ミュージカル『タイタニック』再演 いよいよ出航!! トム・サザーランドの『タイタニック』が帰ってきました!
「悲劇の船ではなく、実際にそこに生きた人々の物語」というコンセプトのもと立ち上げられたミュージカル『タイタニック』。初日前に行われたフォトコール&会見より、速報として演出のトム・サザーランドさんのコメントをご紹介いたします。
演出:トム・サザーランドさん
これよりご覧いただくのは、冒頭の出航の場面、この場面があるからこそ『タイタニック』はミュージカル化されるべきだと感じました。
5年前のロンドン。
それまでイギリスでは上演されたことのなかったミュージカル『タイタニック』を手掛けたいと友達や同僚に話したら、「それはどうかな?」という反応でした。
「タイタニックのミュージカル?」「可能なのか?」「そんな悲しい物語でミュージカルはできるのか」と。
私はチャレンジが大好きです、「出来る。それも、20人くらいで」と答えました。
世界最大の可動物の物語、1500人以上のドラマを22人でやってみせると。
何故なら、モーリー・イェストンのミュージカルは、なにもかもが音楽に込められている。そして、それが最初のセクションにすべて込められているのです。
タイタニックの物語を見せるとき、乗船する人々の「夢」「希望」「野心」を大事にしたいと思いました。乗客たちの話であり、タイタニック号を造った人々、給仕としてお客様に尽くした人々の話だと思っています。
「夢」「希望」「野心」はミュージカルにとって不可欠です。
『レ・ミゼラブル』も♪夢破れてというナンバーで、かつて見た「夢」を歌います。
『屋根の上のヴァイオリン弾き』でテヴィエが歌う♪金持ちだったらも「夢」。
『マイ・フェア・レディ』もイライザ・ドゥーリトルのレディになりたいという「夢」の物語です。
そして、夢の船タイタニックには1522人の夢を持った人びとが乗船します
それを今からご覧いただきます
この作品では、タイタニックをレプリカとしてお見せしたいのではなく、そこであった出来事を象徴的に描き、演劇的に見せたいと思いました。
そこでは演劇だからこそ伝わることがある。
出航の場面では、22人の俳優が80人以上の人間を演じます。
舞台袖に走って衣裳を着替え、客席を走って衣裳を着替え、新しい人物として出てきます。
僕にとって、それはとても大事なことでした。
同じ俳優に、一等客から三等客まで、そして、この船を造った人、乗組員を演じてほしかった。だから敢えて隠さない。同じ俳優であることを認識した上でご覧いただきたいのです。
~公演資料によると、そこには「タイタニック号の沈没は階級社会の終焉である」「着ている服が違うだけで、一等客も三等客も、中身は皆同じ人間なのだ」というトムさんのメッセージが込められているとのこと~舞台では、前田文子さんの素晴らしい衣裳がその人がどういう人物なのか、そこがどういう場所なのかを伝えてくれます。伊藤雅子さんの美しいセットによって、タイタニックの雰囲気が伝わります。
一緒に通路を駆け抜ける俳優に続いて、お客様には一緒に乗船していくような気持ちになっていただければと思います。
『タイタニック』僕が初めて日本で手掛けたミュージカルであり、「旅」についてのミュージカル。僕自身がロンドンから飛行機に乗って、知らない土地にやってきた。それにもリンクします。
たくさんの方があたたかく迎えてくれ、素晴らしい作品を作ろうと一丸となって創作活動をしました。再演への緊張もありますが、僕は物事を変えるのが好き。あまり前もって決めずに、その場で、そのときにやりたいと思うことをやる。みんなで一緒に創っていきたいんです。「演出の秘訣は」と聞かれますが、それは僕にもわからない。
(終了時間を報せる鈴の音)
これにて私の話は終わります。どうぞミュージカル『タイタニック』をお楽しみください。
間もなく出航いたします!
◆早速、動画も公開されました♪
いやぁ、やっぱり『タイタニック』にもこの方は不可欠!バレットの第一声を聴いて、出航だ!と高まりました♪
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文) 監修:おけぴ管理人