こまつ座第118回公演『イヌの仇討』 スペシャルトークショー(東憲司さん)レポート

★ 7月13日(木)は米沢Day★
『イヌの仇討』ご来場スペシャルプレゼントがございます

ほかにもアフタートークなどイベントいろいろ!
詳細はレポ後半をご覧ください!



 いよいよ開幕した『イヌの仇討』。もう一つの忠臣蔵の物語に笑い、涙する客席。そんな 観劇の興奮冷めやらぬお客様を対象にしたスペシャルアフタートークショーをスペシャルにレポート!“ここだけトーク”の一部をおすそ分け!(ご観劇後の皆様は、ぜひ、最後の超ネタバレコーナーまでお楽しみください)



井上麻矢さん(司会進行)、東憲司さん(本作演出)


【『イヌの仇討』は恋い焦がれた作品です】


井上さん)
 東さんが、今回『イヌの仇討』の演出を手がけるまでの経緯からお聞かせください。


東さん)
 実は、こまつ座から最初にお話をいただいたのがこの作品『イヌの仇討』でした。その後、制作スタッフから「井上ひさしが、若い演出家に再演は失礼だから新作を書くと言い出しました」と連絡をいただいたんです。緊張しましたよ、新作だなんて!
 ちょうどそれから1か月ほど経ったころ、井上先生にお会いする機会があったのですが「もう頭の中にプロットがあるから、すぐ書けるよ」と声をかけられました。

客席:笑!

東さん)
 いや、僕もいろんな噂で「遅い」とは聞いていたものの、先生がそうおっしゃるなら、全部ただの噂だったんだなと思ったんです。残念ながら、その後、先生が病に臥せられて実現はしなかったのですが。
 その後、こまつ座では2015年に『東憲司版 戯作者銘々伝』という作品を初めてやらせてもらいました。もとが短編集だったので、演出に加えて脚色までやらせていただいて。そして、今回、再び『イヌの仇討』のお話が来たという次第です。

井上さん)
 『イヌの仇討』、幻の新作、『東憲司版 戯作者銘々伝』、そして再び東さんのもとに巡ってきた『イヌの仇討』ですね。


東さん)
 恋い焦がれた作品です(笑)。


【演劇小僧が集まったような稽古場でした】



井上さん)
 稽古場でご苦労された点は。


東さん)
 忠臣蔵の話ですが、大石が、赤穂浪士が出てきません。それでも彼らを感じさせ、臨場感を出す。どうしたらそれが表現できるかは役者さんとも一緒に考えました。暗闇だからと稽古場を真っ暗にして、ろうそくの灯りだけで稽古してみたり。そうすると、意外や意外、人間はあまり動かないものなんですね。そして灯りに集まっていくということがわかりました。

井上さん)
 冒頭のシーンはそれを反映して?


東さん)
 はい、その経験を活かしました。そして声の出演陣にも助けられました。こまつ座ゆかりのたかお鷹さん、佐藤誓さん、石橋徹郎さん、そして辻萬長さんをはじめとするみなさんにお願いしました。録音のときに、台詞を覚えている方もいて、みなさんが楽しみながらやってくださったことがすごくうれしかったですね。

井上さん)
 こうしてお芝居はみなさんで作っていくということを見せていただいた気がします。キャストも大変個性的なメンバーが揃いましたね。


東さん)
 稽古の中でも、毎日発見があり楽しかったですね。大谷さんを筆頭に、みなさん演劇少年・少女がそのまま大人になったような方ばかりで、なんていうか、演劇小僧が集まったような稽古場でした。



井上さん)
 東さんが誰よりも少年のようでしたよ!


東さん)
 え、そうですか(笑)。

客席:笑!

井上さん)
 では、東さんの今後の活動についてうかがいます。劇団・桟敷童子を主宰されていますが次回公演は。


東さん)
 次は12月に本公演があります。その前は映像作品の脚本執筆があり…この後は缶詰予定です。

井上さん)
 桟敷童子さんはこまつ座とはまた違う魅力なので、ぜひご覧いただきたいですね。では、最後にみなさまへひと言。


東さん)
 『イヌの仇討』は忠臣蔵の話ですが、そこは井上ひさし作品、本当に今の日本に通じるところがいっぱいあります。ご観劇されたみなさん、ぜひ、ご家族ご友人に宣伝をお願いいたします!!


