TEAM54プロデュースのお三方(写真左から:soezimaxさん、前田耕陽さん、中川浩三さん)と
演出の川浪ナミヲさん(劇団赤鬼)
前田耕陽さんの芸能生活30周年記念公演
『のらん』稽古場におけぴスタッフが潜入!
「総勢30名以上の男たちが、本気で駆けずり回り、笑い、泣き、悔しがり、ふてくされて、開き直って、何かを残す」
「歌あり、踊りあり、殺陣はなし(!)」・・・!?
よくある歴史アクションステージ、と思ったら大間違い。
大の大人が本気で馬鹿をやる、その姿になぜか、なぜだか涙がジワリ(笑)。
今年で芸能生活30年(祝!)を迎える
前田耕陽さん、
元劇団赤鬼の看板俳優そして映像制作でも活躍中の
soezimaxさん(副島新五さん)、
演劇集団Zsystemを主宰する
中川浩三さんの3人に加え、
炭谷征之さん、伊達康浩さん(劇団BQMAP)、
そして劇団赤鬼の土性正照さん&岡本拓朗さん、山田かつろうさん(売込隊ビーム)、うえだひろしさん(リリパットアーミーⅡ)など、
関西小劇場界で活躍する
男性俳優総勢30名以上が集まった歴史コメディアクション!
キーワードは
「大塩平八郎」「男30人のバタバタ感」「インド映画」!?
通し稽古を終えたばかりの稽古場で、
TEAM54プロデュースのみなさまにお話をきいてまいりました!
出演はTEAM54プロデュースの3人に加え
ベテランから若手まで揃った関西小劇場界のツワモノ達!
<「TEAM54プロデュース」とは?>
前田耕陽・中川浩三・副島新五(soezimax)による舞台ユニット。
詳しくはこちらの動画をチェック!
↓↓↓
「のらん」とは、すなわち歴史の教科書でもおなじみ
大阪の町の一大事となった “大塩平八郎の乱” のこと!
――「のらん」というタイトルを聞いて、一体どんな舞台なの?という人も多いと思います。これは「大塩平八郎の乱」 → 「の、乱=のらん」ということなんですね。
soezimax:
「前田耕陽の芸能生活30周年ということで、
“男30人を舞台の上に出したい” というアイディアが先にあったんです。
それで群衆の出てくる、スペクタクル感のある題材がいいなと」
中川:
「脚本を書いてくれたオカモト國ヒコくん(テノヒラサイズ)が、
別の仕事の取材で
“乱のあとに(大塩平八郎を)うちの先祖が匿っていた” というおじいさんに会ったらしいんですよ。
それで平八郎さんは “俺がこんなにがんばったのに!” と怒っていた、
人間が小さかった、と聞いたと(笑)。
もちろん歴史上のすごい人物ではあるんですけど、ひとりの人間としては……いろいろあったんでしょうね。
そういう人間の小ささ、最低なかんじをみせたいなと思いまして(笑)」
前田
「出演者は多いですけれど、
この題材なら僕ら3人がやっている舞台のニュアンスが入れ込めるかな、と。
(中川さんには)いつも小物の男を演じてもらっているので(笑)、
今回も平八郎のちょっと
“イラッとさせられる” 感じを出してもらえると思います」
大阪の民のために立つ平八郎を演じる中川浩三さんと
その養子・格之助を演じる前田耕陽さん
基本的には史実を元にストーリーが進みます。が……
この親子、踊ります。そして歌います!
soezimax:
「昨年から
インド映画にハマっていまして。
単純に大勢で踊るからおもしろいなと。
それで今回せっかく30人以上いるんだから、やっぱり
歌って踊ったほうがいいのではないかと」
――音楽や振付も、いわゆる歴史アクションものではあまりお目にかからないような、独特のポップな楽しさがありました。
soezimax:
「きっとお客さんが予想している “歌と踊り” とはちがいますよね。
僕らの舞台って、演劇のメインストリームとは別のところにあると思っていて。
それだったら自由にやりたい、30人でなにか楽しいこと……と思ったらインド映画しか思いつかなかったので(笑)。
ストーリーは基本的に史実に基づいているので、全然ハッピーエンドではないんです。
でも乱のあとに何かが残った、彼らが立った意義はあった、と前向きに終わりたいと思って……インド映画です」
男30人、ほぼ全員が舞台に出ずっぱり!
