2013/04/23 新国立劇場『アジア温泉』稽古場レポ

海外の演劇人と共に、3つの書き下ろし新作を3ヶ月連続上演する
新国立劇場2012/2013シーズン演劇公演シリーズ“With-つながる演劇-”
第2弾、韓国編『アジア温泉』のお稽古場の様子をレポートいたします。


勝村政信さん(ウサ耳の秘密はレポ終盤で!)

『焼肉ドラゴン』の鄭義信さんの書き下ろし!
韓国国立劇団芸術監督のソン・ジンチェクさんの演出!
役者さんも日本、韓国からそれぞれ11人ずつ参加!
気になる要素いっぱいの作品。

物語は。。。
温泉が湧くという噂が流れているアジアの とある島。
リゾート開発のためにやってきたカケル、アユム兄弟と
土地を売らずに守る島の古老・大地らの対立を軸に、
大地の娘とアユムの道ならぬ恋、古い因習に縛られる人々、
開発に加担する島民・・・
様々な事情を抱えた人々の悲喜こもごもが描かれます。

このように、アジアに根差す土俗性と経済性の対立を描く寓話『アジア温泉』の・・・この日は歌と踊りのお稽古日!

そうなんです!この作品は音楽入り祝祭劇、歌や踊りがあるんです♪
舞台上と客席が一体となってワクワク空間を作り上げる
“韓国マダンノリスタイル”を取り入れた『アジア温泉』。
創り上げられる過程もとてもエネルギッシュ!


日韓俳優が入り乱れ、韓国古典楽器、西洋楽器も入り乱れる!
写真右)先頭でみんなを引っ張るのはキム・ジンテさん


梅沢昌代さん、成河さんの演奏も!

そして・・・


勝村政信さんがドラム!?

ここで、演出を担当されるソン・ジンチェクさんが生み出した“マダンノリスタイル”をご紹介!


ソン・ジンチェクさん(演出)とクッ・スホさん(振付)

“マダン”は韓国語で広場、“ノリ”は遊びを意味します。
韓国で古くから盛んに行われていた、農村での仮面劇や人形劇といった大衆的な野外娯楽。
その風習を大衆劇に反映した新しいスタイルの演劇が“マダンノリスタイル”。


日本でも収穫祭や盆踊りなど、参加型の歌や踊り、芝居は昔からありますよね。
その感覚に近く、敷居の高さは感じません!
お稽古を見ているだけでも面白いのです。

歌は久米大作さんの書き下ろし、歌詞は韓国語ですがなんともいえない郷愁を感じさせる楽曲やアップテンポのウキウキするようなものまで多彩です!

ソンさんが仰った
「自分たちがやっていることを見てもらうのではなく、(お客様も)一緒にやろう、楽しもう!という気持ちでやりましょう。」
この言葉がとても印象的です。


そして、この踊りの稽古の中でもたくさんの“With”を発見!

「日本のリズムに韓国のリズムを融合させていきたい。」というソンさんのリクエストを受け、目の前で作り上げられていく合作リズム!


「どの太鼓を使うか。」
「やっぱりこのリズムだよね。」
積極的な意見交換がなされている、とてもクリエイティブな現場!
本番ではどのように融合されているか、楽しみです♪

もうひとつご紹介したいのが、稽古場でとても目をひいた、こちらのセット。

作者である鄭義信さんが、この作品を創るにあたり、
まず、思い浮かべたのが、韓国・済州島に伝わる“死者の婚礼のための儀式”。
その儀式にも密接にかかわり合いそうな、神聖な雰囲気を醸し出すセットです。


もうひとつ気になるのは、台詞ですよね。

答えは・・・日本語、韓国語が飛び交います!


実はこちらのやり取りは、それぞれ韓国語(女性)と日本語(男性)でなされていますが、しっかりと通じている!

それが、この作品での“決めごと”!!
そんな寓話性も魅力の一つです。
(日本公演では日本語字幕が付きますので心配ご無用です。)

そしてそして、この作品、舞台外もえらいことに?!笑

新国立劇場中劇場ホワイエに出現する“温泉街”

観光案内にお土産、リラックス、そして屋台コーナー!!
これはお芝居をたっぷり満喫しながら、さらに身も心もお腹の中まで満たされそう。
一味違う、劇場体験の予感です!


【おまけ】
写真をごらんになって、「?」だったかと思いますが。
勝村さんの“ウサ耳”に代表されるみなさんの仮面or被り物(?)、
こちらは劇中の盆踊り的な、仮面舞踏会的な、そんな場面の
仮バージョンの仮面でございます。

みなさんの役柄はもちろん“人間”ですが、
動物に扮するような場面がある。
そんな訳での“ウサ耳”です。

本番では違う仮面で登場されますので、稽古場レポのみのスペシャルバージョンともいえます(笑)。

そして、その動物の形態模写をやってみようという場面、
こちらの写真でレポートを締めようと思います!

では、温泉街で会いましょう♪


勝村さんのウサギが可愛いのなんの!!


新国立劇場『アジア温泉』
<公演情報>
2013年5月10日~26日@新国立劇場 中劇場
<スタッフ>
作:鄭 義信
翻訳:パク・ヒョンスク
演出:ソン・ジェンチェク
<キャスト>
勝村政信/成河/千葉哲也/梅沢昌代/酒向芳/森下能幸/谷川昭一朗
山中崇/ちすん/江部北斗/朴勝哲
キム・ジンテ/チョン・テファ/ソ・サンウォン/キム・ムンシク/キム・ジョンヨン
カン・ハクス/イ・ボンリョン/チョン・ジュンテ/チョン・エヒョン/キム・ユリ/キム・シユル

2013年6月11日~16日には芸術の殿堂(ソウル・アート・センター)CJ土月劇場にて
韓国公演もございます!

作品HPはこちら



おけぴ取材班:chiaki(文・撮影) 監修:おけぴ管理人

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