2014/04/23 DANCE ACT『ニジンスキー』ゲネプロレポート

※舞台写真を掲載しております。
まっさらな気持ちでのご観劇を予定されているみなさまはご注意くださいね!



ロシアの天才バレエダンサー・ニジンスキーの人生を描いた美しき絵巻、再び!
2012年、衝撃の初演からさらに深化したDANCE ACT『ニジンスキー』、演出家荻田浩一さんの手腕冴えわたる舞台のゲネプロをレポートいたします。


ヴァーツラフ・ニジンスキー:東山義久さん(左)と妹ブロニスラバ・ニジンスカ:安寿ミラさん(右)


美貌と才能が、一人の男にもたらした栄光と破滅を彼にかかわった人々が語り紡いでいくことで浮かび上がる、ニジンスキーの人生。

「私には兄が二人おりました。ひとりは・・・」

物語の口火を切るのは妹・ブロニスラバ・ニジンスカ役の安寿ミラさん



家族として、バレエダンサー・振付家として常に兄ニジンスキー(愛称ヴァッツァ)の傍らにいたブロニスラバを凛とした佇まいと語り口で創り上げています。


経済的に精神的に、さまざまな面でニジンスキーを支えたロシアの天才芸術プロデューサー・ディアギレフ。

セルゲイ・ディアギレフ:岡幸二郎さん

登場から気品と傲慢さが共存するオーラ炸裂なうえ、襟元にはロシアンセーブルが!!
これはたまりません。
演じる岡幸二郎さんの圧倒的な権力者ぶりはその佇まいだけでなく、歌声でもご堪能ください。


牧神の午後の場面では、これでもかというほど・・・


そんなディアギレフとニジンスキーの蜜月を終わらせたとも言えるのが、遠野あすかさん演じるロモラ・ド・ブルスカ。


ロモラ・ド・ブルスカ:遠野あすかさん



ロモラも大きな苦しみを抱いて生きていくのですが、そのヒリヒリするような痛みが印象的な遠野さんのロモラです。
ちなみにロモラ、かなりの肉食系です。ただものすごく肝が据わっています!!


そして、お待たせいたしました!!
ヴァーツラフ・ニジンスキー、東山義久さん!!

動の中の静にドキリ

周囲の人が語る記憶の中の“ニジンスキー”に命を吹き込むのが東山さんの躍動する肉体。




その動きの素晴らしさは言わずもがな、ひとつひとつの動きに込められた感情表現という次元でのリアリティが観ている者の心を揺さぶります!


自らの意思を超えた “力” に突き動かされるように踊り続ける東山ニジンスキー。


ニジンスキーを取り巻く人々は他に・・・

ヴァッツァの精神に大きく影響を与える兄スタニスラフ・ニジンスキー:和田泰右さん


ヴァッツァ-ロモラとの微妙な関係 フレンケル医師:佐野大樹さん


さらに、この作品を彩るダンサーのみなさんも、舞城のどかさん穴井豪さん長澤風海さん加賀谷真聡さんと才能豊かな面々が揃いました。




このように写真を織りまぜながらご紹介してまいりましたが、なんといってもDANCE ACTですからね!
音楽、物語そしてダンスが一体となった作品の生の魅力は格別!
2014年の『ニジンスキー』をお見逃しなく!!

最後に寄せられた感想をご紹介いたします。


ニジンスキーを演じる東山さんのダンサーとしての人生観も垣間見たような気がします。
初演も観ましたが、今回はヴァッツァの舞神としての神々しさに加え、一人の人間としての痛みを感じました。もちろん、東山さんのダンス筋を観るだけでも、十分価値がありますが。

東山さんの、何かに動かされているような身体の動きから目が離せない!
ていうか、こちらが射抜かれて動けない? ニジンスキーの時代を超えた尋常でない才気を、ここまで表現できるとはすごい! 

