物語好きにおススメ!英国の偉大な振付家
ピーター・ダレルの
ドラマティック・バレエが新国立劇場初登場。
新国立劇場バレエ2015/2016シーズンの幕開けは
『ホフマン物語』新制作です!
・主人公ホフマンの恋愛遍歴を3幕仕立てで綴る
・各幕、恋のお相手となる魅力的な女性主人公が登場
・様々な役柄に姿を変えて登場する悪の化身
・オッフェンバックの多様で美しい音楽
・装置、衣裳、照明…日本を代表するプランナーが集結お楽しみポイントいっぱいの意欲作の制作発表に伺いました。
まずは『ピーター・ダレルのミューズ』として、スコティッシュ・バレエで長年プリンシパルダンサーとして活躍、ダレルのもと、「ホフマン物語」の女性主役全てを踊った経験がある、
大原永子芸術監督とコレオロジストの
ジュリー・ヘイドンさんのコメントからどうぞ。
写真左より)大原永子芸術監督、コレオロジスト:ジュリー・ヘイドンさん
「私が現役時代、バレエに行き詰まっていたときにピーターに出会いました。彼のバレエ団に入団させてもらい。彼の人柄とバレエに出会って、
「こういうバレエをしたかった!」と新しい気持ちでバレエに取り組めたから、今の私があります。
この作品を上演できることを感謝していますし、この作品を通してバレエダンサーの皆さんも何かを見つけてくれたら幸せです」(大原芸術監督)
「(この作品は)
第一幕は喜劇、第二幕は悲劇、第三幕に熱情が溢れ、さらに歳を重ねたときの
悲哀が描かれます。その中で、それぞれの人生のステージのおけるさまざまな愛の形が出てきます。
ホフマンは間違いも犯すのですが、間違いの無い人生なんてありませんよね。あの時ああすれば…それを観客のみなさんに自分と重ねあわせて理解していただけるような物語です」(ヘイドンさん)
続いては、作品のタイトルロール、
20代から初老までを演じるホフマン役の3人のダンサーさんのコメントです。
会見後に潜入したリハーサルでの表情とともにどうぞ!
写真左から)福岡雄大さん、菅野英男さん、井澤駿さん
「一幕毎に違う女性と恋をして、振られてしまいますが、その場面、場面で違う表現、葛藤など深く表現できるよう、これからリハーサルに努めていきたいと思います」(福岡さん)
「年齢を経て見方や考え方が変わる。それを舞台上でどうやって出していくか、今から本番までの間に自分の中でしっかり練って、本番ではお客様に良いものをお見せできるように取り組みます」(菅野さん)
「不安もたくさんありますが、2か月のリハーサルの中で自分なりにものにできたらと思います。努力していきます」(井澤さん)
ホフマンの心を奪う3人のヒロインはこちらのみなさんの競演でお届けします!
第一幕のヒロイン、人形でありながら、魔法の眼鏡をかけたホフマンには美しい女性に見え、彼が一目ぼれしてしまう
オリンピアには…
写真左より)長田佳世さん、奥田花純さん
「オリンピアは人形ですので、感情がありません。そこをどう表現するか、感情がないからといって存在までもが消えないように、自分を出すこと。テクニック面ではステップ。どちらも難しいですが、両方を積み重ねていき、皆様にお見せできるように頑張ります」(長田さん)
「オリンピアは人形ですが、ホフマンが魔法の眼鏡をかけると一瞬で恋に落ちてしまうような魅力を持った女性に見えるということですので、人形っぽいカチッとした動きの中でも、ホフマンに見えているオリンピア像も大切に表現したいと思います」(奥田さん)
第二幕でホフマンが愛するのは踊ることを禁じられた病弱な女性
アントニア。
ドクター・ミラクルの催眠術で自分が素晴らしいバレリーナであるという幻想に魅入られたアントニアとホフマンのファンタジックなシーンが見せ場です!
オペラではオペラ歌手の幻想というところが、バレエではバレリーナなんですね。
こちらもリハーサルフォトを交えてどうぞ。
写真左より)小野絢子さん、米沢唯さん
「この作品の登場人物は、全員ひとりひとりに存在する意味があります。つまり、役の背景、性格をしっかりと理解して、それぞれの場面で何をするべきなのかを的確に表現することを求められます。今、この時期に、この作品に取り組むことができてよかったと思っています。
こういうチャンスをいただかない限りダンサーは成長できませんし、こうして深く伝えてくださる方がいてこそ次に進めるからです」(小野さん)
米沢さんはアントニアと第3幕のジュリエッタの2役(別日)となります。
「今回、2役もできるなんて、本当にありがたく思っています。みなさんが真面目にコメントしている中、申し訳ないのですが(笑)。今回、床山さんから「ジュリエッタはカツラでなく地毛でカーリーヘアを毎回セットするので、出来たらパーマをかけて」と言われました。人生初のパーマをかけるのが楽しみです」(米沢さん)
第三幕のヒロイン、
ジュリエッタはガラリと変わって高級娼婦。
歳を重ね、分別もある男となったホフマンがたどり着いた信仰生活の中で出会う女性なのです。
本島美和さん
「ホフマンが人生を振り返ったとき、きっと彼はまた同じ生き方をしたいだろうと思いました。なぜなら、人形のように美しく実際人形のオリンピアと、儚い美しさを持つアントニア、魔性の女性ジュリエッタという、美しさの象徴のような3つのタイプの女性に出会ったのですから。ジュリエッタが彼をどう翻弄したのか、私なりのジュリエッタを発見して本番に臨もうと思います」(本島さん)
最後はこちらのお二人です。『ホフマン物語』陰の主役ともいえる、悪の化身
リンドルフです。ホフマン役が全幕一貫してホフマンを演じるのに対し、こちらの役は幕が変わるごとに異なる悪を演じるのです!
写真左より)マイレン・トレウバエフさん、貝川鐵夫さん
「リンドルフ役はとても難しいです。私のこれまでのすべてのキャリアを生かして役作りに臨みたいと思います」(マイレンさん)
「リンドルフの3つのキャラクターのひとつひとつを探求し、取り組んでいきたいと思います」(貝川さん)
オペラ、宝塚歌劇でもおなじみの
『ホフマン物語』。
ドラマ性の高さと多彩なスタイルのバレエシーンが楽しめる、バレエ好きのみなさまにも、バレエデビューのみなさまにも見どころいっぱいの作品です。
そして!!
おけぴ『ホフマン物語』総力取材はほかにも!
★福岡雄大さん、本島美和さんの衣裳仮縫い現場に潜入★新制作ならでは!衣裳の仮縫いの様子とミニインタビュー!
おけぴ取材班:chiaki 監修:おけぴ管理人