『ミッドナイト・イン・バリ~史上最悪の結婚前夜~』製作発表会レポート


製作発表会に登場したキャスト4人(写真左から:浅田美代子さん、溝端淳平さん、栗山千明さん、中村雅俊さん)


結婚前夜のカップルとその親が繰り広げる、丁々発止の“毒舌”会話劇


 大ヒットドラマを次々に生み出す岡田惠和さん(連続テレビ小説『ちゅらさん』『おひさま』そして現在『ひよっこ』放映中♪)。自身二作目となる書きおろしのオリジナル戯曲がシアタークリエに登場! 4人の登場人物が繰り広げる結婚前夜の“毒舌”コメディ舞台『ミッドナイト・イン・バリ~史上最悪の結婚前夜~』が9月に上演されます。(10月には全国ツアー公演も♪)



 結婚式を翌日に控え、気持ちが揺れ動くカップルを演じる栗山千明さん、溝端淳平さん、それぞれの母と父を演じる浅田美代子さん、中村雅俊さん、そして脚本の岡田惠和さん、演出の深川栄洋さんが意気込みを語った製作発表会の模様をレポートいたします。




バリ風衣装がとってもお似合い♪ …ですが、実はこの衣装、本番の舞台では使用されないとか。本作のタイトルが招く“とある映画”との混同を避けるため、“バリ”を強調した衣装での登場になったそうです。



 『ミッドナイト・イン・バリ』。このタイトルを聞いて、「あ! ウディ・アレンのあれをやるんだ!」と思った映画ファンも多いのでは? でもタイトルをよーく見てみると…2011年公開のウディ・アレン監督映画(アカデミー賞脚本賞受賞♪)のタイトルは『ミッドナイト・イン・“パリ”』。本作は『ミッドナイト・イン・“バリ”』! ということで…

「アカデミー賞に輝くウディ・アレンの傑作映画とは何ら関係ございません」(チラシより)とのこと。

 でも「婚約中のふたりがひたすらにおしゃべりしまくる」というシチュエーションはウディ・アレン映画を彷彿とさせますよね♪ 




「ややこしいタイトルをつけちゃってすみません」
現在放映中の『ひよっこ』の脚本も担当している岡田惠和さん。『スタンド・バイ・ユー~家庭内再婚~』(2015)に続き2作目となるオリジナル戯曲書き下ろしに期待が高まります!

岡田さん)
 夫婦や恋人同士、好きな人と見に来ても、帰り道で二人の間に嫌な空気が生まれない楽しい舞台を目指しています。登場人物は4人だけの濃い会話劇。自由に書かせてもらいました。女とは、男とは、夫婦とは。見ているうちに、そんなことがじんわりとくる舞台になると思います。素敵なキャストに集まっていただき楽しみです。

 


初の舞台演出作となる深川栄洋さんは『60歳のラブレター』『いつまた、君と ~何日君再来~』などを手がける映画監督。本作では舞台ならではの仕掛けも考えているようで…

深川さん)
 岡田さんが書いた脚本は、4人とも膨大なセリフ量。覚えるだけでも大変だと思います。そこに僕が台本にないものを付け足してもっと大変にしてみようかなと。舞台上での演奏や踊り…いまなんの相談もなく言っていますが、そんなものをぶっこんでみようかと(笑)。毎日、事件・事故がおこる舞台にしたい──あ、事故は起こしちゃだめですね。日々なにが起こるかわからない舞台を繰り広げられればと思っています。




5年ぶりの舞台となる栗山千明さん。
いつもは“ハイスペックな役”が多い(岡田さん談)栗山さんですが、本作で演じるのは結婚を前に気持ちが揺れ動くごく普通の“女の子”とのこと。

