大阪、シアターBRAVA!にて開幕したミュージカル『ラ・マンチャの男』2015♪
今年注目のキャスト、新たにラ・マンチャデビューを飾った二人の女性、
アルドンザ役の霧矢大夢さん、
アントニア役のラフルアー宮澤エマさんにお話をうかがいました。
★舞台写真掲載&文中で物語の核心に触れています。まっさらな状態でのご観劇をご希望のみなさまはご注意ください★アルドンザ役:霧矢大夢さん
アントニア役:ラフルアー宮澤エマさん
写真左は神父役の石鍋多加史さん
──『ラ・マンチャの男』開幕しました!まずは大阪公演初日を終えられたときの気持ちからお聞かせください。霧矢)初日が終わった瞬間、「これから始まるな」という気持ちが湧きあがってきました。
初日には、やはりアドレナリンが出るような特別な高揚感があるのですが、それを継続させ、そして集中力を保っていくことが千穐楽まで課題になると改めて思いました。
それと、私たちはご新規なのでね(笑)。本番を重ねることで、稽古場とはまた違ったものが生まれています。もっともっと深めるための、反省と発見、そして発展の繰り返しの日々です。はい、次はエマちゃん、どうぞ!
宮澤)初日は、ほっとした気持ちもありましたが、まだまだ頑張らなきゃいけないなということも痛感しました。
稽古場で何度も通し稽古をしたのですが、本番のセット、傾斜のある舞台、照明、衣裳…いろいろなことに対応しきれていない自分がいて。あんなに通し稽古をしたのに、舞台はこんなに違うものかと感じました。
ただ、表現については、稽古場ではこれまで何代にもわたって演じられてきた役を受け継ぐことで精いっぱいだったものが、舞台で演じることで、自分はどうやって見せたいかというところを意識できるようになりました。役柄を自分のものにするための自由を感じられるようになった気がするんです。そして、霧矢さんがおっしゃったように、本当に反省と発見の日々です。
──霧矢さんのお話にも“ご新規”とありましたが、お二人はラ・マンチャファミリーに新たに加わった同期になりますね。霧矢)私とエマちゃんとは、ひとまわり以上も歳が違いますが、そんなジェネレーションギャップを感じさせない、すごくしっかりとした若者で(笑)。
最初から普通に話し、あ、お話しさせていただいて…。
宮澤)いやいや、こちらこそ本当に…(笑)。実は、私が稽古場に入ったときには、霧矢さんはすでに一週間程お稽古されていたので、私はもう霧矢さんに金魚のフンみたいにくっついて、いろいろ教えていただいていました。
霧矢)はじめは本当にわからないことばかりでしたが、ラ・マンチャって、女性キャストが圧倒的に少ないカンパニーなんですよね。その中で、先輩の女性キャストのみなさんが「少ない女同士、結束して頑張ろうね!」という、とてもあたたかい、ウェルカムな空気で迎えてくださったので、まず、女性キャストで一度グッと団結しました。
──と、ここから話題は“ラ・マンチャの女たち”に!宮澤)「ラ・マンチャにいる女はみんな男っぽいね」と(家政婦役・荒井)洸子さんがおっしゃっていたのが印象的です。
霧矢)そうそう、確かにみんなその通りで(笑)。
さっぱりしている男前な方が多いですよね。あの荒くれ男たちの中に存在していないといけないので、ちゃんと火花を散らせるくらいの強さを持っていないといけないってことなのかな。
宮澤)そして芝居の中で女性だけのシーンはないですし、どちらかというと女性はスパイス的な面白い役で出てくるんですよね。そうなると必然的に個性的な面々が集まるんでしょうね。
霧矢)そして、そんな女たちに対して、
男性陣は“荒くれ男”と真逆なくらい、実際は優しいんですよ(笑)。そこのギャップが、たまらないです!
宮澤)本当に、みなさんお優しい(笑)!
