十一ぴきのネコ、十一ぴきのネコ、十一ぴきのネコが旅に出た♪♪あの野良ネコ
にゃん太郎たちが帰ってくる!!
子どもとその付き添いのためのミュージカル『十一ぴきのネコ』の公開稽古の様子をレポートいたします。
いつもお腹を空かせた野良ネコ
にゃん太郎が十匹の野良ネコ仲間と大冒険の旅に出た!
『キャッツ』誕生の10年前に、馬場のぼるさんの絵本「11ぴきのねこ」をもとに、井上ひさしさんと作曲家の宇野誠一郎さんのコンビで書き上げたネコだけのミュージカル『十一ぴきのネコ』。演出は前回に引き続き、長塚圭史さん♪
後列左から(敬称略) 金子岳憲 菅原永二 木村靖司 大堀こういち 福田転球 田鍋謙一郎 辰巳智秋
前列左から 荻野清子(演奏) 中村まこと 長塚圭史(演出) 北村有起哉 山内圭哉 市川しんぺー 勝部演之
公開されたのは、リーダー
にゃん太郎が腹ペコ野良ネコたちを束ね、鼠殺しの
にゃん作老人の話を聞いて、
一大決心をする!という場面です。
あまりの空腹に
集団ネコ自殺を図ろうとする野良ネコたちを挑発する
にゃん太郎(北村有起哉さん)!
すんでのところで思いとどまらせた
にゃん太郎が招き入れたのは…
写真中央)鼠殺しのにゃん作老人:勝部演之さん
「あの星の下に大きな湖があって、そこには途方もない大きな魚がいるそうな」にゃん作老人の言葉に色めき立つネコたち!
にゃん作老人はご馳走のお話を続けます。
「その魚は、刺身にしても、フライにしても、煮ても焼いても干しても燻製にしても…バタ焼きにしてもイケる、美味しい魚なんじゃ」猫糞のにゃん十一:山内圭哉さん
にゃん十一のご馳走話への食いつきっぷりサイコーです♪
大きなお魚、大きな夢!!
ネコたちすでにその魚の虜。ネコたちのみならず、取材しているこちらまでいろいろと想像してしまい、ついつい、「私はバタ焼きがいいな」なんて思いが心をよぎるほどの魅惑のお話。
そうと決まれば話は早い!!ズンチャ、ズンチャのリズムに合わせ、旅立ちの歌!
紅一点!演奏はもちろん荻野清子さん♪
前方写真左より)旅廻りのにゃん蔵:市川しんペーさん、穏健温和仏のにゃん次:中村まことさん
写真左より)木天蓼のにゃん六:福田転球さん、逆恨みのにゃん七:大堀こういちさん
写真左より)猫舌のにゃん九:辰巳智秋さん、猫撫で声のにゃん八:木村靖司さん
十一ぴきのネコ、十一ぴきのネコ
十一ぴきのネコが旅に出た♪♪
このとーっても楽しい歌に詰まった、
日本語の豊かさ、面白さ!それもまた井上ワールド!
子どもならずともついつい口ずさみたくなるのです。
「若いってことは素晴らしいことだな、うらやましい」にゃん作老人
こうして大冒険の旅に出た
にゃん太郎ら十一ぴきのネコたちは、果たして満腹感を味わうことができるのか?!彼らを待ち受けているものとは。
ほかにも、軍隊嫌いのにゃん四郎に菅原永二さん、徴兵逃れのにゃん吾に金子岳憲さん、紙袋のにゃん十に田辺謙一郎さんと演劇界の猛者たちが集い作りあげる社会の縮図。
個性的なキャストをまとめ上げる
演出の長塚圭史さんのコメントをご紹介いたします。
「3年半前に上演した時にも、“子どもとその付き添いのためのミュージカル”という形で上演いたしました。
まずは歌や踊り、そしてお腹を空かせたネコたちが魚を獲ってくるというシンプルなお話を大人と子どもが一緒に楽しむ。そして帰り道、「でも、あの最後のところってどういうこと?」と子どもが思わず大人、親に聞いてしまう。それに対して親はすぐには答えられない。
40年以上前に書かれたこの作品には、それほどまでに深くて厳しい、普遍的なテーマ、豊かになること、共同体を作ることの危険性などがきちんと含まれているのです。
残念ながら、今年上演するにあたっては、見る者につきつけられるものがさらに厳しいものになってしまいました。
ただ、そのように非常に鋭利な作品でありながら、非常に楽しい作品でもあります。その対比がより鮮明になった今年、劇場がどのような空気になるのか楽しみです」続いて、キャストを代表してこちらのお二人から!
北村有起哉さん:
「前回は、いっぱいいっぱいで本当に余裕がありませんでした。今回は、前回できなかったものを稽古の中で再発見できていて、僕らもさらに濃厚な舞台になることを期待しています。お楽しみに!」山内圭哉さん:
「雑草育ちの我々がフルスイングでやれる舞台というのはそうそう観られないと思うので、そこを楽しみにしていただければと思います」北村さんの作品に向かう真摯な姿勢(初役から素晴らしいリーダーにゃん太郎でした!)、山内さん流のお誘いコメントに、さらに期待が膨らむ取材班でした。
イベント情報
『十一ぴきのネコ』スペシャルキャストトークショー★10月11日(日)12:30公演後 北村有起哉、他5名
★10月15日(木)2:00公演後 山内圭哉、他5名
井上ひさし戦後70年特別アフタートークショー★10月5日(月)2:00公演後
長塚圭史(演出家)「子どもと大人のユートピアを探して」
★10月8日(木)2:00公演後
宮尾節子(詩人)「ふつうのことを ふつうにいえば」
※アフタートークショーは『十一ぴきのネコ』のチケットをお持ちの方はどなたでもご入場いただけます。
ただし、満席になり次第ご入場を締め切らせていただくことがございます。
※出演者は都合により変更の可能性がございます。『十一ぴきのネコ』バックステージツアー〜ネコたちの世界を探検しよう!〜日程(全2回/所要時間:約15分)
★10月10日(土)5:30公演後
★10月12日(月祝)5:30公演後
※3歳〜中学生のお客様を対象としたバックステージツアーです。
※舞台にあがり、舞台監督のガイドのもと、舞台の上から客席を眺めたり、舞台裏を覗いたり、本番で使っている舞台装置にふれることが出来ます。
※保護者の方は客席(移動可)でお待ちいただきますが、舞台上のお子様を写真撮影することが出来ます。
※『十一ぴきのネコ』のチケットをお持ちの方はどなたでもご参加いただけますが、参加人数によってはご入場を締め切らせていただくことがございます。
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文) 監修:おけぴ管理人