傘を手に空から舞い降りる姿が印象的なスーパーナニー“メリー・ポピンズ”の物語がミュージカル(舞台作品)化されたのは2004年のこと。原作者のパメラ・トラバースを20年に渡り説得し原作映画を作りあげたディズニーと、数々のヒットミュージカルを生み出し続けるキャメロン・マッキントッシュ率いるクリエイティブチームがタッグを組み、魔法のようなミュージカルを作りあげました!
※ナニー:教育ベビーシッター ♪チム・チム・チェリー、♪スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス、♪フィード・ザ・バーズなど映画版にも登場するおなじみのナンバー、まるで魔法のような演出や舞台セット、迫力のダンスシーン…華やかで心揺さぶるショーがいよいよ日本初演を迎えます!
長期にわたるオーディションを経て、この日、ついにキャストのみなさんが登場した製作発表が行われました。それぞれダブルキャストで挑むプリンシパルキャストに加えて、アンサンブルキャストも登場するとっても賑やかな歌唱披露(見ているだけで楽しくなってくる!)、個性的なコメントも飛び出す会見の様子をレポートいたします。
まずは魅惑の歌唱披露編から!歌唱披露の様子と、扮装写真、キャメロン・マッキントッシュ氏からのメッセージ、日本版に集いしクリエイティブスタッフの紹介をどうぞ。
【『メリー・ポピンズ』の世界へ誘う音楽の力】
♪Chim Chim Cher-ee 最初に舞台上に登場したのはメリーの親友のバート役の柿澤勇人さん。煙突掃除屋をはじめ、大道芸人や絵描き、凧売りなどいつも違う仕事をしているバートは、ミュージカルでは狂言回しのような役割も果たします。
バート役の柿澤勇人さん
そこに登場したのはもうひとりのバート!
もの悲しさのあるメロディながら、マジカルワールドへ誘うワクワクを増幅させるような柿澤さんの歌声と表情に引き込まれました。
バート役の大貫勇輔さん
これまで舞台ではダンスで魅了という印象の強い大貫さんですが、歌声もかなり正統派。達観したバートの予感!
続いては、待ってました!メリー役の濱田めぐみさんの登場です。
張りのある歌声、登場した瞬間、「あ!メリー・ポピンズだ」と思わせる説得力!
大貫バートにエスコートされて登場したのはもうひとりのメリー、平原綾香さん
こちらも迫力の歌声!濱田さんは青、平原さんは赤のドレス、本当におふたりともメリー感抜群です。
『メリー・ポピンズ』日本初演のいわば口火を切った4人の♪Chim Chim Cher-ee、晴れやかな門出です!
♪Practically Perfect 魔法が使え、美しく賢いナニー、メリー・ポピンズのナンバーをダブルメリーバージョンで。会見でも触れられますが、映画よりも自信家、完璧な印象というメリーの人物像を象徴するようなナンバーです。そして、とっても自身家ですが、もちろん子供たちならずとも心掴まれる、魅力的なおふたりなのです。
のびやかな歌声!
身だしなみを整えて!
なにもかもパーフェクト!
♪Feed the Birds こちらも名曲、セント・ポール大聖堂の前の広場で子供たちが出会うバードウーマン役(鳥のエサを売っているおばあさん)のおふたりによるFeed the Birds。「2ペンスを鳩に」というタイトルでもおなじみの心にしみるナンバーです。
バードウーマン役の島田歌穂さん、鈴木ほのかさん
やさしく語るように、説くように歌うおふたり。2ペンスの価値、使い方、心が満たされるということ…メリーの教育はきらびやかな魔法だけじゃないんですよね。
そして、おふたり&キャメロン・マッキントッシュといえば…今年30周年を迎えたミュージカル『レ・ミゼラブル』が思い出されます。大作の日本初演に、今度はダブルキャストで挑む!これもすごいご縁ですね。
♪Jolly Holiday しっとりとした空気に包まれた会場が、今度はハッピー一色に!楽しさ満ち溢れる休日を歌ったJolly Holiday!を全キャストで。
アンサンブルキャストも登場!
みなさんのカラフルな衣裳もハッピーな気持ちになりますね!
こうして披露されたミュージカルナンバー、劇中ではどんな見え方、聴こえ方がするのかな。本番への思いを募らせながらのあっという間の歌唱披露のひとときでした。
製作発表の続きは
ミュージカル『メリー・ポピンズ』製作発表レポート【コメント編】にて!と、その前に!
【キャメロン・マッキントッシュ氏からのメッセージ(抜粋)】
「ディズニーとの共作、マジカルで特別な作品『メリー・ポピンズ』を日本で公演できることをうれしく思っています。以前から、この作品を日本で上演したいと思い、長い長い時間をかけて日本人キャストを選びました。
ディズニーの生み出した素晴らしい映画とその音楽、パメラ・トラバースの原作も家族についての美しく深い物語です。私はディズニーのトーマス・シューマッカーとともに、この原作と映画を舞台化する栄光に恵まれました。
このとても華やかでマジカルなミュージカルの成功を信じています。なぜならこれは“家族”の物語だからです。メリー・ポピンズがある家族を救い、去っていく。その姿を日本のみなさんもきっと愛してくれるでしょう。来年の春をどうぞお楽しみに!」
【ミュージカル版に集った才能たち】
脚本は「ダウントン・アビー」でも知られるジュリアン・フェロウズ、リチャード・M・シャーマンとロバート・B・シャーマン兄弟による時代を超えたオリジナル楽曲の数々に加えて、ローレンス・オリヴィエ賞を受賞した英国人チーム、ジョージ・スタインズとアンソニー・ドリューが追加音楽と歌詞を手掛けています。
日本公演の演出はジェームズ・パウエル氏(『レ・ミゼラブル』新演出版)、マシューボーン氏とスティーヴン・メア氏によるオリジナル振付を翻案するのはジェフリー・ガラット氏(『ミス・サイゴン』追加振付)、さらにはスティーヴン・ブルッカー氏(『レ・ミゼラブル』『ミス・サイゴン』)が音楽スーパーヴァイザーを務めるなど、日本での仕事を成功させている心強いスタッフです!
ミュージカル『メリー・ポピンズ』製作発表レポート【コメント編】へ!
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文) 監修:おけぴ管理人