──なんだかラ・マンチャファミリーが見えてきた気がします(笑)。ラ・マンチャファミリーの中心にはやはりこの方!松本幸四郎さん
霧矢)劇団みたいなカンパニーなんですよ。
私が宝塚を退団して3年目、エマちゃんもこの仕事を始めて2年目ぐらい、私たち、まだこの世界に入って日が浅いというか、割と初々しい感じでね。
──霧矢さんはその前にトップスターというキャリアが…霧矢)あ、私も初々しく新人ぶってみましたけど(笑)、でも、誤解を恐れずに言うと、こんなに真面目なカンパニーは初めてです。
幸四郎さんが頂点にいらっしゃって、ちゃんとピラミッドが形成され、アンサンブルのみなさんまで、みんなが同じ方向に向かっているんです。最初にお話した、“反省と発見の繰り返し”というのも、誰よりも幸四郎さんがそれを一番に体現されているんです。
私自身がそういう劇団にいたということもあり、すごく懐かしいですし、気持ちがいいんです。ここまで、ひとつの方向に向かっているカンパニーは、そうそうないと思うんですよね。そういう意味でも、すごく貴重な作品に出させていただいているなと実感しています。
宮澤)劇団的なのは、アンサンブルからラバ追いになってなど、役の継承というところにも表れています。お互いが仲間でありライバルのように切磋琢磨していくのを、幸四郎さんが統括されていくようなところがあります。
私の数少ない経験の中でも、とても得難い経験をさせていただいているなと感じています。
──何かを受け継いでいくというのは、ラ・マンチャの物語とも重なりますね。霧矢)本当に役柄そのままというか、戸惑いから入って、だんだん感化されていく。稽古場でも同じことが繰り広げられました。
──この作品の演出家でもあり主演俳優でもある松本幸四郎さんはどのような方ですか。宮澤)お稽古中の出来事ですが、幸四郎さんが英語の台本を持っていらっしゃって、「エマちゃんこれは英語だとどういう意味なの?」と私にお尋ねになったんです。1200回以上演じられている役ですよ、ともすれば“こうあるべきだ!”と凝り固まってもおかしくないくらいなのに、そうやって台詞の微妙なニュアンスまで常に見直されていて、実際に変えたりされるんです。すごく柔軟な幸四郎さんが印象的でした。
霧矢)本当にそうなんです。私たちからしたら、作品への思いも深く、これまで歩まれてきた中での出会いや別れ、その役者人生が詰まったラ・マンチャの男そのものの幸四郎さんには、どう頑張ったって太刀打ちできないんですよ。そのくらいすごい方なのに、私たちのようなご新規の人たちにもオープンマインドで、こちらの素朴な疑問にも真摯に答えてくださるんです。
──それぞれの役についてはいかがですか。霧矢)私は幸四郎さんと一対一で対峙する場面が多いのですが、もともとかなわないとはわかっていても、最初は“同じ板の上に並んでいていいのかしら”、“私ここで一緒に並べているかしら”、というところからスタートしました。
宮澤)お稽古中、見ている場面が多かった身として言わせていただきますと(笑)、霧矢さんは最初から存在感がおありでしたよ。カッコよくって!
ひとつひとつの動作、“見得”じゃないですけど、あれはもう真似できないですよ。本当に、パチパチって拍手したくなるんです。
霧矢)でもね、それは私自身の中ではちょっとせめぎ合いがあってね(笑)。
あんまりカッコイイと言われるのもどうかと…。
「あら、セクシーだったわ」とか言われたいわ(笑)。
まあ、ラバ追たちと一緒に生きているアルドンザですから、 か弱かったら、ただただかわいそうな女になってしまうんですけどね。
私としては、
そこで一生懸命生きている人に見えたらいいなと。
宮澤)そうなんです。かわいそうな状況に生まれてはいるものの、ただかわいそうとは思わないんです。もしかしたら、みなさん映画でのソフィア・ローレンの印象が強いのかもしれませんが、セクシーさ(女性)を武器にしている女性なのに、彼女の一番の魅力はそこじゃないんです!それがセルバンテスやドン・キホーテには見えるんですよね。
霧矢さんのアルドンザは、そのドルシネアの片鱗が最初に来るんです!なので、ドン・キホーテが“ドルシネア”と言いだしても、わかるような気がするんです。
それに対して、それが見えないラバ追いたちがいる。彼らも生活が大変だったりするのですが、ドン・キホーテが見る人物像とラバ追たちが見る人物像の両方がしっかりあって素敵です!
すみません、私が熱く語ってしまいました(笑)。
そして、霧矢さん、セクシーなところはもちろんセクシーですよ!!
