【お寄せいただいた感想をご紹介】1/30追記
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軽い気持ちで見に行ったら、ぐわっし!とハートをガッチリキャッチされました!
観に行って本当に良かった!
男同士の熱い友情が、もどかしくて、切なくて、眩しくて、羨ましくて…ハンカチ必須です!
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見終わって、有名な歌の数々が作者不肖となっていることの謎はそういうことだったのか、と思わず納得しそうになりましたが、あくまでイフなのですね。
役者さん達の力量なんでしょう、説得力がありました。
皆さん、台詞がはっきりしていて聞き取りやすかった。特に新垣さん。耳に気持ちよいです。
そして和音さんの歌!こちらも耳に心地よく……誰もがよく知っている歌をきれいな声で沢山聞かせてくれました。
原田さん、コメディっぽいお芝居もおやりになるとは!
やはり色々見てみないと、役者さんの七色の変化はわかりませんね!
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瀧さん役の兼崎さんの静かな熱演に涙。
‟友とは”、彼がどのような思いで言っていたのかと思うと…。
でも目に焼き付いているのはピアノの前の穏やかな笑顔です。
観に行ってよかった!!
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日本の唱歌の美しさを改めて認識させられました。
原田さんと和音さんの美声は本当に心地よく、ほっこりとした気分になります。
派手さはありませんが、和音さんの上品な雰囲気や、原田さんのコメディセンスがうまく作品に生かされていて全く退屈しません。
唱歌は日本の誇りともいえる名曲ばかり。ラストの「ふるさと」は感動で涙が止まりませんでした。
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昨年感動して再演に飛び付きました!昔からコーラス部で唱歌に馴染みがあり『朧月夜♪』が大好きなので感動しました。
ifとありますが一説としてあるstoryなので知識の肥やしにもなりました。
お薦めポイントは演出や音楽のクオリティが高く、切なく時に笑える内容な点です!!
普段関心がある方は勿論、あまり馴染み薄い方にこそ是非観てほしい公演です。
【稽古場レポート】
初演は2014年1月、わずか3日限りの上演ということもあり、あちらこちらから聞こえた「もう一度観たい、ぜひ再演を!」の声、声、声。
そしてこの度、演出に板垣恭一さん、一部新キャストを迎え、まさに
待望の再演が実現する
音楽劇『瀧廉太郎の友人、と知人とその他の諸々』のお稽古の様子をレポートいたします。
明治の西洋音楽の黎明期に生きた音楽家の情熱や瀧廉太郎、岡野貞一といった作曲家にまつわる
“If(イフ)” の物語を日本歌曲が持つ美しさで彩りながら描くこの作品。
お話の舞台となるのは1901年(明治34年)7月のドイツ、留学中の瀧廉太郎の部屋です。
左より)東京音楽学校の同窓、岡野貞一(原田優一さん)と瀧廉太郎(兼崎健太郎さん)
同じアパートに住む日本で初めて留学した女性音楽家 幸田 幸(和音美桜さん)
物語の始まりは瀧廉太郎を東京音楽学校(現東京藝術大学)時代からの友人・岡野貞一(原田優一さん)が訪ねるところから始まります。
岡野は、瀧に尋常小学唱歌の作曲を依頼するために渡独した文部省の役人野口貞夫の通訳としてはるばるやってきたのです。
岡野貞一役には初演に引き続き原田優一さん。とっても温かくてかわいらしくて人間味あふれる岡野像がぐぐっと深められています。
彼の中で音楽とは、才能とは、瀧廉太郎とは…「瀧廉太郎の友人」を誠実に創り上げる原田さんのお芝居に泣いたり笑ったり大忙しです。
久々の再会を喜ぶ岡野と瀧の間には温度差が
岡野の名シーンといえば酩酊シーン?!そこからも岡野の魅力が伝わります
そんな “温” な岡野に対して瀧は “クール” というか “冷” 。
兼崎健太郎さんが演じる瀧は “冷” のなかに秘めた “熱” がイイです!
兼崎さんというとどうしても “長身のイケメン俳優さん” という印象が強く、正直申し上げると稽古場で拝見するまで“瀧廉太郎”と少しギャップを感じていました(勝手にすみません)。
でも、繊細でちょっと近寄りがたいようなピリピリした空気をまとい孤独を感じさせる瀧がそこにいました!
瀧が心に秘めているものが次第に明かされ…
そして
“幸さま”こと幸田 幸はこの方しかいません、和音美桜さんです。佇まいも生き方も美しい幸さま!
