【作・演出・出演:長塚圭史さんコメント】
不都合な現実を遠くへ追いやる、その果てみたいなことを書きました。記憶の濃淡。共に生きる難しさ。コロナ禍でなければ生まれませんでした。これから大人になる子供達とかつての子供達へ。【ものがたり】
どこかの国の、どこかの町。タナカ一家は愛犬とともに、シンプルライフを堪能しようとこの町に引っ越して来ました。ところが町中はどこか殺伐としています。誰もがマスクで口元を隠し、ソーシャルディスタンスを保ちながらの暮らし。この町にはイヌビト病の感染が広まっていたのです。今を去ること30年前、この町では狂犬病が大発生、ついにヒトはイヌを飼うことを禁じられ、この町からイヌはすっかりいなくなりました。しかし、今度はイヌビト病が大流行、さらにはヒトからヒトへの感染も始まって......。【稽古場映像】