東宝ミュージカル「モーツァルト」での共演で出会った谷口浩久さんと横田大明さんにより、2012年に旗揚げした
「E-Quest Company(イークエスト カンパニー)」。チェーホフ作品や、トニー賞ノミネートの「オーファンズ」などの海外戯曲を中心に、人間の内面的なリアリティに焦点を当てた作品づくりを展開しています(
2012年の「ハイライフ」はお稽古場取材させていただきました)。
今回上演される
「7ストーリーズ」は、カナダの気鋭作家、モーリス・パニッチによる型破りなブラックコメディ(カナダで最も権威のある「カナダ総督賞」に輝いた作品です)。
演出(出演も)の谷口浩久さんからメッセージが届きましたのでご紹介させていただきます。
谷口浩久さんからのメッセージ
演劇は、セリフというコトバとコトバのやり取りを見せるもの。
俳優は、そのコトバをお客様に伝わるように発語する仕事。
一見、当たり前のような話ですが、その考え方に長年懐疑的でした。
そこで出会ったのがこの『7ストーリーズ』。
台本にはたくさんのセリフが書かれている戯曲なのですが、そこに登場する人物たちは皆、自分の想いや心の叫びをコトバだけでは伝えられない人たちなのです。
だからこそ必死にコトバを発し、それでも伝わらない自分の思いに、悩み苦しんでいる。
そこに、コトバに毒されコトバを万能な意思伝達のツールだと勘違いしてしまった現代社会の痛みを感じたんですね。
コトバを発すればすぐに届くはずの、アパートの隣人たち。
しかし現実は、隣に誰が住んでいるかも知らない。
そこに、僕らイークエストカンパニーが提唱する、コトバではなく本能的な葛藤・行動を重視する演技法が重なり合った時、何か、現代人が持つジレンマのカユい所に手が届くのではないかな? というのが、今回この作品を選んだきっかけです。
ご覧になった皆様が、何を感じてくださるのか。
一緒に、劇場で繰り広げられるドラマを楽しめたら幸いです!!
谷口浩久さんご紹介
東京都出身。立教大学卒業。ストリートダンサーとして、クラブシーンやアーティストのツアー・PV出演の活動をした後、2003年『サタデーナイト・フィーバー:ザ・ミュージカル』(2003)出演をきっかけに俳優としてのキャリアを本格的にスタート。以降『二都物語』(2013)、『エリザベート』(2012)、『キャバレー』(2012)、『レ・ミゼラブル』(2011)といったミュージカル作品を中心に活躍、2014年からはシェークスピア作『KING LEAR -リア王-』(2014、下北沢・劇小劇場)のリア役をはじめ、ストレート・プレイに活動の拠点を移す。「上流階級~富久丸百貨店外商部~」、松本清張ドラマスペシャル「霧の旗」等のテレビドラマや短編映画等にも意欲的に参加している。アパートの7階の外壁で今にも飛び降りようとしている一人の男。
この男がいる舞台面は、わずか50cmの壁の出っ張り!!
この超~狭いスペースで繰り広げられる演技!
「舞台はなるべく広く、演技は身体全体で」という常識を全く覆す、その演劇スタイルにもご注目下さい♪
テレビドラマや小劇場、ミュージカルなどで活躍する、多彩な顔ぶれの俳優の皆さんがご出演♪