新国立劇場 2020/2021シーズン演劇『斬られの仙太』全キャストが決定!!
芸術監督・小川絵梨子さんのもと、作り手が新しい俳優と、俳優が新しい演出家と、劇場が新しい作り手たちと出会い、作品を立ち上げていくという、新国立劇場のフルオーディション企画第三弾『斬られの仙太』(演出・上村聡史さん)。
2019年11月より応募を開始し、20年1月から2月にかけてオーディションを開催。およそ5週間にわたるオーディションを経て、すべての出演者が決定しました。
<総勢80もの役を16名で演じ分ける出演者はこちらの皆様!>
【真壁村の仙太郎】伊達 暁
【百姓 段六】瀬口寛之
【加多源次郎】小泉将臣
【兵藤治之】今國雅彦
【利根の甚伍左】青山 勝
【甚伍左の娘 お妙】浅野令子
【くらやみの長五郎】佐藤祐基
【芸者 お蔦】陽月 華
【お咲】原 愛絵
【下妻の瀧次郎】久保貫太郎
【瀧次郎の息子 瀧三】中山義紘
【天狗党の今井】内田健介
【天狗党の井上】小林大介
【天狗党の水木】木下政治
【上林の弥造】山森大輔
【読売り】原川浩明
◆<演出家・上村聡史より>
小川芸術監督から、フルオーディション企画の相談を受けたとき、迷わず『斬られの仙太』を提案しました。
それは、初めましての出会いで作品を創ることになり、演者と演出者の間で疎通が上手くいかない時間が稽古の際中にあったにせよ、作家・三好十郎の魂に共鳴し集まったのだから、そのシンパシーは唯一無二に信じることができると思ったからです。
幕末の揺れ動きのなかで、"育む"ことによって日々を生きる市井の生活感と、官僚的価値観に基づき" 差別化"することで社会を支配しようとする政治性との間に生ずる矛盾や葛藤といった、今の時代にも通ずる作品世界に、多くの方が手を挙げ、演ってみようと志してくれたこと、感謝が尽きません。そして、決して読みやすい台本ではなく、演じるうえでは、封建制度の時代性を体現化する身体や声、芝居質が求められる高度な戯曲に、果敢にご応募いただいたことに、私は現代演劇の可能性を感じました。
その上でオーディションという形で、出演者16名を決定させていただきました。
オーディションで出会った方々が、三好十郎が言葉に刻んだ熱量を、己の声と肉体を駆使して凌駕しようとする勇姿に、同時代を共に生きる演劇人として、逆に勇気と気概を頂いた次第です。そして、その熱量と勇姿を受け、本作品の創作にいっそう精進していきたいと思います。
<演劇芸術監督・小川絵梨子より>
「斬られの仙太」のオーディションにご応募くださった方々、そして長期に渡るオーディションにご参加下さった方々、本当にありがとうございました。深く御礼申し上げます。新国立劇場におけるフルオーディションの企画は、本作品で三回目となりましたが、多くの方々からご応募を頂きましたことは大変に有り難く、劇場として励みに感じております。
ご出演頂く方々にも、今回はご出演頂くことが叶わなかった方々にも、この度のオーディションを通して出会う機会を頂けたことは、新国立劇場にとってとても大きな財産です。ご応募下さった皆様お一人お一人に、この度の作品に興味を持ってくださったこと、そして多大なるエネルギーと時間と想いをオーディションに向けて下さったことに、心より感謝申し上げます。
このフルオーディション企画は来年以降も続けて参ります。オーディションで作品を作ることの豊かさとその意義を体現していきたいと願っております。また本企画にご興味を持って下さったら幸いに存じます。何卒よろしくお願い申し上げます。
最後になりましたが、今回の作品を皆様にお届けできますことを、私自身もとても楽しみにしております。どうぞご期待下さいませ。