栗山さん)
 久しぶりの舞台で緊張しています。さらにいま(演出の深田さんの発言で)プレッシャーをかけられて、正直言って不安ですが、素敵な共演者に支えていただきながら、楽しく演じられればと思います。4人全員がそれぞれに欠けたところのある役どころ。その欠点が人間らしく、愛されるキャラクターになっています。岡田さんの脚本のおもしろさをきちんと伝えられるように演じて、お客様に楽しんでいただきたいです。ネタばれになってしまうので詳しくは言えませんが、登場人物が思っていることをぶつけ合って、笑いの部分がたくさんありながらも、最終的に胸にしみる「家族の愛」を残してくれる。それがこの作品の魅力だと思います。




生まれて初めての“ワンショルダー”衣装に「布がほしい…女性の気持ちがわかりました」と笑う溝端淳平さん。
「溝端さんはこの役の役作りに悩まれるんじゃないかと思います。一見するとほんとに魅力のない(笑)、とりあえずその場を何事もなく乗り切ろうという男の子。でもそこにとても深い愛がある。それは舞台を見ればわかっていただけると思います」(岡田さん)

溝端さん)
 欠落している部分があるけれど、とてもチャーミングな4人の濃密な会話劇です。気楽に笑いながら楽しんでいただけるように精一杯がんばります。僕が演じる治という役は、基本的に爆弾処理班(笑)。栗山さん演じる幸子と、そのお母さんで浅田さん演じる敏子が起爆しないように静かに丁寧に扱うんですけど、結局は爆発して巻き込まれる。平和を願って健気に苦労している姿が彼の可愛らしさ、良さかな、と。母と娘が思ったことを言い合う姿もチャーミングです。




18年ぶりの舞台出演! 初舞台は芸術座(現在のシアタークリエ)だったという浅田美代子さん。二人の結婚に反対する幸子の母・敏子役を演じます。

浅田さん)
 台本を読んで「わー、おもしろい」と思って、何も考えずに「やります! やりたいです」とお答えしたんですけど、よく考えたら18年ぶりの舞台。いまさら緊張しています(笑)。台本だけでも楽しくて、演出が入ってどうなるのか。稽古がとても楽しみです。私も母と二人で暮らしていた時期があるのでわかりますが、女同士の親子って、「ここまで言うか!」というくらいの喧嘩をするんですよね。その雰囲気が脚本によく出ていて懐かしいくらい(笑)。親子だから思い切り言い合っても結局仲直りするんですけど、血のつながっていない治くんはひとりでオロオロするんです。溝端くんのファンの方から怒られるかもしれない…(笑)。




チャラくてお調子者(?)の父を演じる中村雅俊さん。
「チャラいけれど芯のある愛を持っている役。雅俊さんに演じてもらえると聞いて、こんなにピッタリの方はいない! と興奮しました」(岡田さん)
 

中村さん)
 長いキャリアの割には舞台をほとんどやっておりませんので、非常に緊張しております。台本を読んで、あまりにもおもしろくて笑えて最終的には感動するストーリーだったので、これはもう(この作品に)便乗するしかないと(笑)。『60歳のラブレター』でご一緒した演出の深川さんも、とても才能ある方ですので、また一緒にやれる喜びがあります。とにかくセリフの量が多いので、老体に鞭打って、俺が人一倍頑張らなくちゃいけないかな、と思っています。 (バリ風の衣装について)今日ここに来るエレベーターの中で、みんなから「王様みたい」と言われました(笑)。もう女性には飽きて、若い男に興味がある王様とかなんとか…舞台上でもそういう疑惑が出てくるかもしれません。お調子者でチャラい感じの父親役ですが、(溝端)淳平が演じる治が母親でなく、父親についてきた事情が作中で明かされる。ほかにもいろいろな事実がまるで爆弾のように出てきます。喜怒哀楽、最後にはしっとりとした感動のある作品です。

 





 「本当にこの人と結婚していいのか─」
 
 揺れ動く気持ちが、丁々発止の毒舌会話劇となり、やがてそこから愛が滲み出すコメディ舞台『ミッドナイト・イン・バリ』。

 音楽を手がけるのは三谷幸喜作品などで知られる荻野清子さん(舞台上での生演奏も♪)。テレビや映画でおなじみの豪華キャスト4人の“いつもとはちょっと違う”演技をシアタークリエでじっくりと楽しめるのも魅力です。