霧矢)ありがとうございます、気を使っていただいて(笑)。
エマちゃんのアントニアという役も難しいですよね。
宮澤)不思議な役です。いったいアントニアのどの部分を見せることが、この作品にとっての正解なのかを考えながら稽古に臨みました。
ワークショップで教会の場面を、最初はアントニア、家政婦、神父はすごくいい人、カラスコは悪人だと思って演じ、つぎはそれを逆転させて演じました。その時、自分がいい人だと思いこんでやったお芝居というのは、とてもうさん臭くて、悪人としてやった時は自分が思ったことを素直にやっているだけだなということに気が付かされました。
ワークショップの設定は極端なものですが、そうやってさまざまな芝居を試すことで、徐々にアントニアは、対ドン・キホーテで見ると悪人だけど、彼女は彼女なりに生きているだけなのかな…という気持ちもわいてきました。
なので、
変に誇張して“あくどい女”としてやることが正解じゃなく、バランスが大事なんだと思いながら毎日演じています。
霧矢)それ、すごくわかります。あの時代、名家のお嬢様という立場では地位のある人と結婚する、生きていくための武器というのはそれしかなかった。アルドンザだったら、下働きで身体を売る、それしか生きる術がなく、そこにみんながしがみついていたんだと思うんです。
その中で、キハーナのような、あんなに自由な叔父さんがいたら身内はちょっと迷惑というのは当然。最初は、アントニアは“お嬢様役”というイメージでしたが、エマちゃんが演じるとすごくしっかりした、言いたいことをきちんと言う女性なので、「確かにあんな叔父さんがいたら困るよね」と共感しちゃうんです。
そして、みんなが必死にしがみついている“それ”は何なのかというところを、セルバンテスが作品にしたのが、あの劇中劇であり、『ラ・マンチャの男』なんです。
ドン・キホーテは「あるがままの人生に折り合いをつけてどうするんだ」と言う。でも、やっぱり現実は、そうしなくては生きられない。そのせめぎ合いがあるんですよね。そうやって、
みんながいい人とか悪い人とかいう描かれ方でなく、それぞれの立場での生き様が描かれているというのが魅力なんだと思います。
宮澤)前から見ていると、ついドン・キホーテの旅を見て、感化されてしまうんですけど、アントニアとしては…。
霧矢)自由に夢を追う、もちろんそのほうが素晴らしい生き方なんですよね。でも…ってところだよね。
宮澤)そう!でもね、毎日冒険に行くわけにはいかないの!と思うんです。
身内としては愛しているけれど、こっちの生活もあるし…と。
そして、やっと戻ってきたキハーナ、静かに余生をと思っているところに見ず知らずの女性が現れて思い出させていくんですよね。もうやめてよ…という心境ながら、目の前ですごいことが起きているのは感じるので、もう何とも言えないんです。
生きる希望を家族が与えることができなかったと思うといたたまれないんですよね。
霧矢)そうなの!この作品は“見果てぬ夢”の話でありながら、“現実”というのものしっかりと描いているんですよね。
登場人物たちも、最後には、あの作品の中での現実=囚人に戻り、セルバンテスも行ってしまいますし、その先彼らを待ち受けているものは果たして…なんです。囚人たちにとっても監獄での日々は続くわけですし。なんだかとても、あゝ、無情なんです。
もしかしたらお客様も同じように、ラ・マンチャに感動して劇場を後にする、でも次の日には会社に行かなくてはならないかもしれない。
もちろん生きるエネルギーももらえますが、現実も突きつけられる。それでもなお、何か少しでも変われる気がする…。なんともいえない余韻を残す作品です。
宮澤)それがほかのミュージカルと違うところかもしれないですね。現実逃避では終わらない、
ダークな何かが混ざっていて、それがずしんとくるんです。
霧矢)あと、見ていて思うのはエマちゃんの役はところどころで出てくるから、そこはちょっと不安にならない?
宮澤)なります!歌う見せ場というか、アントニアの重要なシーンが前半に来るので、そこまでは超緊張しているんです(笑)。そこが終わると少しホッとする自分がいて。
稽古場では、ホッとしつつも目の前の同じ空間で芝居が進むので、空気感を共有できたのですが、本番では楽屋に戻ります。そこから、舞台上で幸四郎さんと霧矢さんが創り上げてきたテンションを崩さないように、空気感を感じつつ集中力を高めて再び物語の世界に出ることがスキルとしても難しくて。このパッと集中する、空気を読むということはチャレンジングで、日々、難しさと楽しさを感じています。
──これはやや難しい問いかけかもしれませんが、素晴らしい台詞の宝庫の『ラ・マンチャの男』で一番好きな台詞はなんですか。(しばしの沈黙…)
霧矢)うーん、好きとか嫌いでなく、すごく難しくて、日々葛藤しているのは最後に言う「私の名はドルシネア」ですね。
その前に「あたいの本当の姿を見ておくれよ」と何度か言い、それがポイントにもなっています。そして最後に「私の名はドルシネア」と言ってしまうアルドンザを、客観的に見てすごいなと思うんです。あのひと言に込めるエネルギーはすごく難しいですが、だからこそ、あの台詞を気持ちよく言えるために、それまでのアルドンザを一生懸命生きないといけないんです。
正解がなくて、終わりがない、千穐楽まで考え続けるのだろうと思う台詞です。エマちゃんはどう?
