シネマ歌舞伎最新作
『野田版桜の森の満開の下』
宣材ビジュアル解禁! 歌舞伎の舞台を撮影し映画館で上映するシネマ歌舞伎『野田版桜の森の満開の下』の宣材ビジュアルが届きました。
現代演劇界を代表する奇才野田秀樹が坂口安吾の小説「桜の森の満開の下」と「夜長姫と耳男」を下敷きに書き下ろし多くの演劇ファンの心を奪った伝説の舞台『贋作・桜の森の満開の下』が、昨年夏ついに歌舞伎『野田版桜の森の満開の下』として生まれ変わり、来年4月にはシネマ歌舞伎として全国の映画館に登場いたします。
宣材ビジュアルには、妖しく美しく咲き乱れる桜の木、それぞれの欲望や野心を秘めた個性豊かな登場人物が登場。「男が出会ったのは美しく残酷な姫だった―」というコピーと共に、幻想的かつ壮大な物語を予感させます。野田秀樹と中村勘三郎がいつか歌舞伎として上演することを約束していた作品でもある本作。裏面には野田秀樹が寄せた本作への想いも掲載しております。
また、11/3(土)より、お得に本作をご覧いただける特別鑑賞券(ムビチケカード)1800円が各上映映画館、歌舞伎座、新橋演舞場、大阪松竹座、さらに現代劇『贋作・桜の森の満開の下』が上演される東京芸術劇場ボックスオフィスでも販売されます。
【チラシ裏面より】
薨(みまか)りし後の夢 『野田版桜の森の満開の下』がシネマ歌舞伎に登場するにあたっては、世紀に跨る物語がある。
前世紀、1998年の正月、故中村勘三郎と、歌舞伎の新作ができないものかと、ワークショップをやった。その際に、歌舞伎役者らが、私の現代劇『贋作・桜の森の満開の下』をベイスに何らかの形を作り、現代劇の役者らが木村錦花作『研辰の討たれ』を何らかの形にした。その時は、どちらもまだまだ歌舞伎にできるような代物にはならなかったが、それでもその時に得た手応えから、換骨奪胎した2001年の『野田版研辰の討たれ』が生まれた。勘三郎とはその後、いつか『桜の森の満開の下』も歌舞伎にしようと話していた。その夢叶わぬままに勘三郎は「薨(みまか)」ることとなった。その「死」の上に乗っていた「夢」が、形になったのが去年の夏だ。勘三郎は、世を去る数年前「シネマ歌舞伎の『野田版鼠小僧』、見た?それが思いのほかいいのよ。あれはあれで一つの形だよ」と情熱たっぷりに話していた。
このシネマ歌舞伎『野田版桜の森の満開の下』には、一見、勘三郎は何一つ関わってはいない。だがその根底には、彼が歌舞伎に賭け続けた情熱がある。世紀に跨る彼の歌舞伎への熱量でここに生まれている。
野田秀樹
この記事は公演主催者からの提供により、おけぴネットが製作しました