2013/12/11 『CHESS in concert』ゲネプロレポート

スーパーポップグループABBAのベニー・アンダーソン、ビョルン・ウルヴァース作曲、
「ライオンキング」「ジーザス・クライスト・スーパースター」の
ティム・ライス原案・作詞の伝説のミュージカル“CHESS(チェス)”。
大盛況だった2012年のコンサートがヴァージョンアップ!
『CHESS in concert セカンドヴァージョン』がいよいよ開幕です。




- セカンドヴァージョンについて
キャストの “前回よりもいいものにしたい、
もっと完成度を上げたい” という思いは非常に強いです。
そのキャストたちの思いも含めて、
ただの再演じゃなくて “セカンドヴァージョン” にステージを
上げていきたいなと思っております。

- 演出されるときに大切にしていること
舞台上にいる人が素敵に見えることです。
役者を愛することと作品を愛することは僕の中ではほぼ同義語です。

先日の演出家・荻田浩一さんインタビューの言葉が体現された公演!!
白と黒、光と影の美しさも際立つ、コンサートのゲネプロの様子をレポートいたします。






東西冷戦の時代、
チェスの世界チャンピオンの座を巡るゲームと政治的パワーゲーム、
それぞれの攻防と複雑にリンクする登場人物たちの人生のドラマを描いた
ミュージカル『CHESS』。
ゾクゾクするナンバーで綴られるコンサート形式での上演は
2012年に続いて2度目。

セカンドヴァージョンの名に相応しく、
音楽面でもドラマ面でもより深められています。



アメリカのチャンピオン・自由奔放なチェスの天才フレディに中川晃教さん、
フレディを公私ともに支えるセコンド・フローレンスに安蘭けいさん。


奔放なフレディと聡明なフローレンスのカップル



中川さん演じるフレディは何といっても一幕の♪Pity the Child。
一曲の中に一つのミュージカル作品になりそうなほどのドラマが描かれています。



素人目?、素人耳?にも難曲であることは明らかなのですが、
それを歌いこなすどころか、それ以上の芝居、表現として届けられるのです。
歌声とともに気持ちが波打つようなグルーヴ感がたまりません。
コンサートバージョンでありながら、そこにあるのはミュージカルの真髄。
このセカンドヴァージョン、ただごとではないかも
・・・その感覚が確信に変わった瞬間でした。


安蘭さん演じるフローレンスは幼少期にハンガリー動乱で父と離別した女性。



♪Nobody's Sideに込められた思いに胸を締め付けられ、やるせない。。。
まさに運命のヒロインです。
パワフルな歌声、凛とした立ち姿や目線の芝居で複雑な心情表現に圧倒されますが、
そんな緊張の中でふとした瞬間に見せる女性の柔らかさも忘れられません。


ソビエトのチェスチャンピオン・アナトリーに石井一孝さん。


締め付けの厳しい時代、国家を背負ったソビエトチャンピオン・アナトリー

多くを語らず、己の中で迷い、もがき、葛藤するアナトリー。
なんといっても、♪Anthemです。
祖国と自分、大きな選択を迫られる中でも決して失わないチェスへの情熱。
様々な感情がこの一曲に集約されているような、文字通りビッグナンバー。
魂が揺さぶられるような感動にしばらく立ち上がれないほどの衝撃。

アナトリーとフレディを象徴するナンバー♪Anthemと♪Pity the Child、
国家という大きな視点、親子という個人的な視点で描かれていますが、
“人生”というひとつのテーマで重なり合うような感覚を覚えました。


と、ここまで作品を代表するような有名楽曲をご紹介してまいりましたが、
セカンドヴァージョンの見どころはまだまだございます。


チェスゲームの支配者・アービターにマテ・カマラスさん




マテさんとチェスの精・大野幸人さんとの柔と剛のコントラストも鮮やか!!


今回から登場のウォルターを演じるのは戸井勝海さん。


スパイゲームのフィクサーの加入でストーリーのスリルと厚みが増します。


歌声や芝居で盛り上げるスーパーアンサンブルのみなさんのコーラスもお聴き逃しなく!


チェス世界大会が米ソの代理戦争のような体をなす緊張の第一幕のラストに・・・。
もう、そこからはぜひぜひ劇場で彼らの人生のドラマを見届けてください。

ここからはもう多くは語りません。
政治的パワーゲームに巻き込まれ、チェスの駒のように自由に動くことが
許されない中での愛の錯綜を写真でご覧ください。
ここにオーケストラの音楽と見事な歌声、照明などが加わるのが
・・・『CHESS in concert セカンドヴァージョン』です。





アナトリーの妻には引き続きAKANE LIVさん






男と女、自由と締め付け、国家と個人、そしてアメリカとソビエト・・・
さまざまな二極性がボードの上で繰り広げられる白と黒の戦い・チェスゲームのように
スリリングに展開するCHESS in concert!
愛とは、そして祖国とは・・・。
セカンドヴァージョン、お見逃しなく!


【公演情報】
『CHESS in concert』
2013/12/12(木) ~ 2013/12/15(日)@東京国際フォーラムホールC
2013/12/20(金) ~ 2013/12/22(日)@梅田芸術劇場メインホール

<上演時間>
1幕65分/休憩20分/2幕55分

<スタッフ>
作曲・作詞:ベニー・アンダーソン/ビョルン・ウルヴァース
原案・作詞:ティム・ライス
演出・訳詞:荻田浩一
音楽監督:島 健

<キャスト>
安蘭けい 石井一孝 中川晃教 マテ・カマラス
AKANE LIV 戸井勝海
池谷京子 角川裕明 田村雄一 ひのあらた 横関咲栄 / 大野幸人

<みどころ>
コンサートは、チェスの世界王者を賭けて闘う男たちの物語を軸に展開する。
片やNO!といえる国アメリカ代表の傍若無人な天才肌・フレディ(中川晃教)。
片や秘密警察(!)がセコンドにつくなど、監視と束縛の中、
国の威信を背負うソビエト連邦代表の慎重派・アナトリー(石井一孝)。
置かれた状況も勝負スタイルも真逆なふたりが、1人の女性を巡り激突する。
運命のヒロインに、両親を亡くした孤独な女性フローレンス(安蘭けい)。
フレディのセコンド役でありながら、敵側のアナトリーに心を奪われる禁断の三角関係。
しかもアナトリーには祖国で待つ妻と子供がいた。
一見小難しそうな米ソ冷戦という時代背景が、じわじわとドラマのスパイスとなって効いてくる。
実際の亡命劇をモチーフとしたリアリティのある展開と、
キャラクターたちの揺れ動く心情を巧みに表現した楽曲、
さらにそれらを体現する役者たちの歌声が渾然一体となり、観る者をグイグイ物語へと引き込んでいく。
果たして、命がけの恋と、国の威信を賭けた戦いの結末とは……!?

作品公式HP 

『CHESS in Concert』公式Twitter 

CHESS in concert 演出家・荻田浩一さんおけぴインタビュー

<初演のおけぴレポ>

CHESS in concert 2012年公開舞台稽古レポ

CHESS in concert 安蘭けいさん、中川晃教さんインタビュー(2012年公演に向けて)

CHESS in concert 石井一孝さん、浦井健治さんインタビュー(2012年公演に向けて)





おけぴ取材班:chiaki(文/撮影) 監修:おけぴ管理人

CHESS

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