宮澤)有名な台詞になってしまいますが、「事実とは真実の敵なり」ですね。
一瞬みんながハッとするシーンなんですよね。そしてそれをきっかけに、その後の芝居の見方も違ってくるんです。あれ、このおじさん…変な人だと思っていたけれど、この人の言うことを聞かなきゃいけない…と思いますし、
物事の見方は一つじゃないということ、芝居を見る上でも目に見えていることだけを追うことが大事なわけではないんだなと思うんです。
さらに面白いなと思うのは、あの台詞だけすごく明確に発せられるんです。実は、アロンソ・キハーナはみんなが思っているほどおかしくなっていないのか、もしくは、そこだけセルバンテスなのか。つまり、キハーナ(キホーテ)対カラスコではなく、セルバンテス対あの囚人なのか。
そうかと思うと、その後、黄金のマンブリーノと言いだしたりして。
それはあなたにしか見えていないですよ…というシーンもあって(笑)。
霧矢)私たち、最初に見ていたとき、不思議なシーンだねって話していたよね。
ラバ追いさんたちも、気が付いたら一緒に歌っていたり、感動して泣いてしまう人もいて。なんだか、すごく笑ってしまうシーンなのに、いつの間にかドン・キホーテのペースに乗せられてしまうのが不思議で面白いんです。
宮澤)物は言いよう、ということでしょうか。カリスマ性のある人ってこうやって人を巻き込むんだなって思います。
霧矢)あと、ドン・キホーテがドルシネア姫のお形見として手に入れたアルドンザの汚い布巾、それをマンブリーノのシーンでも兜にお印として付けるんですよね。
くさいくさいと言われても、ドン・キホーテは最初「おお、かぐわしい香り」と言うんです。
あれは実際に嗅覚がおかしくなっているのか、お姫様が好き過ぎてくさいけれどいい香りに感じているのか。あれ、どっち?とか、見れば見るほど面白いシーンなんです。
宮澤)そういうのは2度、3度見ていくうちに発見していく面白さですよね。
──お二人とも出演者でありながら、観客目線でも作品を愛していらっしゃるようですね!霧矢)お客様といえば、アルドンザがラバ追たちに暴行された後で歌う悲痛なナンバーのあと、拍手をいただく時とそうでない時が、結構分かれるんです。私自身としては「そんな拍手しなくていいよ」って思うのですが(笑)、だって話としてはえーって展開ですよね。
宮澤)あそこは、歌った本人に対しては拍手したいけれど、起きていることにはできない。確かに分かれるところだと思いますし、どちらの気持ちもわかります!
霧矢)そうそう、どちらが正解ということはなく、え?と、呆気にとられるという反応も逆にライブ感があります。どちらもアリで、その時のお客様で全然空気が違いますね。
宮澤)ほかにも全体的に今日のお客様はすごく静かだなと思っていたら、カーテンコールでは熱烈な拍手、さらにはスタンディングオベーションしてくださったり。
上演中は、物語にすごく入り込んでいらしたんだとわかりました。
霧矢)この舞台は劇中劇ということもあり、見ているみなさんも囚人さながらに、一緒にセルバンテスの話を聞いているようなところがあるんですよね。舞台上が劇中劇から現実(=囚人)のシーンに戻ると、お客様もリラックスされるのかな、ふっと劇場全体の空気が変化するんです。その感覚は幕が開いてからわかりました。
幸四郎さんもいつもおっしゃっていますが、やはり舞台はお客様によって完成するのですね。──では、改めて『ラ・マンチャの男』、ファミリーの一員として感じる作品の魅力は。霧矢)出演している身でこんなことを言うのは何ですけど、
とにかくよくできている作品なんです。一度、客席から見たいくらい(笑)。
宮澤)そうなんですよ!稽古場で見ていて感じたことですが、私は、正直言うと、何回も何回も同じ舞台を見るタイプではなかったのですが、
ラ・マンチャは何回見ても面白いんです。なんだか二人してサービストークみたいですが(笑)、でも、何度目かで「そういうことだったんだ!」とか、「今日は掛け合いのタイミングがこうなったりするんだ!」など発見があるんです。
霧矢)こうして何度も繰り返し上演されるだけの作品自身の力もありますが、ファミリーの一員としてつくづく感じていることは、
作品が進化し続けているということです。みなさんが新しく入った私たちの「素朴な疑問」を求めてくださるんです。ずっとやっているがゆえに当たり前になっていたことを、改めて考えて、そこから再発見していけるので、どんどんおっしゃってくださいと。今、このメンバーでよりよいものを創ろうという姿勢が素晴らしいんです。
宮澤)それがすごいですよね!いろんな意見を受け入れてやっていくという、歴史があって、尚かつ柔軟であり続ける、
劇団ラ・マンチャはすごいです!
