大和悠河さんと敦士さんの二人芝居!
「GULF」のお稽古場を拝見してきました♪
元宝塚歌劇団宙組男役トップスターで、
宝塚退団後は、しっとりエレガントな女優としてご活躍の大和悠河さんは、
ストレートプレイで天性の“華”を活かした新しい演技を見せます。
敦士さんは、モデルやテレビをはじめ、昨年の「風と共に去りぬ」の舞台出演など
役者としてもその活動の場を広げていらっしゃいます。
そんなお二人が青山円形劇場で
それも心理劇ともいえるノンストップの密室劇の二人芝居!
役柄はナント!二人揃って“ニート”志願者。
設定が極めてユニーク!
「ネットの巨大掲示板に掲載された“湾岸でのニート生活モニター募集。
1年間の経過観察で報酬として1000万円を支給。”
という広告に応募してきた2人が連れて来られた場所とは…。」
大和悠河さんが演じるのはIT企業を辞めてモニターに名乗りを上げた早乙女真澄。
聡明で凛々しくまっすぐな目線に意志の強さを感じますが、
人間不信が強くどこか無理をしているような真澄。
敦士さんが演じる佐藤誠は15年間にわたってニート生活をしてきた、
いわばニートのベテラン。ただどうやらただの引きこもりというわけではなさそうです。
二人の共同生活のスタートは、当然、拒絶や無視、そして反発。
次第に会話を始め、お互いの内面を知っていくのですが、
その過程ではコミカルな場面があったり、!!!な場面も♪
鎧で覆われたように頑な真澄の心の変化と、
その先にある決意をとても丁寧に演じられる大和さん。
一方、誠の屈折した面と朗らかさをとてもナチュラルに演じる敦士さん。
密室の中を自由に動き回る二人。
円形劇場なので、たとえ互いに背を向けたとしても
それぞれの表情は必ず客席のどこからか見えるんですよね。
非現実の世界ながら、生々しいリアリティが生まれます。
自分の存在意義や居場所を見失った二人が出会い、
閉ざされた空間の中で互いの言動が変化をもたらしてゆきます。
幾度となく変化する二人のパワーバランス。
最終的に二人が何を求め、得るのか。
人間関係の本質がとてもシンプルに描かれている舞台です。
作・演出は劇団少年社中を主宰する毛利亘宏(のぶひろ)さん。
外部公演も多く手がけられて、リアルな人間ドラマの描写が魅力です。
この舞台では、毛利さん、大和さん、敦士さん、皆さん30代半ばの同世代。
この“同世代”というのも一つのカギになっています。
二人がモニターに応募したのはなぜなのか、
無事に1000万円を手にすることができるのか。
そして、公演タイトルの“GULF=湾岸”という言葉。
その言葉が意味すること、メッセージはぜひ劇場で受け取ってください!
<公演情報>
2012年1月20日~25日
@青山円形劇場
脚本・演出:毛利亘宏
出演:大和悠河/敦士