ミュージカル『ジキル&ハイド』稽古場取材会レポート

──この作品の魅力は多面性。
ラブストーリー、ゴシックホラー、人間ドラマ、友情、哲学、そして文明批判までもがギュッと詰まっている極上のエンターテインメントなのです。(演出:山田和也さん)


2001年日本初演、日本ミュージカル界に新たな伝説を刻んだ傑作ブロードウェイ・ミュージカル『ジキル&ハイド』。2012年、鹿賀丈史さんからタイトルロールのバトンは石丸幹二さんに引き継がれ、新たな石丸版『ジキル&ハイド』が誕生しました。
2016年3月、石丸さんが再び挑む『ジキル&ハイド』の公開稽古の様子をレポートいたします♪



ヘンリー・ジキル&エドワード・ハイド:石丸幹二さん


人間の深淵に潜む闇を描いたR・L・スティーブンソンのあまりにも有名な原作「ジキル博士とハイド氏」を、作詞家L.ブリカッス氏と作曲家フランク・ワイルドホーン氏がミュージカル化!
公開稽古では、人間の持つ“光と影”、“表と裏”を浮き彫りにするドラマティックな人気作を代表する3曲が披露されました。


【嘘の仮面】

物語全体を包みこむようなダイナミックなミュージカルナンバー。このシーンの中ではさまざまなキャラクターによるドラマが展開、物語の中とはまた違う人間関係も垣間見えます。



舞台上あらゆるところでドラマが交錯!


ヘンリー・ジキルの親友ガブリエル・ジョン・アターソン役:石川 禅さん

<ヘンリーの研究について議論する病院の最高理事会メンバーは上流階級の面々>


エマを巡りヘンリーのライバルとなる理事会秘書官サイモン・ストライド役:畠中 洋さん


理事会のチェアマンであり、エマの父でもあるダンヴァース・カルー卿:今井清隆さん



他にもグロソップ将軍:阿部裕さん(写真左)、ベイジングストーク大司教:宮川 浩さん
サベージ伯爵:林 アキラさん(写真中央、その右)をはじめ、大迫力で届けられる♪嘘の仮面
畳みかけるように展開する中で、阿部さんの深み、麻田さんの切れ味などなど聞きどころもいっぱい!!


【その目に】

二人のヒロイン、ヘンリーの婚約者エマと娼婦ルーシーによる美しいナンバーです。


二人の心の中には…一人の男が


ルーシー・ハリス:濱田めぐみさん


エマ・カルー:笹本玲奈さん


愛する人を思う女性の美しさや切なさ、強さが余すところなく表現された一曲。濱田さん、笹本さん、再演までの4年でさらに磨き上げられた表現力、お二人の作り出すエマとルーシーの新たな化学反応に期待が高まります!


【時が来た】

お待たせいたしました。ミュージカル『ジキル&ハイド』最大のヒット曲の登場です。
エマとルーシーに愛される男ヘンリー・ジキル役の石丸幹二さんの登場です。



自らの研究成果は人類の幸せと科学の発展にも寄与できるとヘンリーは確信していた


今こそ、その時が来た!

石丸さんの表現はダイナミックな歌い上げの中でも、ひと言ひと言が切実な感情として伝わってきます。自信に満ち溢れた笑顔が輝けば輝くほど…高揚感とともに、それとはまた違う何かが胸に去来します。


【キャストコメント】


今回初出演の今井清隆さん(“意外にも”とご紹介されていたのに妙に納得!)。


「新参者の今井清隆です。初演のころからこの作品が大好きで、今回、出演でき幸せです。本番はより一層パワーアップしてお届けします」(今井清隆さん)

『ジキル&ハイド』久々の登場となるのは石川禅さん。


「初演組でございます。初演からの顔もちらりほらりとね。僕は初演ではストライドを演じましたが、こうして歴代ストライド(宮川浩さん、畠中洋さん)が揃っているというのもおもしろいですよね。今はとても楽しい稽古場で四苦八苦しながら作っています(笑)。これからもっと深めていきますので本番をお楽しみに!」(石川禅さん)

続いては前回より続投となる笹本玲奈さん、濱田めぐみさん、石丸幹二さんです。


「4年ぶりの『ジキル&ハイド』のお稽古は、毎日発見に溢れています。鏡に映る自分の姿が果たして本当の姿なのか、口にしていることは本心か、この作品を通して投げかけられるたくさんの問い。それに立ち止まって自分自身を見つめ直す作品になると思っています。初日まで力を合わせて頑張りますので、ぜひ見に来てください」(笹本玲奈さん)


「お稽古をしていると、自分の中にいたルーシーがむくむくと顔を出してきます。そして、前回やりきれなかったことへの思いが芽生えてくるんです。
今回の、このメンバーでの公演が今までの中でベストになるようにと、毎日、事件事件!ですが(笑)、楽しくお稽古しています。今の段階ですでに“今回の『ジキル&ハイド』はこうかな”という匂いが稽古場に充満しています。お楽しみに」(濱田めぐみさん)



「連日熱い舞台に向けての稽古に励んでいます。
以前のバージョンをご覧になった方も、新しい2016年版を楽しんでいただければと思いますし、初めてご覧になる方は“人間ってこんなに汚いのね”、そんなことが感じられると思います。そこを楽しみに、自分探しの旅に出ませんか」(石丸幹二さん)



石丸さんの素敵なお誘いコメントで稽古場イベント終了!


