繰り返し再演されていく名作誕生の予感!
4月6日から始まる明治座公演「きりきり舞い」の公開稽古と
笑いいっぱいの囲み取材の様子をお伝えいたします!
役柄以上(?)にアクが強いキャスト陣が十返舎一九の娘“舞”に総当たり!
きりきり舞いしている年頃の“舞”が、
おもしろくておかしくてかわいくて目が離せない!
”春にふさわしい爛漫とした時代劇(※囲み取材での篠井さんのお言葉です)”
になること間違いなし!!お稽古場を拝見して、そう確信いたしました!
この日は「一度通したことがあるくらい」(囲みの加藤さん談)で
正に稽古途中のシーンを四場拝見。
「本当に2回目?」と思うほどの完成度!
実力派の役者さん達そろいぶみで見応え十分、お話のテンポもいい感じ!
華のある主役“舞”は時代ものの人情喜劇が初めてという田中麗奈さん。
よく動き、美人で、口が悪い(笑)!
田中麗奈さん、
”お父さんの奇人ぶりをひどく嫌がっているのに性格がそっくり” な舞を大好演!
亡くなった本当のお母さんは美人だったんだろうなーと思わせる整ったお顔も
芯が通った感じも、ほんとうに役によくお似合いです!
華奢!髪型もキュート!(※本番ではカツラです)
その舞のお父さんがこの方、奇人・十返舎一九役!
演じるのは人情劇が初めてという加藤雅也さん!
加藤雅也さん、『和服×奇人役×腕組み』が似合いすぎ!
大人気作家、十返舎一九も、自分の娘のことになると、
愛情ゆえの頑固と無器用がからまわり、舞と大げんか!
でも、けんかの途中で、もう、くだらないやらかわいいやら!
爆笑しながら拝見したおけぴ取材班であります!
その十返舎一九が「娘の婚約者」と勝手に決めてしまった
おしかけ弟子の今井尚武を演じるのは吉沢悠さん。
「舞にうざがられる役」が既に絶妙!!(稽古場に失笑が(笑))
十返舎一九とのやりとりがたまらなくくだらなくて、
「くだらないことを本気で」やっている様子がとことんおかしくて、
いつまでも尾を引くインパクトなのです!
十返舎一九の旧なじみ葛飾北斎役には板尾創路さん。
囲み取材では「田中麗奈さんが、放浪記の森光子さんのように何千回とできるような、
そんな舞台になったらいいなと思っていますので、
できたらでんぐり返しを無理矢理にでも入れていただけたら…。」(一同笑)
と言ってみたり。個性の中にあたたかさのある板尾さんでした。
その葛飾北斎の娘で、舞の幼なじみ・お栄を演じるのは山崎静代さん。
田中麗奈さんと並んだときの体格差や声のトーンの凸凹感、これは癖になりそう!
静ちゃんの課題は台詞の多さにあるそうですが、囲み取材では
「漫才でもこんなにしゃべらない…ぐらいしゃべる(台詞が多い)ので、
がんばろうと思います。」と笑いをとりながら静かに(!)意気込んでおられました。
趣味と実益をかねて踊りの稽古にはげむ舞のお師匠さま役・篠井英介さん。
男性ではありますが、女形として師匠役を演じます。
所作のきれいさや台詞回しの美しさは言うまでもありませんが、
篠井さんの存在感、ユーモア、かわいらしさも堪能できて、なんて贅沢なキャスティング♪
十返舎一九の後妻・えつ役には熊谷真実さん。
一九の奇人ぶりにとうに匙を投げてしまっているあっけらかんとした明るさと
舞をかわいがっているあたたかさが心地よい熊谷さんの演技でした。
さらに、劇団そとばこまち出身の八十田勇一さん、
お笑いコンビ カラテカの矢部太郎さん、
10代目うたのおにいさん・今井ゆうぞうさんなど、
喜劇を盛り上げる芸達者な顔ぶれです!
原作は諸田玲子さんの同名小説。
脚本は「ええから加減」も手がけたONEOR8の田村孝裕さん。
演出は繊細な人物描写に定評ある上村聡史さん。スタッフ陣も強力です!
(演出の上村さん。「アルトナの幽閉者」からの華麗なる方向転換!!)
友情、結婚、親子愛、仕事などなど、テーマはてんこ盛り!
奇人総当たりのおもしろさはもちろん、それにとどまらない人情喜劇「きりきり舞い」。
江戸の街を舞台にしたとびきり愉快な人々の元気はつらつな姿を描く
「きりきり舞い」初演、ぜひお見逃しなく!!
<あらすじ>
主人公の舞は『東海道中膝栗毛』の作者・十返舎一九の娘。
両親と江戸日本橋通油町の借家で暮らしながら、
趣味と実益をかねて踊りの稽古にはげんでいる。
18歳の小町娘の夢は玉の輿。
それなのにあァ、一九に縁談をぶちこわされてばかりだ。
一九は稀代の奇人で大酒飲み、飲めばきまって大騒ぎ。
借金だらけで家計も火の車。
母のえつはとうに匙を投げてしまい、きりきり舞いをするのはいつも舞。
そんな舞の家へ、次々に奇人がころがりこんできた!
一九の押しかけ弟子になったのは謎の浪人、今井尚武。
尚武は一九の出生のヒミツとかかわりがあるらしい。
もう一人は幼なじみで葛飾北斎の娘のお栄。
これがまたトンデモナイ奇人で・・・。
そんな最中、舞は武家の若者に見初められた。
さァ、玉の輿の夢は叶うのか?(おまけ)
囲み取材で、山崎静代さんの印象をきかれた田中麗奈さん。
「しずちゃんはかわいらしいんですよね~!
おしゃべりしていてすごく嬉しくて、
しずちゃんがいるからがんばろうと思えるんです」と言ったとたん、
「セントバーナードみたいだね」と板尾さんのツッコミが!
カンパニーのいい雰囲気が伝わる「きりきり舞い」稽古場でした♪
おけぴ取材班:nats、おけぴ管理人