はっきり言って……じゃっかん暑苦しいです(笑)!
前田:
「関西の小劇場界で名の知れた俳優さんが集まってくれています。
僕たち3人と30人との融合も見どころのひとつですね」
soezimax:
「物語の半分以上、30人全員が
ほぼ出ずっぱりなんですよ。
出演者がこれだけいると楽屋とか袖とか大変なことになるじゃないですか。
だから出ずっぱりにしようよ、と気軽に言ったら、
(脚本の)オカモト君が応えてくれて」
前田:
「舞台の上がずっと
“人混み” (笑)。なんだこれってなりますよ」
中川:
「役者が袖にはけるときって、さっと消えていくものなんですけど、
今回は
舞台袖が混んでいる(笑)。
その “渋滞感” のおもしろさというか、むさ苦しさというか……」
6月の大阪公演と8月の東京公演では、一部を除いてキャストが変わります。
今回取材した大阪ver.では関西小劇場界で活躍するあの顔、この顔がズラリ!
中川:
「最近、
前田耕陽氏が若手育成に興味を持ち始めたこともあって、
若手のキャストの多くはオーディションで選びました。
今回が初舞台という子もいるんです。
もう着物の着付けからなにから、いちから教えて。
みんな食えないから
稽古場で炊き出しもしています(笑)」
前田:
「16歳で芸能界に入って、自分がしてもらってきたことを
下の世代に伝えていかなくちゃいけないなと、
そんなことを考える年齢になりました。
とくに小劇場の世界では自分より年上を探すほうが大変なくらいですからね(笑)。
だって、僕が芸能界に入ったころはまだ生まれていない奴らばっかりですよ!
もう気安く呼ぶな!と(笑)」
多数の舞台出演を経て、いまや渋い存在感が素敵!な前田耕陽さん
でも時折見せるこんな表情はあの頃のままですよね♪
(何を隠そう男闘呼組世代のおけぴ関西スタッフです……)
前田:
「とにかく舞台の上に男しかいないんですよ。30人も!
しかもそれがみんなずっと舞台の上に出ている。
……バカの集団ですよね。その
バカさ加減を観に来ていただければ」
中川:
「それから……もしかしたら客席からもお気づきになるかもしれませんが、くさいです!」
soezimax:
「おとこ臭(しゅう)が、ね(笑)」
前田:
「色気づいて香水なんてつけてくる奴がいたら、稽古場から叩き出しますから。
“自分の匂いで勝負しろ!” って」
全力投球の男たちは「自分の匂い」で勝負!!
「かっこいい殺陣と、泣けるストーリーの歴史アクションものかな?」
……そんな軽薄な予測を鮮やかに覆された、今回の取材。
とにかく出てくるキャラクターが情けない!カッコ悪い!
でも、がむしゃらにがんばる姿や、思いきりずっこけている姿が
なんだか愛おしくおもしろいのです。
「大人の男の余裕」さえ感じさせるオフビートな笑いと、妙なハイテンション。
TEAM54 PRODUCE『のらん』大阪公演はいよいよ5月31日に初日の幕を開けます!
(別キャストによる東京公演は8月29日から)
男だらけ、失敗だらけの物語。
天保8年の男たちの生きざまを、お見逃しなく!!
soezimaxさんによる、公演告知映像も必見♪
(踊ってます!)
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おけぴ取材班:mamiko 監修:おけぴ管理人