2016年10月の帝国劇場を皮切りに、全国ツアー公演がスタートする
ミュージカル『ミス・サイゴン』。エンジニア役のダイアモンド☆ユカイさん、キム役のキム・スハさんら、国内外からの話題の新キャストも初お目見え!の製作発表が行われました。
陥落直前のベトナム・サイゴン(現在のホーチミン市)で出会ったベトナム人少女・キムと米兵クリスの愛、サイゴン陥落の混乱がもたらす別離。戦後の衝撃的な再会…。そして、キムの息子への究極の愛と時代の荒波をたくましく生き抜くフランス系ベトナム人-通称エンジニアの生き様。様々な人生ドラマを歌で表現する作品。
1989年のロンドン初演、1991年のニューヨーク初演に続いて、日本では1992年に初演されました。以来、ただひとり一貫して出演を続けた“ミスター・サイゴン”市村正親さん卒業の発表も話題のひとつ。
市村さんのコメントと写真速報をお届けいたします。
「今から28年前、宝塚劇場の稽古場で、キャメロン・マッキントッシュ(プロデューサー)、ニコラス・ハイトナー(演出)、クロード=ミシェル・シェーンベルク(作曲・台本)、アラン・ブーブリル(台本)を目の前にして「生き延びたけりゃ」を歌いました。
当時の僕は劇団四季を辞め、この作品のエンジニア役を勝ち取らなければ今後の舞台生活はないという思いで取り組んでいました。その姿は海外スタッフに「ドアから入ってきた瞬間、エンジニアが入ってきたと思った」と言われました。とにかく勝ち取ってやるという“気”がすごかったそうです。
それから28年、僕もこの業界ではだいぶ知られる存在となりました(笑)。そこで、さあ、今回、僕はどんなエンジニアを作るのかと考えた時、非常にエンターテインメント性の強い役ですが、もう一度、今まで届かなかったくらいにエンジニアという人間を深く追求してみようと思いました。フランス人とベトナム人の間に生まれた彼の幼いころから、ベトナム戦争を切り抜けて、どうにかしてアメリカへ渡るんだという人生。ショーではなく、ドロドロでひた向きに戦争の中を生き抜いていく男を演じたいと思います」(市村正親さん)
【オープニングアクト♪火がついたサイゴン】
オープニングにふさわしい盛り上がり!オーディエンスのハートにも火がつきました!
これはコイツに…(ジョン役:上原理生さん)
ありがたいけど…(クリス役:上野哲也さん、マイムで参戦する新クリス小野田龍之介さん)
続いては小野田クリスとダブルジョンの掛け合い(ジョン役センターマイク右:パク・ソンファンさん)
ジジ役:中野加奈子さん ロンドンでも同役を務めた中野さんは日本の舞台は初挑戦!
ジジ役:池谷祐子さん
ミスター・サイゴン!エンジニア役:市村正親さん
おかえりなさ~い!!
つづいては、どどーんと20分間にわたる歌唱披露から…
あの曲、あの場面…一気に作品世界に誘われます。
『ミス・サイゴン』の歌ヂカラ、やはり唯一無二!!
【歌唱披露♪世界が終わる夜のように】
~一夜の出会いで恋に落ちたヒロインキムと米兵クリスが永遠の愛を誓う、美しいデュエット~
写真左より)キム役:キム・スハさん、笹本玲奈さん、昆夏美さん、クリス役:上野哲也さん、小野田龍之介さん
【歌唱披露♪時が来た】
~人民委員長となったトゥイ(キムの元許嫁)が社会の底辺で生きるキムに結婚を迫る迫力のナンバー~
写真左より)トゥイ役:藤岡正明さん、神田恭兵さん
【歌唱披露♪今も信じているわ】
~戦争の悪夢に苦しむクリスを懸命に支えるエレンの心の葛藤を描くナンバー(劇中ではベトナムでクリスを想うキムとのデュエットになります)~
写真左より)エレン役:三森千愛さん、知念里奈さん
【歌唱披露♪生き延びたけりゃ】
~社会主義国となったベトナムを、たくましく生き抜くエンジニアの生き様を描いたナンバー~
写真左より)エンジニア役:ダイアモンド☆ユカイさん、市村正親さん、駒田一さん
続いては3人のキムによる作品を代表する1曲が披露されました。
会見での歌唱披露でありながら、日本とロンドン、それぞれにキム役を経験しているだけあり、歌い始めると舞台の情景が目に浮かびます。
そして、それぞれキムにぴったりだなと思わせるのですが、3人が3人とも個性豊かなのです。
笹本さん、昆さん、キム・スハさんが作るそれぞれのキム像に期待です。♪命をあげよう歌唱披露の様子をどうぞ…。
【歌唱披露♪命をあげよう】
~息子タムを守ろうとキムが強い愛情を歌う作品を象徴する1曲~
堂々たる日本語歌唱で情感豊かに歌い上げるキム・スハさん
【歌唱披露♪ブイ・ドイ】
~ジョンがベトナム女性との間に生まれた混血児たちに救いの手を差し伸べようと呼びかける力強い一曲~
写真左より)ジョン役:パク・ソンファンさん、上原理生さん
ダブルジョンで迫力も2倍、3倍に!!タイプの違う歌ウマさんにどちらも見たいっ!
【歌唱披露♪アメリカン・ドリーム】
~憧れのアメリカに渡るときがついに来たと、エンジニアがビッグになる夢を歌いあげる作品を代表するビッグナンバー~
注目の新エンジニア、ダイアモンド☆ユカイさんは圧巻の空間掌握力!
とってもロックなパフォーマンスでした!
続投となる“役を生きる”駒田エンジニア
25年目にしてさらなる深化を宣言の市村エンジニア
最後は全員参加!!
この20分の歌唱披露で、早くも作品の力に圧倒されました。
でも、これは『ミス・サイゴン』2016のスタート。続投キャストの深化と新キャストによるフレッシュな風、その融合で25年目にして、また新しいサイゴンファミリーの誕生です。
日本ミュージカル史を語る上で欠かせない この名作をぜひ劇場でご覧ください!
saigon2016
おけぴ取材班:chiaki(文・撮影) 監修:おけぴ管理人