KERA・緒川たまき、新ユニット「ケムリ研究室」結成!
新作 ケムリ研究室 no.1『ベイジルタウンの女神』上演決定!
(9月東京ほか、各地にて)ナイロン100℃を主宰し、劇作家、演出家、音楽家、映画監督など多彩な顔を持つ、
ケラリーノ・サンドロヴィッチ(KERA)。
劇団公演、プロデュース公演、ユニット公演など、舞台作品を、精力的に、立て続けに創作している。そのKERAが、2020年、新たなユニットを結成する。
共にユニットを立ち上げるのは、女優・
緒川たまき。
ユニット名は、その名も
「ケムリ研究室」。
ケムリの向こうに立ち上がるのは、果たして何色の景色だろうか。
今回、KERAと緒川は、記者向けのオンライン映像で、ユニット結成披露を行ない、立ち上げの経緯や、今後の構想など熱く語った。(今の思いなど、コメントは下記にて)
KERAが「創作のパートナー」と公言する緒川と、今回改めて、共同企画者として作品作りをスタートさせるが、ユニット立ち上げは、5、6年程前から構想し、準備に時間をかけて結成に至った。「ケムリ研究室」というユニット名は、実験基地を想起させる“研究室”と、2008年上演『シャープさんフラットさん』の、KERAが自身を投影したキャラクター“辻煙”にちなんで名付けられたとのこと。
また、9月上演予定となる、
ユニット旗揚げ第一回新作公演『ベイジルタウンの女神』の上演も発表された。
出演には、
緒川たまきの他、
仲村トオル、水野美紀、山内圭哉、吉岡里帆、松下洸平、尾方宣久、菅原永二、植本純米、温水洋一、犬山イヌコ、高田聖子など、強力な話題のキャストが集い、「ケムリ研究室」の立ち上げを華々しく飾る。
KERAは
「作風は、公演ごとにバラバラになると思います。旗揚げ作品『ベイジルタウンの女神』は『キネマと恋人』同様、間口の広い誰でも楽しめる作品になると思います。ふとした事から貧民街で暮らすことになった、俗世知らずの女社長を巡るコメディです。頭の中には3本分位の構想があり、年一本か少なくとも二年に一度のペースで公演を打ちたいと思っています。
緒川さんは、今回ユニットの企画者、主宰者ですので、若干今までと心持ちが違うと思います。世の中の方が目にしていない緒川たまきさんもいっぱいいるような気がしていますし、年輪を重ねて若い時には見せてこなかった幅も、もっと見せたいと思います。
できる限りのことをやっていきたいと思っています。是非とも客席で、お会いできることを楽しみにしています。」と抱負を語った。
緒川たまきは、
「KERAさんが得意とされる群像劇以外でも、短くて少人数のお芝居など、今まであまりやって来なかったものも出来たらいいなと思っています。演劇と映画の繋がり方なども追求していきたいと思います。秋の新作も、演劇ファンのみならず、映画ファンの心もくすぐるようなものになればいいなと考えています。
皆様にお届けできるように頑張りたいと思います。そして劇場でお芝居を見るということを楽しんでいただける状況になっていることを祈っています。」とユニットへの意気込みを語った。
KERAと緒川たまきの創作のラボラトリーがどんな実験作を生み出すか、期待は尽きない。
詳細は順次、
キューブオフィシャルサイトで確認。
【コメントレポ】
おふたりのユニット結成について。
「これまでもクレジットこそされていないが、緒川さんとは人間ドラマ的な作品は、共同作業で作ってきたようなもの」と話すKERAさん。それに対して
「お稽古しながら台本を書いていくので、明日までに何枚(台本)渡せるか!という状況下で猫の手も借りたいというときに、そばにいる人間としてこうじゃない?ああじゃない?と渡す、そういう意味の創作のパートナーです」と緒川さん。続けて、
「研究室なのであんなこともこんなこともやってみよう。そして「ケムリ」という言葉、人によって想像が広がるところもいいな」とユニット名への思いも。
キャスト・スタッフについて。気心の知れた安心メンバーの面々に加え、意外にもKERAさんはお初という高田聖子さん、菅原永二さん。そして若手の吉岡里帆さん、松下洸平さんについては
「一緒に芝居をした時どうなるか不安と期待がありますが、彼らとやることで面白くなるんじゃないかなと思っています。あとダンサー4人は街の住人として役者も兼ねます」(KERAさん)
スタッフの振付・小野寺修二さん、映像・上田大樹さん、音楽・鈴木光介さんという顔ぶれについて、お二人も「ゴールデンチーム」と太鼓判、期待が膨らみます。
ロゴやビジュアルについて。全体的に漂うレトロな雰囲気──
「緒川さんって昭和、大正、もしくはそれより昔。令和じゃないんだよな。リアルタイムじゃないというか(笑)」というKERAさんの言葉に妙に納得!
