足を運んでいただけるような作品作り。これが今回の私の使命です。1日で終わらない公演ですからね、何度も演じることで、深みが増して、また劇場に行きたくなる…そんなステージにしたいですね。

高世) ひとりひとりが魅力的なエンターテイナーであれば、何度も劇場に来ていただけるはず。自分自身が他の舞台をみるときも、ステージの端まで全員が輝いているものが好きなんです。OSKのメンバーはみんな舞台への情熱がまっすぐで、ステージが好き! という気持ちはどこにも負けないと思います。OSKの団結力をいい意味で活かして、全員が熱量を持って、この思いがプラスの形になるようなステージを目指したいですね。中詰めなんて、本当に踊りまくりで熱気が凄いんです! やはり名倉先生のお名前があるだけで、お客さまは「どんなダンスをみせてくれるんだろう?」という思いがあるでしょうし、OSKのダンス力への期待も感じています。それに応えたいですね。




【世界で活躍する一流のダンサー・振付家の参加】

高世) 今回の見どころのひとつは、元東京バレエ団の高岸直樹さんとのコラボレーション。「引き潮」というとても幻想的で素敵な景を振り付けていただきました。バレエを熟知している高岸先生だからこその動き、ポーズ。すべてがこれまでのOSKにはなかった新しいもので、刺激を受けています。先生の振付の日には、この景に出ていないメンバーも稽古場に集まってきて、終わった後は先生を質問攻め(笑)。ちょっとした動きにも、こんなみせ方があったんだ! と発見の連続です。

名倉) 高岸直樹さん、佐藤洋介さん、それから鳥居かほりちゃん。今回は私が信頼する仲間たちに声をかけて参加してもらいました。…豪華よねー(笑)。素晴らしいメンバーですよ。こんなベストメンバーを揃えたステージは、他にはないと思う。高岸さんは以前に私が主宰するダンススタジオの公演にゲストプレイヤーとして出演していただいたことがあるんです。その後、東京バレエ団を退団されて、すこし身軽になって、ジャズダンスも習得したいとレッスンにいらしたり、うちの生徒がバレエを習いに行ったり、と交流があって。彼だからこその良さをOSKのステージで出してほしいと思って、クラシックバレエの雰囲気のある景をお願いしました。高世ちゃんと恋羽ちゃん(恋羽みうさん)が中心となる場面で、とっても素敵ですよ。「みんながすごく熱心で、楽しかった!」と電話があって、「またバレエのレッスンもしてあげたい」と言っていました。佐藤洋介さんも舞踊界だけでなく、いろんなステージに引っ張りだこで、振付に来てもらう時間を取るのも大変なくらい。でもすこし無理をしてでも、一流のブレーン、仲間を引っ張ってくる必要が絶対にあると思う。そのことでOSKのダンス力がさらに上がるし、たくさんの人にOSKの素晴らしさを知ってもらうきっかけにもなりますから。




【受け継いでいってほしい“ジャストダンス”、そして“いま”の高世麻央とOSK】


名倉) 「ジャストダンス」は大貴ちゃん(元NewOSK日本歌劇団トップスター大貴誠さん)のときに初めて作ったナンバーで、みんなが一丸となって踊ってくれたおかげでとても良い作品になったんです。桜花ちゃん(元OSK日本歌劇団トップスター桜花昇ぼるさん)のときにも、それから新人公演(2013年『春のおどり』特別イベント・未来へのステップ)で真麻を中心とした若手が踊ったこともあって、OSKのみんなに踊りこなしてもらっている曲。OSKのジャズの十八番として踊り継いでくれたら嬉しいですね。「これはOSKにプレゼントするから、いつでも好きなときに踊ってください」と言ってあるんですよ。真ん中に立つスターが変わると、ナンバーの魅力も変わってくるので、今回は高世ちゃんを中心にどんな「ジャストダンス」になるのか。私自身も楽しみにしています。

高世) 名倉先生がOSKのために振りつけてくださった大事なナンバーです。とっても洗練されていて、パワフルで、前奏を聴くだけですごくテンションが上がるんです。“いま”を一生懸命に踊るOSKにぴったりの曲だと思っています。大貴さんのファイナル公演のときも、桜花さんのときも踊らせていただいて、今回はまたちがうポジションでこのナンバーに向かい合うわけですが、踊る人間が変われば、またちがった印象になると思いますので、いまのOSK、このメンバーだからこその「ジャストダンス」を楽しみにしていただければ。この場面だけでも「何度でもみたい!」と言っていただけるものにしたいと意気込んでいます。