──では最後に、ラ・マンチャファンのみなさん、そして、まだ見たことのないみなさんへメッセージをいただけますでしょうか。宮澤)「ラ・マンチャは難しい」というイメージが先行していると聞きましたが、ストーリー自体はいたってシンプルです。
“中世スペイン”、“遍歴の騎士”、“宗教裁判”という言葉が並ぶと、一瞬とっつきづらいのでは、となるかもしれませんが、そこにとらわれなければ物語がどんどん先へ連れて行ってくれる作品です。もし、難しそうだからと見ることを躊躇しているとすれば、そこは気にしないでご覧いただきたいと思います。霧矢)原作があってそれも古典で文芸大作という仰々しさを越え、さまざまな立場の人の生き様を描いた作品です。私たちも、今回初参加ですが、今、この作品に出会った意味を感じています。今後も役者としてきちんとプライドを持ってやっていこうと思える、ラ・マンチャで鍛えられる役者魂のようなものがあるんです。その源となるのは、セルバンテスの、幸四郎さんの存在です。宮澤)あの方を前にして、中途半端な芝居ができる人はいませんね。
出来ているか否かは別として、あのレベルについていきたい、相手のレベルを下げることは絶対にしたくないって思うんです。
霧矢)そうやって本番中も千穐楽まで進化し続けていくと思うので、ぜひ何度でも足をお運びいただきたいと思います!──ありがとうございました!次回の観劇がますます楽しみになりました。公演後のお疲れのなかとても実感のこもったお話をしてくださった霧矢さんとエマさん。
ご自身のスタンスにも深い思いや考えをしっかりと持ちつつ、作品、カンパニーのこと、相手の役に対する話題になるとさらに熱く饒舌になるお二人が印象的でした。
『ラ・マンチャの男』での経験を糧に、さらなるご活躍に期待が膨らみます。
<霧矢大夢さん今後の出演情報>
◆寺山修司生誕80年 音楽劇『レミング~世界の涯まで連れてって~』2015年12月6日(日)~12月20日(日)@
東京芸術劇場プレイハウス ほか
おけぴ会員限定・先行チケット受付中(12列目以内保証!)おけぴ公演ニュース:音楽劇『レミング~世界の涯まで連れてって~』◆ミュージカル『マイ・フェア・レディ』2016年7月10日(日)~8月7日(日)@
東京芸術劇場プレイハウス公演HPはこちらから2013/02/21 ミュージカル「マイ・フェア・レディ」製作発表会見レポ2013/04/23 ミュージカル『マイ・フェア・レディ』稽古場レポート<ラフルアー宮澤エマさん今後の出演情報>
◆ミュージカル『ドッグファイト』2015年12月11日(金)~14日(月)@
サンケイホールブリーゼ2015年12月17日(木)~30日(水)@
シアター クリエ公演HPはこちらから◆ミュージカル『天使にラブソングを~シスター・アクト~』2016年5月&6月@
帝国劇場公演HPはこちらから2014/06/01 ミュージカル『シスター・アクト~天使にラブソングを~』開幕レポ【おけぴラマンチャ2015レポ一覧】
<製作発表の様子はこちらから>
『ラ・マンチャの男』製作発表レポ<公開稽古&松本幸四郎さんバースデーイベントの様子も♪>
『ラ・マンチャの男』公開稽古&松本幸四郎さんバースデーイベントレポート<舞台写真とお寄せいただいた感想満載!>
『ラ・マンチャの男』開幕レポート
おけぴ取材班:chiaki(インタビュー・文) mamiko(撮影) 監修:おけぴ管理人