新キャスト、続投キャストが混ざり合い、さらに深められたドラマの見え方を予感させる、大人の熱気あふれる稽古場の空気を肌で感じるひと時でした。

そして、2016年版もうひとつの見どころ、いや、聞きどころは…、これまで舞台上で演奏していたオーケストラが、今回のバージョンからオーケストラピットで演奏することになりました♪
それによって見え方、舞台の雰囲気、そしてなにより音の伝わり方も変わります。
上演を重ねていく中で常に進化をし続ける『ジキル&ハイド』の開幕は2016年3月5日です!!

【公演情報】
ミュージカル『ジキル&ハイド』
東京公演 2016年3月5日(土)~3月20日(日)@東京国際フォーラム ホールC
大阪公演 2016年3月25日(金)~3月27日(日)@梅田芸術劇場 メインホール
名古屋公演  2016年4月9日(土)~4月10日(日)@愛知県芸術劇場 大ホール

 <スタッフ>
原作:R・L・スティーブンソン
音楽:フランク・ワイルドホーン
脚本・作詞:レスリー・ブリカッス
演出:山田和也
上演台本・詞:髙平哲郎

音楽監督:甲斐正人
振付:広崎うらん
アクション:渥美博
指揮:塩田明弘

<キャスト>
ジキル&ハイド:石丸幹二
ルーシー・ハリス:濱田めぐみ
エマ・カルー:笹本玲奈
ガブリエル・ジョン・アターソン:石川禅
サイモン・ストライド:畠中洋
執事プール:花王おさむ
ダンヴァース・カルー卿:今井清隆

ベイジングストーク大司教:宮川浩
サベージ伯爵:林アキラ
グロソップ将軍:阿部裕
アーチボルト・プループス卿:松之木天辺
ビーコンズフィールド侯爵夫人:塩田朋子

麻田キョウヤ/川島大典/杉山有大/安福毅
内田美麗/折井理子/七瀬りりこ/真記子/三木麻衣子/森実友紀

<ものがたり>
1888年秋、ロンドン。医者のヘンリー・ジキル(石丸幹二)は、セント・ジュード病院の最高理事会に臨んだ。長年研究を続けてきた、「人間の善と悪を分離する薬」の人体実験の許可を得るためだった。すべては精神のコントロールを失った父を救うため。ひいては人類の幸せと科学の発展にも寄与できるとジキルは確信するが、婚約者エマ(笹本玲奈)の父ダンヴァース卿(今井清隆)、そして友人のアターソン(石川禅)から「死神よりも危険な理論だ」と忠告される。二人の危惧は的中、上流階級の面々が集う理事会で、ジキルの要求はほとんど一方的に却下された。

 その夜、リージェント・パーク地区のダンヴァース卿邸では、ジキルとエマの婚約パーティーが開かれた。そこに出席した理事会のメンバーは、この婚約を快く思ってはいない。なかでも、秘書官のストライド(畠中洋)はエマに結婚を考え直すように迫るが、エマとジキルは強い愛情の絆で結ばれていた。
パーティーを逃れ、ジキルはアターソンに誘われるまま、カムデンタウンにある娼館も兼ねるパブ“どん底”を訪れる。そこには蠱惑的な娼婦ルーシー(濱田めぐみ)がいた。その場の雰囲気にとまどっているジキルに、ルーシーは甘くささやく。「私で試してみたら?」その言葉に、ジキルは自ら開発した薬を“自分の身体で試す”という解決法を見出す。

ハーレー・ストリートの自宅に戻ったジキルは薬を服用。ほどなく体に異変が起こる。頭痛、恍惚感、痛みが全身を貫き、呼吸困難に・・・。ジキルの心と体は、エドワード・ハイドに変わった。「自由だ!」-ハイドは叫び、ロンドンの夜の闇の中へ出てゆく。

それから1週間。ジキルはエマやアターソンとも会おうとしなかった。ある日、ルーシーの体の傷を治療した彼は、加害者がハイドであることを知り、愕然とする。いっぽう街中では理事会のメンバーが次々に惨殺されていった。エマとの結婚式が近づく中、ジキルは、ハイドをほとんど制御できなくなってゆくのを感じていた。

アターソンにすべてを打ち明けた彼は、ルーシーの身を案じ、「ロンドンからすぐに立ち去るように」との手紙を託すのだった・・・。

公演HPはこちらから                

おけぴ取材班:chiaki(文・撮影) 監修:おけぴ管理人

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