舞台『鋼の錬金術師』大阪公演
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昨年3月の第一弾に続く荒川弘先生による大人気コミックス「鋼の錬金術師」の舞台化第二弾として、現在、日本青年館ホールにて上演中の舞台『鋼の錬金術師』―それぞれの戦場(いくさば)―。
史上最年少で国家錬金術師の試験に合格、“鋼の錬金術師”の称号を得たエドワード・エルリック(エド、一色洋平/廣野凌大 Wキャスト)は弟のアルフォンス・エルリック (アル、眞嶋秀斗)とともに亡き母を蘇らせようと錬金術最大の禁忌である人体錬成を行うも失敗。エドは左足を、アルは身体すべてを失うがエドが自らの右腕を対価にアルの魂を錬成し鎧に定着させ一命を取り留める。兄弟はアルの身体を取り戻すために旅に出て、様々な人と出会い──という第一弾から、国家を揺るがす「賢者の石」の秘密も、それぞれの人間ドラマもより一層の深まりを見せる第二弾。
人との出会いや別れ、経験を通して、考え、気づいていくエルリック兄弟の成長や、互いに譲れない戦い、新たな仲間の登場など、それぞれの物語が加速度を増して大きく動き出し、やがて交差していく、今回も見どころいっぱいの舞台『ハガレン』をレポートいたします。
(この日のWキャストはエド:廣野凌大、ロイ・マスタング:和田琢磨)
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アルフォンス・エルリック(スーツアクター・桜田航成)、エドワード・エルリック(廣野凌大)
明朗な廣野エドが時折見せる鋭い視線、エドの高い洞察力や思考力にドキリとさせられます。それでいて完全無欠のヒーローではなく、失敗もするしムキにもなる、どこか守ってあげたくなる魅力的なエドです。そして、廣野エドの全力疾走は清々しい!がむしゃらって素敵だなと思うのです。
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アルフォンス・エルリック(左から眞嶋秀斗_スーツアクター・桜田航成)
アルは、前回同様に眞嶋さんとスーツアクターの桜田航成さんが息の合った表現で見せます。鎧の姿とその内にあるアルの魂が見事にリンクし、鎧の後ろ姿に寂しさが滲む。アルの心根の優しさが胸に迫りくる第二弾です。誰かが犠牲になるなら元の姿に戻らなくてもいいというアルの考えにも、アルの笑顔が見たいというエドの思いや懸命な努力も、どちらも痛いほどわかるのです。
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ロイ・マスタング(和田琢磨)
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ヴァトー・ファルマン(寿里)ジャン・ハボック(君沢ユウキ)ハイマンス・ブレダ(滝川広大)リザ・ホークアイ(佃井皆美)ケイン・フュリー(野口 準)
和田さん演じるロイ・マスタングの人間的な魅力、彼の個性豊かな部下たちとの信頼関係、とりわけ君沢ユウキさん演じるジャン・ハボックとのエピソードは今回のハイライトの1つ。
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リン・ヤオ(本田礼生)
本田礼生さんの軽やかな身のこなしが冴えわたるリン・ヤオの登場も物語に奥行きとワクワクをもたらします。飄々としながらも高潔さも感じさせるリン・ヤオ。緻密なキャラクター設定を体現する多面的なお芝居で魅了。
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ウィンリィ・ロックベル(岡部 麟)傷の男(スカー)(星 智也)
岡部 麟さん演じるウィンリィ・ロックベルはしっかりと届く声が印象的。エルリック兄弟をいつも受け入れる、帰る場所としてのウィンリィの存在が光ります。対峙するのは星 智也さんの肉体と声で届けられる傷の男(スカー)、第一弾では謎めいていたスカーの過去も描かれます。それぞれのシーンは決して長いわけではないのですが、キャラクターが背負う過去や境遇をしっかりと俳優が佇まいや声、芝居に宿しているので、一人ひとりの人生ドラマが深く心に刻まれます。
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ヴァン・ホーエンハイム(鍛治直人)、ピナコ・ロックベル(久下恵美)
稽古場でお話を伺った鍛治直人さん演じるヴァン・ホーエンハイムはどっしりとした存在感とちょっととぼけたような台詞回しのギャップが絶妙。今回はイントロダクションとお話されていましたが、しっかりと焼き付けられました。ここからどんな展開を見せるのか、「約束」とは……。この先が気になる!!
また、ピナコ・ロックベル(久下恵美さん)やイズミ・カーティス(小野妃香里さん)といったエルリック兄弟やウィンリィを見守る大人たちの存在も、この物語に欠かせません。
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グラトニー(草野大成)、キング・ブラッドレイ(谷口賢志)、エンヴィー(平松來馬)
一方、谷口賢志さんのキング・ブラッドレイは、写真からも伝わるこの圧。ただならぬオーラを纏い佇むかと思えば、ひとたび剣を抜けば華麗で容赦ない立ち廻りで圧倒。ヨキとして強烈なインパクトを残すのは大石継太さん、かつて軍医だったノックスも演じます。大石さん、そして「賢者の石」の秘密を知るティム・マルコーを前作に引き続き演じる阿部 裕さんのベテランコンビが芝居を固めます!
ファンタジーの世界の物語ではあるのですが、そこに息づく人々の“思い”の強さとリアリティで強い求心力を持つ舞台『ハガレン』。あっという間の3時間にギュギュギュと怒涛の展開、濃密なドラマが詰まっているのですが、そのどれもがぼやけることなく解像度高く記憶に残っています。痛み、悲しみ、憤り、喜び……目の前にいる俳優の全身全霊をかけた芝居をぜひとも体感していただきたいと思える舞台です。さらに同じく空間で繰り広げられるお芝居と一体化した音楽(生バンド演奏)も物語を盛り上げます。
多層的なドラマが「賢者の石」に向かって集約していくようなエネルギーの流れに飲み込まれていくような、手に汗握る観劇体験。原作の偉大さ、盤石な世界観、見事なストーリーテリング、キャラクター設定を石丸さち子さんの手腕で舞台版として見事に再構築されていることを実感。登場人物それぞれにたっぷりと愛が注がれています!
大人たちが作った仕組み、世界の理不尽。それでも懸命にもがき、葛藤し、考え、道を切り拓いていく少年たち。自らの頭で考え、ときに痛みも伴いながらも真実を掴もうとする姿、その根底にある愛──この普遍的なテーマがずしりと響きます。
最後にインタビューでもみなさんが口をそろえておっしゃっていた、「全然違うWキャスト。でも、どちらもエドであり、マスタングである」という、持ち味の違うWキャストのおふたりもご紹介。組み合わせの妙も大いに気になるところです!
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ロイ・マスタング(蒼木 陣)
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エドワード・エルリック(一色洋平)アルフォンス・エルリック(スーツアクター・桜田航成)リン・ヤオ(本田礼生)
舞台『鋼の錬金術師』―それぞれの戦場―は6月16日まで日本青年館ホールにて上演、その後、6月29日、30日には大阪・SkyシアターMBSにて上演されます。力強く突き進むエルリック兄弟の旅路を目と心に焼き付けましょう。
舞台『鋼の錬金術師』大阪公演
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舞台『鋼の錬金術師』―それぞれの戦場― 石丸さち子さん(脚本・演出)、鍛治直人さん、谷口賢志さん鼎談【公演ダイジェスト】舞台『鋼の錬金術師』―それぞれの戦場(いくさば)―
【第二弾上演記念】舞台『鋼の錬金術師』超ロングダイジェスト
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おけぴ取材班:chiaki(文)監修:おけぴ管理人