最後に、今、思うことについてもお話してくださいました。
KERAさん) なにができるかをずっと考えていました。自分らしいモノづくり、この制約の中でなにができるかを。
夜中に二人で散歩をしていても、話すことはコロナのこと。こういうことがなかったら落ち着いて考えられなかったことをいっぱい考えたし、見えなかったものがたくさん見えた。明らかに今後の作品作りに、良くも悪くも影響を及ぼすでしょう。
これまでも小さな偶発性に作品、創作は影響を受けてきました。今回はその極端な例。つらい面を見るときりがないけれど、演劇人がこの時間を経験したことによって、今後どんなものが生まれるかも見ていきたい。
また、お客さんが協力的、様々な状況を受け入れてくれることについては本当にありがたいと思っています。僕らがやることが、結果的にお客さんの期待にそえるようにがんばっていきたい。
緒川さん)
演劇をお届けする側としてだけでなく、演劇を観に行くことが叶わない状況で、次に観客として客席に座ったとき、一つひとつのシーン、芝居にどんなことを思うかな。いち観客としての感覚、作り手としての感覚は(自分でも)わからないこともあります。そしてそれは今後、さらに変わっていくかもしれません。これまでのような恵まれた形でというのは叶わないかもしれないけれど、選択肢が狭まっても、なるべくへこたれないこと。そんなことを考えています。KERAさん) 演劇をやっている人は舞台に立ちたいし、生のお客さんの前でやりたい。でも、一人で暮らしている人もいれば、子供や親、家族と暮らしている人もいるし、それぞれ人生観も違う。そういう難しさもあると思っています。そんな人たちが集まって芝居をする。そこを「芝居をやれるんだからやろうぜ」という強引さだけでは引っ張っていけない。随時確認し合いながら作っていかないと。
緒川さん)
そこはデリケートな確認を続けなくてはなりません。稽古は幸せな時間ですが、そこに潜む危険にも思いを馳せていないと誰かを苦しめることになるでしょう。KERAさん) できる限りのことを尽くし、ぜひとも客席で(ちらりと横を見て)僕は客席だけど緒川さんは舞台上からお会いできることを楽しみにしています。
緒川さん)
なんとか形にして皆様にお届けできるように頑張りますので、劇場に遊びに来て下さい。劇場でお芝居を観ることを楽しんでいただける状況になっていることを祈っています。ケムリ研究室 no.1『ベイジルタウンの女神』
<スタッフ>
作・演出 ケラリーノ・サンドロヴィッチ
振付 小野寺修二
映像 上田大樹
音楽 鈴木光介
<キャスト>
緒川たまき 仲村トオル 水野美紀 山内圭哉 吉岡里帆 松下洸平
望月綾乃 大場みなみ 斉藤悠 渡邊絵理 依田朋子 荒悠平
尾方宣久 菅原永二 植本純米 温水洋一 犬山イヌコ 高田聖子
<上演時期>
2020年9月 東京公演
2020年10月 各地公演予定