400年の歴史をもつ南座。
新開場コンセプトは「伝統と新たな魅力の融合」!
いよいよ今秋に新開場する京都四條南座(以下、南座)。
新開場の幕開けは11月。二代目松本白鸚さん、十代目松本幸四郎さん、八代目市川染五郎さんの三代同時襲名披露を兼ねた
「吉例顔見世興行」から。
このほか新作歌舞伎
「NARUTO-ナルト-」や、バーチャルアイドル・初音ミクとコラボレーションする
「超歌舞伎公演」、客席と舞台が一体化する
「京都ミライマツリ2019」など、伝統の継承と、新たな挑戦が融合した、2018~2019公演ラインナップが発表されました。
左から、南座支配人の藤田孝さん、南座から生まれた◯◯◯ー◯(レポ後半でご紹介♪)、十代目松本幸四郎さん、松竹株式会社 取締役副社長・演劇本部長の安孫子正さん
平成3年、先代の南座新開場のこけら落とし公演「吉例顔見世興行」で南座初お目見えを果たした幸四郎さん。今回、新たな南座の新開場で三代同時襲名披露公演をすることに「ご縁を感じている」と感慨深げ。
中村芝翫さん、中村扇雀さん、中村鴈治郎さんらと復活狂言に取り組んだ「小笠原騒動」、創作舞踊に初めて挑んだ「傾奇(かぶき)おどり」などのタイトルを上げ、先代の南座での日々を懐かしみました。
「京都は新し(あたらし)もの好きな場所だと思います。その京都で伝統を継承しつつ、最新鋭の舞台技術も取り入れた南座が開場する。まさしく京都らしい劇場の誕生です。ラインナップを見ますと、来年の9月まで私が入る隙間はなさそうですが(笑)、その後にたくさん出させていただきたいと願っております」(幸四郎さん)
それではここから、この日発表された14演目を、おけぴスタッフ的注目ポイントを交えて一気にご紹介!
2018年11月
「當る亥歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」出演:二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎、八代目市川染五郎、ほか 高麗屋三代同時襲名披露公演にふさわしく、豪華な出演者・演目が検討されているとのこと。2018年12月
「當る亥歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」 2ヶ月連続の顔見世興行。詳細の発表が楽しみです!2019年1月
「初笑い 松竹新喜劇 新春お年玉公演」出演:渋谷天外、藤山扇治郎、久本雅美、ほか 元旦から笑いたっぷりのお芝居を! “京都のお正月は松竹新喜劇”が恒例になるかもしれません♪2019年1月
「喜劇名作劇場『喜劇 有頂天団地』」出演:渡辺えり、キムラ緑子、西尾まり、久世星佳、明星真由美、片山陽加、一色采子、田中美央、鷲尾真知子、広岡由里子、笹野高史、ほか
有頂天シリーズ第3弾! 小幡欣治の傑作喜劇『隣人戦争』をもとに、見栄を張り合う主婦ふたりを渡辺えりさん&キムラ緑子さんが演じます。演出は南座初登場のマギーさん。2019年2月
「KYOTO EXPERIENCE!」劇場機構や技術を活かした“和”のエンタテイメント。新たな試み、詳細情報は続報を待ちましょう!2019年3月
「坂東玉三郎特別公演」 玉三郎さんがみせる新開場にふさわしい“美”とは? 演目発表が待ち遠しいです。 2019年4月
「都をどり」 140年以上の歴史がある「都をどり」。南座では67年ぶりの上演!2019年5月
「京都ミライマツリ2019」 ノンバーバルパフォーマンス『ギア-GEAR-』を手がけるアートコンプレックス、原宿“カワイイ”カルチャーを牽引するアソビシステム、そして幸四郎さんが染五郎時代にラスベガスで演じた『獅子王』のプロジェクション・マッピングなどを手がけたネイキッドなど、最先端技術を持つチームと手を組んで、南座が仕掛ける新たな試み。
舞台と客席がフラットなひとつの空間になる新機構を使い、出雲の阿国が四条河原で民衆とともに踊ったような、芸能の原点、祭りをイメージした公演になるとのこと!
海外からの訪日客も視野に入れた、新たな日本の魅力を発信するステージになりそうです。2019年6月
新作歌舞伎「NARUTO-ナルト-」出演:坂東巳之助、中村隼人、ほか 今夏の新橋演舞場公演に続き、ナルトが南座に登場! 海外からも高い人気を集めるニンジャ・アクションがどんな歌舞伎になるのか!? うずまきナルト役に坂東巳之助さん、うちはサスケ役は中村隼人さん。だってばよ!2019年6月
京都五花街合同公演 第26回「都の賑い」 華やかな花街の雰囲気を劇場で味わえる「都の賑い」。京都ならではの公演です。2019年7月
還暦&噺家生活40周年記念「桂米團治 独演会」 南座との縁も深い米朝一門のプリンス♪ 米團治さん独演会。2019年7月
OSK日本歌劇団「レビュー in Kyoto『SUMMER SPECIAL』」 京都のナイトエンタテイメントを意識して、内容や開演時間などを検討中とのこと。道頓堀 角座にて上演中の「REVUE JAPAN」での経験も活かし、インバウンド向け公演の先駆けを担う南座、その第一歩に! と力強い宣言が♪2019年8月
「超歌舞伎公演」出演:中村獅童、初音ミク、ほか こちらも海外、未来へ眼差しを向けた挑戦になりそうです。株式会社ドワンゴと組んで幕張メッセで上演された「超歌舞伎」がついに本格的歌舞伎上演劇場にて上演! バーチャルアイドル・初音ミクと、中村獅童さんら歌舞伎俳優との共演、伝統と先端技術の融合です。2019年9月
「九月花形歌舞伎」出演:片岡愛之助、中村七之助、市川中車 先鋭的な挑戦だけではありません。歌舞伎の芸を若い世代に伝承する花形歌舞伎公演。愛之助さん、七之助さん、中車さんという顔合わせで古典歌舞伎をしっかりと味わうことができそうです。◆ 400年の歴史を持ち、国の登録有形文化財でもある京都四條南座。
伝統を受け継ぎつつ、未来を見据えた新たな試みに、国内最古の劇場としての矜持を感じさせるラインナップ発表会でした。
発表会の最後には、改修工事のさなかに劇場内の“とある場所”で発見された、こちらの方のお披露目も…!
唐破風(からはふ)屋根に、元和年間(1615~1623)に官許された芝居小屋の証である櫓(やぐら)、そして神様を呼び込むといわれる梵天(ぼんてん)。南座の象徴である要素を体現した“南座の新宣伝部長”、その名は…「みなみーな」!
みなみーなさんから目線、いただきました!
劇場の魅力のひとつだったレトロな意匠はそのままに、新たな機構を備えた最新鋭の劇場に生まれ変わった南座。伝統と革新が融合する空間に足を踏み入れる日が、今から楽しみでなりません。
幸四郎さんとのツーショットも。
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京都四條南座歌舞伎美人 「南座 新開場記念2018~2019ラインナップ発表」
おけぴ取材班:hase ,mamiko 監修:おけぴ管理人