ミュージカル『GIRLFRIEND』@シアタークリエ
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シアタークリエにて開幕したミュージカル『GIRLFRIEND』、1993年アメリカのネブラスカ州の小さな町を舞台にした甘酸っぱい青春を瑞々しく描いた物語。ガラス細工のように繊細な心と若さの躍動、子どもと大人の間にいる二人の青年の“二人ミュージカル”。ウィル役:高橋健介さん、島 太星さん、井澤巧麻さん、マイク役:萩谷慧悟さん、吉高志音さん、木原瑠生さん、いずれもトリプルキャストで三者三様の色を見せる公演、島 太星さんと吉高志音さんのゲネプロをレポートいたします。
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島 太星さん
学校に馴染めずにいたウィルは高校卒業を心から喜ぶ
自由を叫び、新しい生活のスタートを「ハッピーニューイヤー!」という言葉で表現
手にはカセットテープ
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吉高志音さん
スポーツ万能で人気者のプロムキング、マイク
大学進学のため、まもなくネブラスカを離れる
電話の向こうにドキドキ
高校で接点のなかった二人を繋ぐのは、マイクがウィルに渡したミックステープ。こちらの↑2枚のお写真にもある、カセットテープ、家電(いえでん/固定電話)からただようノスタルジー。
(90年代、そんなに昔ではないと思いつつ……時の流れを感じます)小道具だけでなく、冒頭でウィルが語る「僕みたいな奴はほかにいない」、その言葉の真意も彼らが置かれていた社会、時代を感じさせます。この「感じさせる」という感覚、すべてを説明しない/できない揺れが、この作品の味わい、魅力でもあります。“行間に宿る思い”、ちょっとした心の浮き沈み、痛み、瑞々しさを表現する俳優の芝居がしっかりと伝わるシアタークリエの空間にぴったりな『GIRLFRIEND』。演劇の魅力も詰まっています。
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心臓バクバク、それを隠そうと空回りするウィル
スマートで(割と)冷静に見えるマイク
全力応援!したくなる二人です
高校卒業の1週間前に、突然、マイクからミックステープを渡されたウィル、人気者のマイクがなぜ自分に……「もしや!」「いやそんなことは」「なぜ?」と、妄想と思考を繰り返していただろうことが目に浮かぶ、島さんの表情豊かなお芝居。
マイクからドライブインシアターに誘われ、ふたりの距離は徐々に縮まっていく。
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孤独を感じさせる瞳が印象的な吉高さんのマイク
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星に手を伸ばすウィル
時を同じくして、別区間にいるマイクもまた……
この「徐々に」がもどかしくもあり愛おしくもある。相手の気持ちも探り探り、自分自身の気持ちにも不確かなものがある中で、二人を繋ぐのが美しくポップな音楽。音楽を手掛けたのはアメリカのシンガーソングライターのマシュー・スウィート、91年に発表したアルバム『GIRLFRIEND』をベースに構成されたジュークボックスミュージカル、時代の空気を作り出す多彩な音楽が物語を彩ります。稽古場取材会でも説明のあったポップス、ロックミュージックならではの歌詞の繰り返しを活かした芝居作りに、俳優たちも芝居や歌で見事に応えます。「I’ve been waiting(君を待つよ)」繰り返されるごとに高まる思い!まさに青春!
両親が離婚し母と暮すウィルが進路に悩むのに対して、父は医者、自身も人気者で大学進学も決まっている──恵まれた環境にいると思われるマイクもまた父からの束縛への葛藤を抱えている。ドキドキを隠せない島さんのウィルに対して、吉高さんのマイクはスマートな印象。でも、時折見せるマイクの“内心”が絶妙に観客の心をくすぐります。
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悩みや怒り、楽しさを分かち合う二人
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シンプルなセットを動かすのも二人、
照明や映像の効果にもどこかアナログを感じます
「Looking at the sun」での、はしゃぐマイク、そこに寄り添うようなウィルの歌声も印象的。次第に二人の関係性のバランスも変わってくるような瞬間。さらに終盤のナンバーで、幼い印象だったウィルが豊かな低音を、大人びているマイクが繊細で美しい高音を響かせる掛け合いも“二人だけの世界”を音楽で象徴しているよう。
恋心だけでなく、自分がやりたいことを見つけられない焦燥感や家族の問題、“普通”でいることに縛られる息苦しさなど、青年たちが抱える葛藤、心の機微を丁寧に描き出す演出は小山ゆうなさん。
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キュートな魅力あふれる島さんのウィルですが、
個人的には野球の試合に対するリアクションが最高!
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とある出来事により、距離を置くように
互いに孤独を感じていた二人が“音楽”を通して親密になる──マシュー・スウィートのキャッチーな楽曲を奏でる生バンドの演奏が物語に寄り添い、ときに力強く二人を導きます。ウィルとマイクがはしゃいで熱唱する場面ではポピュラーソングを歌う青年たちそのもの、一方で内面を歌い上げる場面では演劇的に見せ、聴かせる島さん、吉高さんの歌唱。本作が優れたミュージカルであることがよくわかります。
90年代、青春時代の懐かしさだけではなく、今、居場所を探す人々、どこか居心地の悪さを感じる人々にも優しいエールをくれるようなミュージカル『GIRLFRIEND』。ほかの2組もとても気になりますし、ウィルとマイクがこれだけ密な空気を作る作品ですので、相手役を変えるシャッフル公演はどうなってしまうの!というドキドキも! 1時間50分、二人の俳優とバンドの生演奏が奏でる物語、東宝ミュージカル初登場となるみなさんの“今”をお見逃しなく!
また本編の後にはミニライブも! その後のカーテンコールは合図があったら写真撮影OK!ほかにも多彩なイベント開催、『GIRLFRIEND』の世界を思いっきり楽しみましょう♪ (
諸注意もご確認ください)
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ミニライブでは楽曲をメドレーで
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ミュージカル『GIRLFRIEND』公開稽古レポート
おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人