『上原理生ファーストコンサート Die Welt -ディ・ヴェルト-』コンサートレポート

ドラマティックな歌唱で満員の客席を圧倒!

第一部は声楽家として、第二部はミュージカル俳優として、アンコールまで含め18曲の熱唱!至福の時間となった『上原理生ファーストコンサート Die Welt -ディ・ヴェルト-』をレポートいたします。


速報レポートのとおり、東京藝術大学音楽学部声楽科出身の上原さんにとって、この上野の地、そして東京文化会館は特別な場所。
そこでのコンサートは上原さんご自身にとっても、満員のお客様にとってもスペシャルなものとなりました。


第一部は、声楽家としての上原理生さんを堪能!

生声と濱野基行さんによるピアノ伴奏で、時に激しく、時にしっとりとそれぞれの曲の世界へ誘われました。


印象的だったのは、「オテロ」より♪Credo in un Dio crudel(イアーゴの信条)。
いわゆる"悪"を歌ったこの曲に入ってから、みるみるうちにイアーゴが宿っていき、ギラギラとした悪を生々しく表現。その迫力に身動きできない!!

そうかと思ったら!
日本歌曲♪落葉松ではひとつひとつの言葉を丁寧に客席に届けるかの如く、しっとりと歌い上げるのです。日本語の美しさを感じ、詩の世界に引き込まれ、秋のもの悲しさにうるっとする♪落葉松でした。


そして、第一部ラストは「お色気たっぷりに…」(ご本人談)♪Besame Mucho!
またまた別の顔に変身なのです。



続いて、第二部はミュージカルナンバーを中心に


…ですが、いきなりこの曲とは!

映画「ムーラン・ルージュ」にも登場する♪The Show Must Go On、Queenのロックナンバーでパワフルにスタートです!
第一部とは全く異なる客席へのアプローチがうれしいサプライズでした。


ピアノ:玉麻尚一さん、ベース:熊谷望さん、バイオリン:南部れいなさん、チェロ:三間早苗さん、ドラム・パーカッション:宮崎仁さん


もともとロック好きだったという上原さんらしい選曲です!
そして、魂を揺さぶる歌声に会場の温度がUPしたような気がします。


そこから、意外性ある楽曲やこれは鉄板だわ!という楽曲、絶妙なセットリストで進むコンサート。
大学の先輩でもあるゲストの笠松はるさんとは、「ミュージカル作品では"ラブ"パートに絡まないので、あまり歌ったことがないんですよね…(笑)」(上原さん)という、ラブデュエット2曲をご披露!
♪Tonight(「ウエスト・サイド・ストーリー」)と♪All I Ask Of You(「オペラ座の怪人」)という王道デュエットで、ガッツリと愛の世界を見せつけます。


♪All I …とは!ファーストCDにも「オペラ座の怪人」から♪The Phantom Of The Operaが収録されているので、怪人ナンバーかと思っていましたが、まさかの上原ラウルです。

他にも「ミス・サイゴン」からクリスが歌う♪Why God,whyなど、私たちが持っている上原さんのイメージ、もっというと先入観をふわりと飛び越えるようなナンバーがちりばめられていました。


イントロが流れると、おっ!と驚き、そのナンバーが終わるころにはすっかりなじんでいる、説得力のある歌声です。

一方で「ラ・マンチャの男」♪Man of La Manchaは熱いラテン系なイメージピッタリ!


さらに、生き続けなければならない伯爵(=ヴァンパイア)の苦悩と虚無感を歌う「ダンス・オブ・ヴァンパイア」の♪抑え難い欲望をドラマティックに歌い上げ客席のテンションも最高潮に!
一曲の中にドラマが詰まっているビッグナンバー、緩急織り交ぜて紡がれる伯爵の人生がそこに見えました。


↑こちら、とても優しい表情が印象的だったのは、上原さん作詞、玉麻さん作曲のオリジナルナンバー♪そばにいて。等身大のラブソングで客席ドキドキのひと時でした!



コンサートの締めくくりは、「ミス・サイゴン」より♪ブイドイ。上原さん自身によるコーラス(複数パートを録音したもの)というスペシャルバージョンです!!

こうして振り返ってみても、本当に多彩なナンバーです。
また、圧巻の歌唱の合間に届けられる、ほっこりするMCの中でも、「もっと歌を勉強したい」という言葉が特に印象的でした。

確かな歌唱力を土台にし、歌声で様々なキャラクターを表現する上原さんの幅の広さに、あんな役やこんな役も見てみたい!
これからの、さらなるご活躍を期待せずにはいられません。


満席のお客様を前に圧巻のコンサートでした♪


【セットリスト】

<第一部>
Caro mio ben 愛しい人よ/Ideale 理想の人/Granada
Credo in un Dio crudel イアーゴの信条/黒い瞳/落葉松/Besame Mucho

<第二部>
The Show Must Go On/This is The Moment 「ジキル&ハイド」より
そばにいて〜オリジナル曲/Why God,why
Tonight「ウエスト・サイド・ストーリー」より w/笠松はる
All I Ask Of You 「オペラ座の怪人」より w/笠松はる
Man of La Mancha「ラ・マンチャの男」より
抑え難い欲望「ダンス・オブ・ヴァンパイア」より
美しく生きたい〜オリジナル曲/ブイドイ 「ミス・サイゴン」より
アンコール曲
Lascia ch’io pianga


ファーストコンサートへは残念ながら行けなかった…というみなさま、コンサートで披露した一部楽曲も収録された上原理生さんのファーストCDも同日発売ですよ!

【上原 理生 ファーストアルバム『Die Welt-ディ・ヴェルト-』】

♪収録楽曲リスト

1. This Is The Moment 「ジキル&ハイド」
2. The Phantom Of The Opera ~with 笠松はる~「オペラ座の怪人」
3. Granada
4. Bring Him Home 「レ・ミゼラブル」
5. Die unstillbare Gier 「ダンス・オブ・ヴァンパイア」
6. そばにいて
7. Tonight ~with 笠松はる~ 「ウエストサイド物語」
8. Lascia ch’io pianga
9. 美しく生きたい
10. Bui-Doi 「ミス・サイゴン」

GACD-0015 ¥3,000(税込)   発売元:株式会社ジーアングル

アルバムの詳細、ご購入はこちらから!

第一部写真提供:ORCHARD
おけぴ取材班:chiaki(文) おけぴ管理人(撮影)

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