2013/12/5 Tip Tap Original musical『Second of Life』稽古場レポート


若き才能が集まり、オリジナルミュージカルの創作を目指すカンパニー「Tip Tap」。
主宰・上田一豪さんのNY留学を経て生み出された
2年ぶりの新作『Second of Life』のお稽古場にお邪魔してまいりました!

ワークショップ、本公演、そしてNY公演と成長を続けた前作『Count Down My Life』が、
NYフリンジフェスティバルにて「Ensemble賞」を受賞、
さらに主宰の上田一豪さんは昨年9月から1年間、文化庁在外研修としてニューヨークに留学。

演劇人なら誰もが憧れるニューヨークの空気を
思いきり吸い込んだTip Tapの新作は、
4人のキャスト×3チームがみせる、繊細で濃密な関係性ともう一つの人生の物語です。


物語の主人公は 作曲家 志望の青年。
躁うつ病を患っている 彼女 と新生活を始めた彼を待っていたのは、
激しい発作を繰り返す 彼女 との苦しい生活だった。
そんな中、以前別れた 歌手 志望の元カノの姿と声が、
作曲家彼女 の頭から離れなくなり、やがて・・・。

というストーリーだけを読むと、
重く暗い展開が待っているような気がしてしまうのですが、
そこはやはりミュージカル=エンターテイメント。
以前におけぴでもインタビューさせていただいた小澤時史さんによる音楽が、
時にのびのびと軽やかに、時に痛切に物悲しく、
そして一度聴いたら耳から離れない中毒性を持って、物語をぐいぐいと引っ張ります。

今回の取材では物語序盤の5曲ほどを通したシーンを拝見したのですが、
登場人物たちが心情を語るセリフ=歌詞と音楽が
ぴったりと一緒に高まっていく感じが気持ちがいい!
「そうだ!これって翻訳ミュージカルじゃなくて日本オリジナルなんだ!」と、
その自然な聴こえ方に改めて新鮮な感動を覚えました。

それではここで、その素敵な作品世界を体現するキャストの皆さまをご紹介♪

こちらCチームの 作曲家 役は阿部よしつぐさん。
非常に繊細に役を作りこまれている印象。
2人の女性の間でふらふらっと揺れている姿に不思議な説得力を与えるその演技と歌声、
この先の3人の関係が気になります!!

ハイとローの切り替えがあまりにも極端な 彼女 役を演じるのは、
劇団四季ご出身の上田亜希子さん。
チック発作を起こしながらとってもキュートに「わたし躁うつ病なの」と歌うナンバーに
ハートを撃ちぬかれました。
ニュートラルな時の儚げな存在感もいい!

彼らの関係を見つめる マスター 役には、
おけぴ主宰おコンサートシリーズでもお馴染みの港幸樹さん♪
ストイックな役作りとエモーショナルな歌声に期待です!!

そして作曲家の元カノである 歌手 役には、
来春の大作『レディ・ベス』も楽しみな吉沢梨絵さん。
歌手彼女 を見つめる冷たい眼差しにゾクゾクッ!
吉沢さんと上田さんの迫力ある掛け合い、これは必見です。

この日初めて4人全員が揃ったCチーム。
稽古に途中参加だったという吉沢さんですが、
トリプルキャストの他メンバーや、音楽の小澤時史さん(写真右)らを巻き込んで、
あっという間に 歌手 役の動きと歌を頭に入れていきます。


そしてこちらは伊藤俊彦さんが マスター 役を務めるAチーム。
(彼女役の稲田みづ紀さんがお休みだったため上田亜希子さんが入っています)

演じる人が変わると、歌詞の意味合いもまた少し違って聞こえてくる瞬間も。
こちらはAチームで 作曲家 役を演じる染谷洸太さんと、歌手 役を演じる岡村さやかさん。
実際の舞台ではこの2人の間に 彼女 役の稲田みづ紀さんが入り、
Cチームとはまたひと味ふた味違う3人の関係性をみせてくれそうです。



ということでこれは実際の舞台では観られないレアショット


こちらの組合せはCチームで観ることができますよ♪


様々な大作ミュージカル、舞台作品に出演されている実力派が集まったカンパニーですが、
それを生み出す稽古場はとてもフレッシュ&和気あいあいとした雰囲気です。
とにかくよく動く演出家・上田一豪さん(写真右から2番目)をはじめ、
スタッフ・キャストが持てる力を出し、集中して
トリプルチームでのオリジナルミュージカル初演に挑んでいる、
そんな印象を受けました。

最後に、この日はお稽古を拝見できなかったBチームの皆さまをご紹介♪
歌っている雰囲気でお願いします!という無茶なリクエストに答えてくださったのは、
マスター 役を演じるtekkanさん、彼女 役の須藤香菜さん、そして 歌手 役の青山郁代さん。
(青山さんと稲田さんでWコゼットですね♪)
Bチームはこのお三方に 作曲家 役の海宝直人さんが加わります。
こちらの組合せもまた違った色合い、もちろん歌唱力は保証つきの面々、
舞台の上でどんな関係性をみせてくれるのか楽しみです!


チームBもよろしく!

同時代を生きる日本の若きクリエイターたちが、
自らの力で作り上げる新作オリジナルミュージカル『Second of Life』。
3チームそれぞれの魅力、熱量をダイレクトに味わえる小劇場での上演です。

日本語オリジナルで作られたナンバーの、歌詞と音の響きあい、
そして繊細な心情、関係性を体現するフレッシュなキャスト、演出…、
日本の新しいミュージカルの種が蒔かれ、育っていくその瞬間を見守る幸せ。
ぜひ劇場で味わっていらしてください!


キャストの気持ちも前のめり!!

<公演情報>
Tip Tap original musical「Second of Life」
2013年12月20日-23日 上野ストアハウス

<スタッフ>
作・演出:上田一豪
音楽:小澤時史

<出演>
A 染谷洸太/稲田みづ紀/岡村さやか/伊藤俊彦
B 海宝直人/須藤香菜/青山郁代/tekkan
C 阿部よしつぐ/上田亜希子/吉沢梨絵/港幸樹

<物語>
物語は血に染まった床を眺めながら歌うマスターの姿から始まる。この部屋で誰かが死んでしまった。
いったいそれは誰なのか?
心の病気を患った彼女のために2人で新しい生活を始める作曲家志望の男。愛しあう幸せな2人の生活を突然壊したのは彼女の発作であった。ひどい躁うつ病で引きこもりがちな彼女だが発作が起きると人格が変わったように暴言を吐き、暴力をふるう。
そんな彼女との辛い生活が続く作曲家は別れてしまった歌手志望の元彼女を思い出す。理想的な彼女は作曲家の書いた曲を歌い共にバンド活動をして作曲家のために全てを捧げていた。バンドのためにデモテープを売り込もうと必死になる歌手は自分を犠牲にしてしまう。結果的に別れてしまった歌手の歌声が忘れられない作曲家。日々の生活の中、元彼女である歌手の影を恐れ怯える彼女。理想的な彼女である歌手の姿を頭からこびりついて離れない。彼女のために全てを犠牲にして夢を諦め仕事に打ち込む作曲家、本当に自分が望んでいたものを見失い2つ目の人生を歩む決心が揺らいでいく。

公式HPはこちら


 
おけぴ取材班:mamiko(文/撮影)  監修:おけぴ管理人

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