才知に溢れる音楽エリート幸田 幸を凛々しく演じる和音美桜さんです。
瀧に対して密かに抱いている恋心、「お慕いしています」という表現がぴったりの控えめな想い。それでいて時折見せるちょっとすねたようなところも可愛い!岡野ならずとも憧れてしまう上品な幸さまなのです。
でも、芯は強いですよ~!!
そして原田さん、和音さんによる
「花」「朧月夜」など珠玉の日本歌曲の歌唱もこの作品の魅力!
ただ耳を傾けているだけで涙があふれてくる歌声
春には『レ・ミゼラブル』で共演されるお二人ですが、この作品で歌われる唱歌はミュージカル楽曲とはまたちがう魅力にあふれ、ただただ素晴らしいです!そこで歌われる情景、日本語の美しさ、メロディ…こんなにも心にしみるものなのですね。大人になって少し隔たっていた唱歌の素晴らしさに改めて気づかせてくれる作品です。
こちらは
幸の世話係としてドイツに同行したフクさん。「私は学もないですし」というフクですが、いえいえとっても気働きのできる賢い女性!
新垣里沙さんの明るさがこの役にピッタリ!
瀧、岡野、幸、3人のことも一歩引いて温かく見守るフクはストーリーテラーの役割も担っています!!
そんなフクのサブストーリーも物語のスパイス
スパイスといえば!こちらのお二人もナイスキャラ!
左より)文部省のお役人・野口(佐野瑞樹さん)、謎の男、実は…(白又 敦さん)
佐野さんは前回に引き続き野口を熱演、登場すると温度が2、3度上がるようなエネルギー!
使命感に燃える明治のお役人さん、音楽家でない人物としての野口の存在も物語に奥行きを持たせます。
なんとも憎めない野口さん!
謎の男・基吉には白又 敦さん(気になる方は
HPで“その実”が明かされていますよ)。
なかなかヤンチャな基吉さん、その名前からお察しの通り日本人です。ということはやはり彼もはるばる日本から来たということになります。この時代の渡独って大変なことです!
それを成し遂げる熱い基吉さんを元気いっぱいに演じます!
謎の男ですからね、多くは語りませんがこんな展開に!
こうして瀧を中心にさまざまな人物のドラマが展開します。
誰もが知っている尋常小学唱歌、実は作者不詳と記されているものがあり、その作曲者といわれる岡野貞一もその詳細については多くを語らずに世を去った。そんな
日本音楽史の空白に着想を得て生まれたこの物語。
そうそう、『瀧廉太郎の友人、と知人とその他の諸々』、ちょっと不思議なタイトルですよね。
でも、確かにそういうお話なのです。
観劇後にこのタイトルを振り返ると、【友人】、【知人】、【その他の諸々】それぞれの言葉が温かく深い響きを持っていることに気づきます。もちろん瀧廉太郎という人物も。
日本の音楽界の未来を一身に背負ってドイツの地へやってきた天才・瀧廉太郎。
「僕に期待していたのは 僕も一緒です」瀧のこの言葉が今も頭から離れません。
今こうして音楽を身近に感じることのできる幸せに改めてありがとうと言いたくなります。
そしてこの作品に欠かせないのがYUKAさんのピアノです。
物語の導入部でその音色を耳にした瞬間、作品世界へ誘われますよ♪
明治の時代に生きた音楽を愛する3人の若者たちの夢、未来への希望、そして彼らに関わった愛すべき人々のドラマに心がポカポカ温まる素敵な音楽劇。
さらに!秘密が明かされそれぞれの思いが吐露されたのちにもう一度観ると、また違った見え方がする作品なのです。瀧目線、友人目線、知人目線…それぞれの視点でリピートしたくなります。
あ、まだ開幕前だというのにリピートとは気が早すぎますかね(笑)。
でも、それくらいおススメなのです!!
【稽古場レポート番外編】
演出の板垣恭一さんのもと、上質な音楽劇を届けてくれるキャストのみなさまは非常にサービス精神旺盛でいらっしゃる!
その証、稽古場でしか見られないカメラ目線バージョンの写真を番外編として紹介いたします。
芝居の流れ&カメラ位置の関係で兼崎さんがぐんぐんカメラに近づいて来ることに!
その迫力たるや(笑)
ものすごい状況でカメラ目線頂戴しました!佐野さん、ありがとうございます!
こうなるとオモシロ合戦に参戦せずにはいられない原田さんです!
白又さんも縛られながらさわやかにカメラ目線で移動!
それを冷やかに見送るお三方!
『瀧廉太郎の友人、と知人とその他の諸々』、通称“たきとも”カンパニー最高!
みなさまありがとうございました。
おけぴ取材班:chiaki(文・撮影)監修:おけぴ管理人