岡さんの存在感に改めて感服しました。歌唱力はもちろんですが、立ち姿や台詞回しなど、高貴な中にも男の色気が漂っていて、ついつい見とれてしまいました。

安寿ミラさんが素晴らしかったです。ストーリーテラーとしても、落ち着いた感じが良かったですし、何より指先まで意識された身のこなしが美しかったです。

特別な才能を持ち、非凡であるということは、浴びる光が強い程、その影もまた深いということを物語っていました。心を揺さぶられ、考えさせられるダンスACTでした。

違う時代、違う場所に産まれていたら、また違った人生があっただろうに。
そんな風に感じながら観ていました。圧巻はラストダンス。
光と闇、栄光と挫折、安定と狂気。久しぶりに、「ガツン」とくる舞台でした。

初演と演出が変わり、ニジンスキーと周囲の人間との関わり合いがより深く描かれていました。私は今回の演出の方が好きです。

兎に角、東山さんのバレエから目が離せなかった。正に適役。
有名な「牧神の午後」や「ペトリューシカ」他、従来のバレエの常識を破った手足首の使い方と言われたニジンスキーの踊りを、指先まで美しく、強靭にしなやかに表現している。
特に最後の「戦争」の迫力は凄かった。
徐々に闇に飲み込まれる彼の様を、兄や妹、妻の視点を通して浮き彫りにする演出も面白いし、史実に近い、牧神や薔薇の精の衣装も美しい。岡さんの存在感も素晴らしかった。



【公演情報】
DANCE ACT『ニジンスキー』
2014年4月23日(水)~30日(水)@天王洲・銀河劇場

<スタッフ>
脚本・演出:荻田 浩一
音楽:斉藤恒芳
振付:平山素子/港ゆりか
美術:古口幹夫
照明:柏倉淳一
音響:柳浦康史
衣裳:朝月真次郎
ヘアメイク&ヘッドドレス製作:寺岡ふう子

<キャスト>
東山義久/安寿ミラ/岡幸二郎/遠野あすか/佐野大樹
舞城のどか/穴井豪/長澤風海/加賀谷真聡/和田泰右

<ものがたり>
1910年頃のパリ。街は新進バレエダンサー・ニジンスキーの登場に沸いていた。しかし成功の陰で、彼の心は満たされないでいた。かつては心のままに踊りに向き合っていた思いが、どこかに置き忘れられていくような気がしていたのだ。ニジンスキーの苦悩を察知しながらも、ディアギレフは売り込みに余念がなかった。それはディアギレフなりの歪んだ愛情であり、欲望の形でもあった。彼に抗いつつも、受け入れざるを得ないニジンスキーは神経をすり減らし、徐々に周囲との軋轢を生んでいく。そんな彼を支えたのが、踊り子ロモラだった。ニジンスキーはロモラとの愛を育んでいくが……。

<上演時間>
2時間30分(休憩15分含む)予定

公演HPはこちらから


作品をイメージしたオリジナルドリンクもおススメです

眼福&耳福のステージ・・・さらに定番の2種と日替わりメニューで喉も潤う観劇感激はいかがでしょう。
ドリンクの紹介や日替わりドリンクの情報はバーコーナーのモンチーくんのブログでチェック!


おけぴ取材班:chiaki(文・撮影) 監修:おけぴ管理人

おすすめ PICK UP

ミュージカル『CROSS ROAD~悪魔のヴァイオリニスト パガニーニ~』GPレポート

「M's MUSICAL MUSEUM Vol.6」藤岡正明さんインタビュー

こまつ座『夢の泪』秋山菜津子さんインタビュー

新国立劇場バレエ団『ラ・バヤデール』ニキヤ役:廣川みくりさん、ガムザッティ役:直塚美穂さん対談

【井上ひさし生誕90年 第1弾】こまつ座 第149回公演『夢の泪』観劇レポート~2024年に響く!~

【公演NEWS】『デカローグ 1~4』開幕!各話の舞台写真&ノゾエ征爾・高橋惠子、千葉哲也・小島聖、前田亜季・益岡徹、近藤芳正・夏子からのコメントが届きました。

“明太コーチ”が“メンタルコーチ”に!?『新生!熱血ブラバン少女。』囲み取材&公開ゲネプロレポート

JBB 中川晃教さんインタビュー~『JBB Concert Tour 2024』、ライブCD、JBB 1st デジタルSGを語る~

新国立劇場バレエ団『ラ・バヤデール』速水渉悟さんインタビュー

【おけぴ観劇会】『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』おけぴ観劇会開催決定!

【おけぴ観劇会】ミュージカル『ナビレラ』おけぴ観劇会6/1(土)昼シアタークリエにて開催決定

【おけぴ観劇会】ミュージカル「この世界の片隅に」おけぴ観劇会 5/19(日)昼開催決定@日生劇場

おけぴスタッフTwitter

おけぴネット チケット掲示板

おけぴネット 託しますサービス

ページトップへ