福山庸治の「モーツァルトが実は女だった」というフィクションを描いた同名コミックスを原作とし、日本オリジナルミュージカルを牽引してきた音楽座ミュージカルの代表作でもあるミュージカル『マドモアゼル・モーツァルト』。1991年に初演以来、幾度も上演されてきました。そして初演から30年が経つ2021年、小林香さんの演出、東宝製作により新たな『マドモアゼル・モーツァルト』が誕生!
天賦の才に恵まれ、音楽を奏でることの喜びに満ちたモーツァルト(少女エリーザ)。女性が音楽家になることが許されていない時代、父レオポルトは彼女を男として育てる。やがて時代の寵児となったモーツァルトだが、女性であることを隠したままの結婚、本来の自分は何者なのかという葛藤を抱えながらも、その傍らには常に音楽があった。やがて愛する父の死をきっかけにエリーザとして振る舞う中で、これまでの自分と音楽の存在を改めて見つめ直す。
真実を知り、悩みながらもモーツァルトに寄り添う妻コンスタンツェ、モーツァルトの音楽を否定しながらも惹かれる宮廷音楽家サリエリ、新しい音楽の世界を切り開こうと働きかけるシカネーダーら周囲の人々との関係とともに、天才モーツァルトの一生をドラマティックに描く本作。
モーツァルト/エリーザ役の明日海りおさん、サリエリ役の平方元基さん、コンスタンツェ役の華優希さん、シカネーダー役の古屋敬多さんよりオフィシャルコメントが届きました。
──みなさんの役どころは。明日海りおさん) 今回は『マドモアゼル・モーツァルト』ということで、モーツァルトが実は女性だったという設定で、小さい頃は“エリーザ”として、そこから音楽の才能を見出されて男として育っていく、という役です。
平方元基さん) サリエリはイタリア出身の宮廷作曲家で、モーツァルトに恋をしてしまい、当時音楽家には男性しかなれなかったので「僕は男に恋をしたのか?」「ひょっとしてモーツァルトは女なのか?」といろいろな悩みを抱きながら物語を展開していく役を演じます。
華優希さん) モーツァルトの妻コンスタンツェとして、純粋に恋をしていた少女の時代から、モーツァルトが女だったと分かっても、性別やいろいろなものを乗り越えて共に歩んでいく姿を、しっかりと描いていければと思っています。
古屋敬多さん) 終盤の方で登場する役なのですが、モーツァルトと一緒にオペラ界で革命を起こそうとする、とても野心家でマルチな才能を持った人物です。
──見どころは。明日海さん) “私って何なんだろう”と、勇気を出して自分の進むべき道へ歩んでいくところ。その勇気というのは、サリエリと出会って気づいたこと、コンスタンツェと性別を越えて愛を育めたこと、シカネーダーがチャンスをくれて絆を築くことができた……。様々なキッカケが全部勇気に繋がっているので、その過程をお楽しみいただきたいなと思います。
平方さん) 作品中で登場する“精霊”たち、言葉(台詞)は発しないですが、彼らの身体表現にも注目して見ていただけると、作品をより深く楽しんでいただけると思います。
華さん) 個人的には、明日海さん(演じるモーツァルト)と仲良くさせていただく幸せな場面は、とても楽しくて、そしてドキドキ・ハクハクしながら演じさせていただいています。ほかにも“♪NaNaNa!”などいろんな華やかな場面もお客様にお楽しみいただけると思います。
古屋さん) 明日海さんのモーツァルトとエリーザの演じ分けが本当にカッコよくて可愛いので、そこは見どころだと思います。僕は、本当に後半の方に出てきて嵐を起こしていく感じなのですが、革命前夜を見ているような気持にできればいいなと思いますし、精霊たちと一緒にパフォーマンスするナンバーは、“圧巻”と言われるように頑張りたいです。
―初日へ向けての意気込みをお願い致します。平方さん) すごくいいカンパニーで、家族のような皆さんとこの物語を温めて作ってまいりましたので、きっといろんなものをお持ち帰りいただける作品になっていると思います。余すところなく楽しんでいただければと思っています。
華さん) 初日を迎えられるということが本当にありがたいことだと感じます。宝塚を卒業して舞台に立つのが初めてでとても緊張しているのですが、このカンパニーの素晴らしい皆様と舞台を作らせていただけることに幸せを感じています。一日一日大切に、お客様に温かいものをお届けできるように精一杯頑張ります。
古屋さん) 稽古開始から約2か月、毎日体調には気を使ってやってきました。いよいよ本番ですが、気を抜かず、千穐楽まで行けることができたら奇跡だなと、そういう気持ちで一回一回を大切に演じていきたいなと思っています。
明日海さん) カンパニーの皆さんと今まで命懸けくらいの気持ちでお稽古をし、いよいよ初日が開くと思うと感慨深いです。私たちにとって、板の上に立てるというのは何よりの喜び、“生きてる”と思える最高の場所。そしてお客様と一緒の空間を共有できることに、“幸せでどうなっちゃうんだろう”と今から恐れています(笑)。体力と集中力のいる舞台なので出演者・スタッフの皆様と心を一つにして、大切に一日一日、一回一回をお届けできればと思います。
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おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人