時は幕末。混沌とした世の中を駆け抜けた若者たちの生き様を描いた
『THE SHINSENGUMI』。
東山義久さん率いるDIAMOND☆DOGSメンバーや植木豪さん、30-DELUXの清水順二さんら2013年の初演キャストに、香寿たつきさん、海宝直人さん、藤岡正明さんら新キャストを加え、2015年バージョンにパワーアップして再演です。
物語は東山さん演じる新撰組副長・土方歳三を軸に展開していきますが、ほかの隊士はもちろん、坂本龍馬、桂小五郎、高杉晋作ら幕末ヒーロー総出演のショーなのです!
通し稽古を拝見しましたが、幕末モノは本当に登場人物がタレントぞろい。
しかも、それをミュージカル、ダンス、そして殺陣…各界の実力者が魅力をいかんなく発揮し魅せる、聴かせるのですから、お楽しみ満載!
音楽はロック、ポップス、ラップ、歌い上げ、ダンスも日舞、タップ、バレエ、そしてヒップホップなどなど本当に多彩。ミュージカルともまた違う、それはやっぱりCLASSICAL NEO FANTAZY SHOWなのです。
土方歳三役:東山義久さん
眼光鋭くとはまさにこのこと、武士に憧れ、時代の激流を肌で感じ、迷いながらも自らの人生を歩む土方です!群像劇の中で次第にその存在感を増し、気づくと圧倒的なまでに大きな土方がそこに居ます。
つづいて、幕末の薄幸美少年キャラクターといえば…!
沖田総司役:海宝直人さん
近藤&土方大好きっ子な一面を見せたかと思ったら…
「僕、難しいことはわからないけれど…」が口癖の末っ子気質を見せる一方で、剣の腕はめっぽう立つ。その切り替えの鮮やかさに、ゾクッとします。
がしかし、沖田総司ですからね。NEOでもFANTAZYでも、やはり彼を待ち受けているのは…。
こちらは芹沢ちゃんと近藤ちゃん?!
写真左より)近藤勇役:植木豪さん、芹沢鴨役:清水順二さん(ダブルキャスト)
植木さん演じる近藤は、みんなをまとめるリーダーシップなどおっきな器を感じさせる局長です。高い身体能力はもちろん、歌声もとっても魅力的なんですよね!!
清水さんの芹沢鴨はやりたい放題の豪快な異分子。組織の拡大には大きな役割を果たすものの…。
近藤vs芹沢、コミカルなやりとりのなかで繰り広げられる二人のパワーゲームも見どころです!
新撰組に参謀として迎え入れられる伊東甲子太郎と彼を慕う藤堂平助、新撰組随一の人格者・山南敬助、そして斉藤一には初演に続いて…。
写真左より)藤堂平助役:早乙女友貴さん、伊東甲子太郎役:松本慎也さん
松本さんはどこか嫌~な感じを漂わせつつ、揺らぐことのない自信に満ち溢れた伊東を、早乙女さんは伊東を慕う藤堂の義理堅さをしっかりと見せます!
写真右)山南敬助役:咲山類さん
咲山さん演じるどこか孤独を漂わせる山南さんのシーンは、グッときますね。総司の「さみしいです」からのナンバーも切ないです。新撰組にとって、それぞれの人生を問う、ひとつのカギになる出来事をじっくり描く一曲です。
写真左より)斉藤一役:中塚皓平さん、藤堂平助役:早乙女友貴さん
早乙女さん、中塚さんの殺陣も見ごたえあり!
中塚さん演じる斎藤が土方に武士としてのあり方を問うシーンは骨太対決です。
続いては初参加キャストのお二人!
無口な源さんこと…。無口ながら、殺陣は抜群!!
写真中央)井上源三郎役:森大さん
原田左之助役:小林遼介さん
血の気が多く熱い男、原田左之助を力いっぱい演じる小林さんのソロナンバーは心ほっこり、ストレートに心に届く素敵ナンバーです♪
お待たせいたしました!続いては、新撰組と対抗する勢力となる、倒幕派です。
倒幕派は何といっても歌と芝居の振れ幅が凄まじいです。
写真左より)坂本龍馬役:森新吾さん、イギリス外務省通訳アーネスト・サトウ役:小寺利光さん
高杉晋作役:TAKAさん、桂小五郎役:藤岡正明さん
(写真後ろの左より:大山将司さんや松本慎也さん、田中精さんらは本役以外にも複数役演じます!)
歌はもちろん
“ビバ尊王攘夷!”桂役の藤岡さんは、自らが新しい時代になくてはならない人材であると自負し冷静に風を読むキャラクター造作が根底にありながら、オモシロ芝居も炸裂。多彩なナンバーを変幻自在に、時にコミカルに歌い分ける高い歌唱力もいかんなく発揮!
TAKAさん演じる高杉もその芝居をしっかりと受け、さらには歌声でも美しいハーモニーを奏でます。どこか遠くを見て、さみしそうな表情をみせる高杉なんですよ!
坂本龍馬と桂小五郎、シリアスな表情のこちらのシーンが本番ではどう見えるかお楽しみに♪
さらには
写真左)松平容保役:和田泰右さん
京都守護職松平容保を軽やかに演じる和田さん、後ろのお二方についてはあえて触れずに、本番をお楽しみに!
バレエ、日舞…さまざまなダンスと殺陣で八面六臂の活躍を見せるのが長澤風海さん(手前)
こんなシーンもありますよ!
そしてそして、最後になりますが、全てを俯瞰し、操っているかのような、なぞのキャラクター邪蛮のこの方をご紹介いたします!
ときに歌、ときに舞で空気を、はたまた時代をも支配するような大きな存在を紅一点の香寿たつきさんが演じる。その妖艶さがファンタジーな世界観を醸し出します。
写真右)邪蛮役:香寿たつきさん
日舞の振付は峰さを理さんです!
歌、ダンス、殺陣…楽しませるところ、魅せるところ、訴えるところ、それぞれをとことん追求している荻田浩一さんと森新吾さんによる演出もテンポがいい!!それでいて、ショーを楽しんでいると、ときどきくさびのように現代を生きる私たちの心に突き刺さるメッセージも飛んできます。
このように稽古場段階でもワクワクゾクゾクの『THE SHINSENGUMI 2015』ですが、でも、やっぱりその真髄はライブで体感してこそ!
衣裳、照明などが加わっての本番はか・な・りCLASSICAL で、NEOで、 FANTAZY間違いなしっ。
大きな時代の流れに抗った者、受け入れた者、加速させた者、幕末を駆け抜けた若者たちの疾走感あふれる生き様を感じましょう。
『THE SHINSENGUMI』初演のおけぴ稽古場レポートはこちらから
おけぴ取材班:chiaki(文・撮影) 監修:おけぴ管理人