高世) ショーの後半に、名倉先生が“いまの高世麻央”をイメージして作詞してくださった曲があるんです。これまでいろいろなことがあって、いまここに舞台のお仕事をさせていただいている私がいて…。そんな私の思いにぴったりの歌詞に、長谷川先生(長谷川雅大さん)の素敵な音楽がついて、初めて聴いたときは感動して涙が出ました。自分自身がこんなにも感動できるものを、自分の声で、歌で、お客さまに届けることができる。でも自分だけが感動して、力いっぱいで歌っても客席には届かないと思いますので、これを舞台の上でどう表現するか。いまはその方法を考えるのが楽しくて、幸せですね。

名倉) 私自身がいまもダンサーとして舞台に立ち続けていますから、歌詞を書くときは、そのあたりの心情がうまくハマりましたね。舞台に立つ者はみんなそうだろうと思いますけれど「いつまで踊り続けることができるんだろう」という思いがありますから、そのあたりを歌詞に込めました。一方で、OSKの人たちは「いま、このステージで踊ること、それに命をかけている」そんな感じもするんです。与えられたステージを精一杯につとめようという純粋さ、一生懸命さが胸を打つし、その情熱はピカイチだと思っています。私はさまざまなカンパニーに振付をするんですが、OSKの場合は彼女たちならこのダンスをどれだけ盛り上げてくれるだろうかという計算ができます。だからこそ私が信頼する仲間たちに振付を依頼することもできました。みんなメンバーの一生懸命さに助けられた、と感動していましたよ。

高世) いまレビューだけの公演をしている劇団って、すごく少ないと思うんです。和物も洋物もあって、踊りと歌、芝居の要素もあるレビューをみせることができる。そのレビュー力をこれからも色濃く打ち出していきたいと、あらためて思っています。いまお稽古中でちょうど桜が満開ですが、初日を迎える頃には舞台の上いっぱいに桜の花を咲かせたいですね。桜って咲いている期間は短いのに、一気にうわーっと咲いて、人の心を動かす力を持っている。私たちのシンボルマークでもある桜の花と同じように、お客さまに感動していただける作品になるよう、舞台の上を嬉しく、忙しく走り回りたいと思います。








「大阪公演をみた人が、もう一度みたい! と東京公演に足を運んでくださったら嬉しいですね」(名倉加代子さん)


 トップスター高世麻央さんを筆頭に、異なる魅力を持つ男役スターがひしめき合うOSK日本歌劇団。娘役さんがパワフルなのも素敵です!

 第一部『花の夢 恋は満開』のことも少しだけ高世さんにお訊きしましたが、「いままでの和物とぜんぜん違う!」とのこと。「セリでも盆でもない、大阪松竹座ならではの機構を使った演出」「幕切れも今までにない雰囲気」「恋をするのは人間だけではないかも!」…むむむ、これは日本物レビューも楽しいことになっていそう♪

 大阪松竹座5月公演 OSK日本歌劇団『レビュー春のおどり』は、5月1日から8日まで上演。7月2日から4日には『レビュー夏のおどり』として東京・新橋演舞場にて上演されます。
 
 「レビューってなんだろう?」

 その全力回答のひとつを、ぜひ舞台でご覧ください!





【稽古場映像が公開されました!】


大阪松竹座5月公演
OSK日本歌劇団『レビュー春のおどり』
2016年5月1日(日)-8日(日)

<第一部「花の夢 恋は満開」>
作・演出・振付:花柳 基
ここは花の仲ノ町。毎日さまざまな人が行き交い、最新の音楽やファッションを発信する華やかな街を舞台に、OSKならではの和物のレビューを描き出します。あちらこちらでドラマチックに恋の花が咲き、めくるめく人間模様を描いた作品。春の季節にぴったりな世界観をお楽しみいただきます。OSK日本歌劇団が大阪松竹座を桜満開にいたします!

<第二部「Take the beat !」>
作・演出・振付:名倉加代子
湧き上がるリズムに乗せ、スピード感あふれる世界感!思わずその世界に引き寄せられ、自然と身体が動き出す!人々を突き動かす熱い想いを、溢れだす音楽に乗せ、おしゃれに広がる世界を描きます。迫力あるOSKの魅力が詰まったステージです!

出演:
高世麻央/桐生麻耶/折原有佐/真麻里都/悠浦あやと/楊琳/虹架路万/恋羽みう/白藤麗華/愛瀬光/舞美りら/遥花ここ/和紗くるみ/城月れい/華月奏/翼和希/麗羅リコ/実花もも/千咲えみ/星南ゆり/かなめ樹里/由萌ななほ/穂香めぐみ/栞さな/桃葉ひらり/りつき杏都/結菜ほのり/朔矢しゅう/壱弥ゆう/

92期初舞台生:柚咲ふう/椿りょう/唯城ありす/雅晴日/羽那舞/彩ひとみ/湊侑李/雪妃詩

OSK日本歌劇団
大阪松竹座

おけぴ取材班:mamiko(文/撮影)   監修:おけぴ管理人

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