戦争の責任は誰にあるのか、東京裁判は何を裁いたのか──その問いに切り込む井上ひさしの東京裁判三部作の第二作目にあたる『夢の泪』が紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYAにて開幕。演出の栗山民也さん、ご出演のラサール石井さん、秋山菜津子さんのコメントと舞台写真(撮影:宮川舞子)が届きました。
粕谷吉洋、藤谷理子、ラサール石井、瀬戸さおり、板垣桃子、久保酎吉、秋山菜津子
ラサール石井、秋山菜津子
前田旺志郎、土屋佑壱、粕谷吉洋、久保酎吉、藤谷理子、板垣桃子
『夢の泪』は井上ひさしが新国立劇場のために書き下ろした「東京裁判三部作」の第2作目として、2003年に上演されました。「東京裁判三部作」は、01年『夢の裂け目』、06年『夢の痂』とともに、「戦争」そして「東京裁判」を当時の市井の人々の生活を借りて見つめ、「東京裁判」の、そして「戦争」の真実を改めて問うた作品群です。
日本人として避けては通れない硬質な問題を提起しながらも、笑いと音楽をふんだんに盛り込み、数々の名曲を生んだこのシリーズ作品の一作を、初演から20年以上を経た2024年、こまつ座では初めての上演となります。
【演出 栗山民也 コメント】
栗山民也(演出)
何度もベルリンの街を歩いた。日本での生活で、気持ちが完全に萎えてしまうような時は、迷うことなくベルリンへと向かった。その街は間違いなく記憶の刻まれた場所で、行くたびに過去の様々な人や風景の記憶が、目の前にはっきりと現れる。
「夢の泪」の初日を前に、劇中の心に強く残った言葉のうち「ほんとうの日本史が書かれる」という一つのセリフが、何度となく頭の中を巡る。
この国は、自分たちのほんとうの歴史にちゃんと向き合ってきたのだろうか。稽古をしながら考えた。
朝、テレビをつけるとどこも瓦礫の街。この地球の上の現実の風景だ。この公演は、ただ過去を描いたものではない。今、何を見つめるべきか、そんな問いが見えてくるとても大事な作品に思う。何かと出会える場になりますように。
【ラサール石井コメント(伊藤菊治役)】
板垣桃子、ラサール石井
いよいよ初日、沢山稽古したにも関わらず、これほど不安で緊張する初日は長い演
劇人生でも初めてです。
今日は朝に鎌倉の井上先生のお墓参りして来ました。一緒に行きましょうと申し上
げたので、劇場にいらしてると思います。頑張りまーす!
【秋山菜津子コメント(伊藤秋子役)】
久保酎吉、秋山菜津子
稽古も後半に入った頃、演出の栗山さんが仰った 『いま、こんな戯曲はどこにもないよ。』という言葉が、初日が近づくにつれ、ひしひしと身体で感じ始めているところです。
そのような貴重な作品を多くの方に観ていただきたい、若い方にも知ってもらいたいと心から願っております。そして、キャスト、スタッフのパワーをもって観客の皆様にこの作品をしっかりとお届けできるよう、頑張るのみです。
前田旺志郎、瀬戸さおり
藤谷理子、粕谷吉洋、板垣桃子
粕谷吉洋、瀬戸さおり、ラサール石井、藤谷理子、板垣桃子、秋山菜津子、前田旺志郎、久保酎吉
ラサール石井、土屋佑壱
前田旺志郎、土屋佑壱、瀬戸さおり、久保酎吉、ラサール石井、秋山菜津子、粕谷吉洋、藤谷理子、板垣桃子
この記事は公演主催者の情報提供によりおけぴネットが作成しました