unrato #3
『受取人不明 ADDRESS UNKNOWN』
作:クレスマン・テイラー 脚色:フランク・ダンロップ
翻訳:小田島創志 演出:大河内直子
2018年9月13日(木)~17日(月) 赤坂RED/THEATER【『受取人不明 ADDRESS UNKNOWN』を翻訳初演】
本作は、1938年、アメリカのストーリー誌に発表された往復書簡による小説『ADDRESS UNKNOWN』の舞台版。原作小説は、『届かなかった手紙』のタイトルで日本でも翻訳出版されています。舞台版は2004年、フランク・ダンロップが脚色し、オフ・ブロードウェイで初演。世界各地でも上演されており、今回が日本初演となります。
出演者は男優2人だけ。
今回は
青柳尊哉+須賀貴匡、
池田努+畠山典之という2組の顔合わせで上演します。
物語は1832年から2年間に交わされた20数通の手紙によってつづられます。2人の手紙のやりとりという小さな交流から浮き上がる、世界の荒れ狂う大きなうねりとは?正義とは何なのか?何が正しいのか?
「受取人不明」とは何なのか?静かに見届けてください。
あらすじ
マックスとマルティンはアメリカで共に画廊を経営し成功を収めた親友同士だった。1932年、ドイツ人のマルティンは家族とともにミュンヘンに帰国。ユダヤ人のマックスはサンフランシスコに残ることになり、ドイツとアメリカにいる2人の手紙のやりとりが始まる。
そのころ、不況にあえぐドイツにはヒットラーが登場。貧困に苦しむドイツに戻った裕福な成功者であるマルティンは、徐々にナチズムに心頭していく。 一方、ドイツで女優活動を行う妹の行方を心配するマックスは……。
【2組のキャスト】
日本初演には、アメリカに残ったユダヤ人のマックスに青柳尊哉さんと池田努さん、帰国したドイツ人のマルティンに須賀貴匡さんと畠山典之さんがキャスティングされました。ペア固定、青柳さん&須賀さん、池田さん&畠山さんの2組で届けられる本作。
青柳尊哉さん、須賀貴匡さん
青柳尊哉さんは劇団ねじリズム、角角ストロガのフ作品など小劇場でも活躍され、昨年の「ウルトラマンオーブ」の宿敵ジャグラーを演じて、悪役ながら異例の人気を博しました。須賀貴匡さんは、「仮面ライダー龍騎」で主演、全キャストオーディション実施でも話題の来年4月の新国立劇場「かもめ」への出演も決定しています!
池田努さん、畠山典之さん
池田努さんは、石原プロダクション所属で、本作が今年4本目の舞台!ワンツーワークス「私は世界」も記憶に新しいですね。劇団四季出身の畠山典之さんは、ミュージカルのみならずストレートプレイの経験も豊富で演技指導などもされている実力派。
【演出家の言葉より】
ADDRESS UNKNOWN ―― 受取人不明 1938年、この小さな物語はアメリカのストーリー誌に掲載され大きな反響を呼んだという。 その年の11月9日、水晶の夜(ドイツ全土でユダヤ人襲撃と虐殺)。 1940年、チャップリンの「独裁者」が封切り。
時代の荒波を越えた20通ほどの手紙のやり取りは私たちに問う。
多様な情報が氾濫する今、私たちは真理に耳を澄まし、信じ続けることができるだろうか?
絶望の闇の中でもなお人間への憧憬を持ち続けることができるだろうか?
過去から突きつけられた問いを 時代の波に失われた生命を 私たちは私たちのこととして捉えることができるのだろうか?
言葉の刃が私たちに突きつけられる。
背筋が伸びる。
敬意と祈りを込めて、届けよう。
『受取人不明』の行方を。
大河内直子
【小田島創志さん舞台翻訳デビュー】
小田島創志さん
翻訳を手掛けるのは、本作が舞台翻訳デビューとなる小田島創志さん。祖父・小田島雄志さん、父・小田島恒志さんの影響で子供のときから演劇に親しみ、現在は英国の現代劇作家ハロルド・ピンターやトム・ストッパードの研究をされています。確かな知識と若き感性、これからが期待される新進翻訳家の記念すべきデビュー作です!
◆「受取人不明」が何を意味するのか。
できればですが……ネタばれなく観に来ていただきたい作品です。劇場で知ったその意味を、まっすぐ受けとめていただけたら、嬉しいです。(
演劇企画・創作ユニットunrato(アン・ラト)Twitterより)
この記事は公演主催者からの提供により、おけぴネットが製作しました