深川さん)
 「全員がパブリックイメージとはちょっと違う役柄。バラエティ番組でおもしろいことを言っている浅田さんがこんなに怖いドキッとさせる言葉を吐く瞬間があるんだ、とか、美人で完璧なスタイルの栗山さんが家の中ではこんな格好でイライラして悪態ついたりするんだ、とか…(笑)。好青年のイメージの溝端さんが、情けないような誰からも相手にされない、扇の要(かなめ)の哀しさを持っている役、中村さんのちょっと天然ボケなところ…など、実は持っているけれど世の中には見せていない顔、得意としているフィールドではない芝居を、ちょっと“お出かけ”して演じていただくことになると思います。お出かけしてどんな港につくのか、楽しみにしています」


 岡田惠和さんが描く愛と毒舌にまみれた結婚前夜会話劇。二転三転する結婚の行方が気になる舞台『ミッドナイト・イン・バリ~史上最悪の結婚前夜~』は9月15日にシアタークリエにて初日を迎えます。
 




【こぼれ話♪】
 中村雅俊さん、浅田美代子さんとはこの日が初対面だったという岡田惠和さんですが、実はおふたりのサインを持っているとか。
「中村さんが出演されていたドラマ『俺たちの旅』の撮影地の近くに住んでいたので、何度も撮影を見に行って中村さんから2回サインもらいました。浅田さんは僕が通っていた中学の隣のテニスクラブでシャンプーのCMを撮影されていて、当時サッカー部だった僕は、フェンス越しにサインを書いていただきました」(岡田さん)




『ミッドナイト・イン・バリ~史上最悪の結婚前夜~』
2017年9月15日(金)-29日(金) シアタークリエ

脚本:岡田惠和
演出:深川栄洋
音楽:荻野清子

<出演>
栗山千明/溝端淳平/浅田美代子/中村雅俊

<演奏>
ピアノ:荻野清子/ギター:阿部寛/パーカッション:藤井珠緒

<あらすじ>
加賀美幸子(栗山千明)と木暮治(溝端淳平)は明日、結婚式を控えたカップル。
バリ島で式をあげるためコテージに宿泊しているが、外は暴風雨。
幸子の気持ちは揺れ動き、フリーターである治への不満が噴出し、治はオロオロ。
幸子の母親の敏子(浅田美代子)は、そもそもこの結婚が気に入らず、やめるよう促す。
そこへ治の父親の久男(中村雅俊)が遅れて到着するが、その能天気ぶりにその場はさらに混乱。
やがてそれぞれの意外な過去が明らかになり、事態は思わぬ方向へ……
果たして無事に結婚式は挙げられるのか――。

<全国公演>
2017年10月3日(火)静岡県 富士市文化会館 ロゼシアター
2017年10月5日(木)愛知県 愛知県芸術劇場
2017年10月7日(土)・8日(日)大阪府 サンケイホールブリーゼ
2017年10月10日(火)福岡県 久留米シティプラザ
2017年10月12日(木)鹿児島 鹿児島市民文化ホール第2
2017年10月14日(土)山口県 ルネッサながと
2017年10月17日(火)岡山県 岡山市民会館
2017年10月19日(木)愛知県 豊川市文化会館
2017年10月22日(日)新潟県 りゅーとぴあ
2017年10月24日(火)岩手県 岩手県民会館
2017年10月29日(日)千葉県 印西市文化ホール
2017年10月31日(火)・11月1日(水)金沢県 北國新聞赤羽ホール

『ミッドナイト・イン・バリ~史上最悪の結婚前夜~』公演公式サイト

おけぴ取材班:hase(取材/撮影)、mamiko(文)  監修:おけぴ管理人

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