あのおとこたちが帰ってきた!
阿佐ヶ谷スパイダース結成20周年となる2016年、
2004年に“理想を求める男たちの暴走シリーズ”第2弾として上演された代表作が再び蘇る! キャストは池田成志さん、中村まことさん、松村武さん、池田鉄洋さん、富岡晃一郎さん、北浦愛さん、中山祐一朗さん、伊達暁さん、長塚圭史さん、紅一点の北浦さん以外は、初演メンバーが12年ぶりに再結集することでも話題の
『はたらくおとこ』観劇レポをお届けいたします。
始まりは独特のテンポでくんずほぐれずな男たち、面白可笑しく展開しゲラゲラ笑っていると、そこからドーーンと押し寄せる衝撃。気が付いたら笑いながら号泣していました。
結構グロテスクな出来事(?!)もあるのですが、観劇後は妙なデトックス効果があるような、そんな感激観劇体験でした。
(個人の感想で、効能効果を保証するものではありません・笑)-ものがたり-(HPより)
幻のリンゴを作り出す夢も破れ、朝から晩までまんじりともせず、今やもうすることもない閑散の事務所でストーブの小さな炎を囲み、北国の大雪を見つめる男たち。雪はまるで借金のように降り積もってゆく・・・。もはや東京に帰る場所もない。
そんなある日、地元の若い女が運び込んだ幸運の液体。この液体を手に、男たちは手段を選ばず暴走しはじめる。そう、すべては幻のリンゴの栽培を再開するために。運命を打開すべきチャンスが目前となったとき、トラックに乗ってアイツがやってきた!
ここからは寄せられた感想をご紹介!
【だから阿佐スパは面白い!!】
◆面白いという言葉では足りない面白さ。
鉛を飲み込んだようでもあり、爆薬で吹き飛ばされたようでもあり。その衝撃の大きさはなかなか比べるものがない程で、初演を見逃したことがものすごく残念かつ再演が見られたこと、飲まされた幸運に感謝。
◆まさかの初演メンバーということで期待して観ました。みなさん12年たって演技も厚みが増して、仕掛けも装置もさらにパワーアップしていると思います。
前半はのほほんとした笑いですが、途中から凄くグロテスクになってきます。
観ていると匂いまで感じられそうな程、役者さんの熱演と物語に引き込まれます。そして、その
グロテスクさ血みどろ悪臭と対照的な、ラストの一言!まさにカタルシス。
◆ここ最近の阿佐スパのテイストとは違い、ギャグ満載で笑えるのに次第に問題が浮き彫りとなりダークな方向へ。
目眩く展開と衝撃に舞台から目を離せませんでした。男たちがカッコいい。 話も役者も美術も音楽も素晴らしかったです。
◆自己欲と自己憐憫、生と死のアンバランスな世界観。
12年前の作品とは思えぬ程現代のカオスを表現している。
だから、阿佐スパは面白い。
◆12年前の初演も観ています。今回、それぞれの役者さんが、素晴らしい12年を歩んでこられて、初演よりも年齢的にも役に近づいたように、男たちの重みが加わったように感じました。
やっぱり阿佐谷スバイタースは面白い。
◆12年前初演だった作品だという事が信じられないくらい、
全く古さを感じない(というより現代の方がよりリアリティがあるのでは?)ストーリーに驚きました。
舞台を引っ張っていく役者さんのパワーにも圧倒されます。特に
池田成志さん、セリフの一言一言に引き込まれます。
◆
スゴいものを観てしまったと思いました。前半はクスクス笑うところも多いのですが後半イッキに狂気の世界に引き込まれました。
観劇後なんとも味わったことのない気分になりました。
ちょっとクセになりそうな感覚です。
◆
壁に阿佐ヶ谷スパイダースポスター展があって懐かしさを覚えました。
【カッコワルイけど、カッコイイ!】
◆決してもう若くはない男たちが発散し、尽きようとばかりにみなぎらせるエネルギーのおかげで、そうでなければ目も鼻も口も塞ぎたくなるかもしれないものを、炎を見るように、食い入って見つめることができる
。恐いファンタジーの作品世界は何かものすごく密度が濃い。
それにヤラレてしまわぬように役者さんは全身で闘っているように思えた。
その熱を頼りに、身震いするストーリーを堪能できます。
◆ほぼ初演キャスト。時を経てさらに演技や解釈が深くなり、いろいろ痛かったりしますが、
格好悪いのに、格好良いおじさん達が奮闘しています。笑いもありつつ衝撃的な展開にびっくりして下さい。
◆コメディなのか、シリアスなのか、ホラーなのか、わからないまま話に引き込まれました。いろんなものが舞台上に投げ込まれて、ドキドキしながら観ていました。
12年ぶりの再演でしたが、キャストさんの演技に説得感が増していました。
オジサンたち、カッコよかったです!◆中村まことさんはじめ、大好きな役者さん達が出ていてとても楽しみにして観に行きました。
素敵なおじさま方の本気をみせていただきました。前半の論点ズレた笑いと後半のシリアスと…力のある役者さんと演出でとにかく引き込まれました。
◆
個性(アク)の強い男優たちによるぶつかり合い(競演)は最初から最後まで目が離せない。適度な笑いと予測不可能な不気味な展開に引き付けられ、あっという間の観劇だった
初演をご覧になった方にも、今回初めてご覧になった方にも、それぞれの衝撃を与える…それが
『はたらくおとこ』! 奇跡のようなこの再演を、ぜひ、劇場で体感してください。
感想寄稿:おけぴ会員のみなさん
おけぴ取材班:chiaki(編集・文) 監修:おけぴ管理人