演劇を通して、20世紀の巨人ピカソのように
変幻自在に生きることを遊びたい!「演劇集団 円」の俳優で、演出家としても知られる立川三貴さん(来春にはミュージカル「1789~バスティーユの恋人たち~」にネッケル役でご出演)と、小劇場の仕掛け人、7つの小劇場を作り続けた岩崎直人さんがタッグを組んだ『阿佐ヶ谷 Picasso』が始動します。
その第一回作品は、
アーサー・ミラー作「壊れたガラス」 1994年初演のミラー晩年の代表作(1995年ローレンス・オリヴィエ賞受賞)
社会と個人の関係を問うてきた作者が、民族浄化を目的とするルワンダの惨状やボスニア紛争に刺激されて書いたといわれる作品です。
時代を超えて、国を超え、演劇を通して表現される「生命の躍動」にご期待ください!
(左から)出演の高橋紀恵さん、井上倫宏さん、岸昌代さん、
関貴昭さん、馬渡亜樹さん、世古陽丸さん
【ストーリー】 1936年11月冬のブルックリン。ドイツ各地で発生したユダヤ人迫害事件が連日報道され、その惨状がアメリカにも伝わっていた。その最中、主婦シルヴィアは 両足が麻痺して立ち上がることができなくなる。社会的関心が強く、ユダヤ人でもあるシルヴィアはナチの暴力に衝撃を受けていた。夫フィリップはユダヤ人ながら、不動産大手の重役まで昇りつめ、一人息子をエリート軍人として成功させたいと願っている。一見豊かで恵まれたこの夫婦に潜む「闇」が妻の病気をきっかけに医師ハイマンによって明かされていく。果たして人間はどこまで理解しあえるのか?真の 愛とは?・・・・
立川三貴さんからのメッセージ
今回、40年来の友人、阿佐ヶ谷アルシェの劇場主である岩崎直人と阿佐ヶ谷から人間の本質を描く上質な演劇を発信したい!と「阿佐ヶ谷picasso」を結成しました。
その第1回公演は、アーサー・ミラーの「壊れたガラス」です。
この作品は、アーサー・ミラーが晩年に到達した境地をあらわした作品です。まるで入れ子細工のように次々に場面が展開していきますが、どの場面も本当に熟成されたシーンとセリフの連続です。アーサー・ミラーは社会と個人の関係を問い続け、人間が人間である事の意味を追求してきました。この作品を通して人間として生きるとはどういうことか?ミラーは今も我々に警鐘を鳴らしています。
一人でも多くの方にご覧頂くことが我々の喜びです。
どうぞ、劇場に脚をお運びください。お待ちしております。
「アーサー・ミラーはこの作品において人間精神の源泉へたどりついた。 演劇的約束事をそぎ落とし、生の存在の可能性を求め、時間を止めた。 見るものすべては魂を支配され、思考を深化させるだろう。」(立川三貴 演出ノートより)

立川三貴さん(前列左から2番目)と出演者のみなさん
この記事は公演主催者からの提供により、おけぴネットが製作しました