 耳寄り情報の下には超ネタバレコーナー【今明かされる、お犬さまの秘密】がございます!


【耳より情報】


★米沢Day★『イヌの仇討』 7月13日(木) ご来場スペシャルプレゼント

 山形県米沢市のご厚意により、7月13日(木)1:30公演にご来場の皆様全員に、【米沢牛入りさらみ】をプレゼントいただけることになりました。さらに、当日同封のアンケートにご回答の方の中から抽選で5名様に【米沢牛 500g】のプレゼントも!

当日終演後には、米沢市上杉博物館 学芸主査・角屋由美子さんの
アフタートークショーもございます。米沢Dayをぜひお楽しみください!


★スペシャルトークショー開催★

7月7日(金)13:30公演後 演出家トーク(東憲司)
7月9日(日)13:30公演後 キャストトーク(大谷亮介、彩吹真央、加治将樹、植本潤、久保酎吉)
7月13日(木)13:30公演後 ゲストトーク(米沢市上杉博物館学芸主査 角屋由美子 -「忠臣蔵」異聞?...吉良家の言い分-)
7月16日(日)13:30公演後 キャストトーク(大谷亮介、彩吹真央、植本潤、木村靖司、三田和代)
7月17日(月・祝)13:30公演後 ゲストトーク(精神科医 名越康文 -「殿、ご乱心」は本当か-)

※アフタートークショーは、開催日以外の「イヌの仇討」のチケットをお持ちの方でもご入場いただけます。
ただし、満席になり次第、ご入場を締め切らせて頂くことがございます。
※出演者は都合により変更の可能性がございます。



以下は、超ネタバレコーナーとなりますのでご観劇前の皆様はご注意ください。


【今明かされる、お犬さまの秘密】


井上さん)
 劇中でお犬さまが出てきますが、あれは東さんのお手製でございます。


客席:拍手!

東さん)
 僕というか、うちの劇団員に手伝ってもらいながらですね。どうしても“生っぽい動き”をさせたかったので、差し出がましいようですが、「僕に人形を作らせてください」と言いました。でも、試作機を作ったときに、絶句しました。それは豚にしか見えなかったのです(笑)。相当落ち込みましたが、1号機ができたときは、これならいけるかなと持ち直しました。ちなみに、出演しているのは3号機です。

井上さん)
 イヌに関して、当初から確固たるプランをお持ちでしたよね。




東さん)
 この戯曲を上演する際には、どの演出家もイヌをどうしようかと思うでしょう。生っぽい動きのために、人形師を出そうか、それとも人間に着ぐるみをかぶせて…、などとも考えましたが、最終的にパペット式がいいと。役者さんの手を煩わすことになりましたが、大谷亮介さんや植本純米さんをはじめ、犬を扱うみなさんがとても上手く扱ってくださり助かりました。
 そして、この中(お犬さまが鎮座する下手の箱の中)にもスタッフの方に入っていただいて、ずっと演技をしてもらっています。

井上さん)
 よく見ると、ときどき座布団をかじったりしていますよね。


東さん)
 本当に細かくやっていただき、素晴らしいスタッフさんに支えられています。箱に入っている方が休憩中に首を動かしている姿などを見ると、申し訳ないなと思ったりしますが…(苦笑)。



【公演概要】
こまつ座第118回公演
『イヌの仇討』

作:井上ひさし
演出:東 憲司
出演:大谷亮介、彩吹真央、久保酎吉、植本 潤、加治将樹、
石原由宇、大手 忍、尾身美詞、木村靖司、三田和代

劇場:紀伊國屋サザンシアター TAKASHIMAYA
公演日程:2017年7月5日(水)~23日(日)

公演HPはこちらから


おけぴ取材班:chiaki(撮影・文) 監修:おけぴ管理人

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