チェコで生まれたミュージカルを韓国クリエイターチームがドラマティックにリメイク!ドラキュラ伝説をもとにした愛憎渦巻く
ゴシック・ラブロマンス・ミュージカル『VAMPIRE ~愛と憎しみの果て~』日本公演が開幕です!
ドラキュラ役 イ・ホンギさん
(韓国リハーサル時の写真です)
チェコ発韓国経由というと思いだされるのが
『Jack the Ripper』『三銃士』。
両作品を手掛けたワン・ヨンボム氏によって装い新たに生まれたのが、この『VAMPIRE』。
実は韓国でもまだ上演されておらず、
この日本公演がお披露目公演“ワールドプレミア公演”なのです!!
その魅力は、
荘厳なセット、アンサンブルワーク冴えわたる
ダンスとアクロバット、そしてこれでもかの歌唱で物語をけん引する主要キャストの
心揺さぶる歌ヂカラ!
それらが14世紀から数百年の時を巡る
意表を突く大胆な劇作が相まって見どころ聞きどころ楽しみどころ満載です。
あらすじ
14世紀、十字軍の英雄だったドラキュラは教会の腐敗に怒り、大司教と人々を虐殺する。
恋人アドリアナは衝撃を受け、自ら命を絶ってしまう。ドラキュラも後を追おうとするが、死ぬことができない。大司教の呪いが彼を吸血鬼<VAMPIRE>に変えていた。
17世紀、ドラキュラ伝説を研究する考古学者ロレインは恋人スティーブンの反対を押し切り、伝説の地トランシルバニアを訪れた。招かれたパーティーでは吸血鬼とハンターが大激闘。ロレインは望んで吸血鬼と化し、スティーブンは復讐を誓う。
時は流れ、吸血鬼たちはひそかに人間社会に溶け込んでいた。
ドラキュラ城はカジノとなり、カジノのオーナーになったドラキュラがオペラハウスの前で偶然見かけたポスターには、アドリアナと瓜二つの歌手サンドラがいた...
まさに愛憎渦巻く怒涛の展開ですが、その中心には
圧倒的存在感で登場するドラキュラ!
この日は
FTISLANDのイ・ホンギさん(現在放映中の『百年の花嫁』も大評判!)でしたが、ハスキーな声の色気が役柄にピッタリです。
愛する人を失い、後を追うこともできない苦悩を
情感豊かに歌い上げるナンバーは迫力満点。その切なさに心をえぐられます。
また、時を経てもなお
想い人アドリアナを思い歌うナンバーも耳に、心に残る一曲です。
さらなる見どころとしては、3つの時代を駆け巡る物語の中で、
伯爵の甲冑姿、長髪を束ねた貴族の青年姿、裾長のコートを着こなす大富豪とかっこいい姿を見せてくれ、加えて片方の口の端を釣り上げたサディスティックな表情や愛する女性を失って慟哭する表情など、
眼福シーンの数々もお見逃しなく!
トリプルキャストが組まれているドラキュラには他に
SUPER JUNIORのソンミンさん、
INFINITEのソンギュさん!お二人はどんなドラキュラ像を見せてくれるのか、楽しみです!
そしてダブルヒロインには、昨年六本木のアミューズ・ミュージカル・シアターこけら落とし公演『カフェイン』でキュートな魅力をふりまいた
ユン・ゴンジュさんがドラキュラ研究に没頭するロレイン役、劇団四季で活躍された
チェ・ヒョンジュさん(西珠美さん)はドラキュラの想い人アドリアナと彼女に瓜二つのサンドラの2役でご出演です。
もう、この女優2枚看板がすごいんです!!
ディーバの競演は必見必聴です!
ゴンジュさんは女性のかわいらしさ、強さ、業の深さまで
幅広い表現、歌声に圧倒されます。ヒョンジュさんは劇中劇シーンでは
オペラ調のナンバーもご披露!参りました状態です。
さらに物語のカギを握るロレインの恋人スティーブンに『JTR』アンダーソン、『三銃士』アトスなどでおなじみの
イ・ゴンミョンさん!
一幕ラストの絶唱からの展開、今まで見たことのないゴンミョンさんかも!
そして一声聞いた瞬間、名前をチェックしなくてはと思わせる美声
ソ・スンウォンさんはドラキュラの忠実な僕(しもべ)ピエール!ちょっと切ない役なのですが、インパクト大です。
正直、展開がやや強引かと思われる箇所もありますが、圧巻の歌声、華やかなショーシーン、そしてキレキレのアクションなど、それを吹き飛ばすエネルギーがこの作品にはあるのです!
韓国ミュージカルが得意とする
エンターテインメント作品がまたひとつ誕生です。
この夏、スピード感とドラマ性、そして高い歌唱力でぐいぐいその世界に引き込む韓国エンタメミュージカルの新星を見られるのは東京だけ。
愛憎渦巻くドラキュラの世界にその身を投じてみませんか!
危険だけど・・・拒めない・・・ゾクゾクする3人のドラキュラ様があなたを待っていますよ♪★感想コーナー★それぞれの俳優が思いっきり歌い上げる楽曲を見事に歌いこなしてくれるので聞き応えがありました。正直、ストーリーには突っ込みどころも多いけれど、舞台自体に、それを凌駕するエンタメ力を感じました。
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華麗な舞台セット、韓国ミュージカルらしい派手な群舞シーン、そして何と言っても歌唱力抜群の主役陣。特にユン・ゴンジュさんチェ・ヒョンジュさんの2人のディーバの競演は必見。ハスキーなホンギ君の声がセクシーでした。
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ドラキュラを軸に描かれる人々の愛や憎しみがとても切ない作品。(ドラキュラはあくまでも固有名詞)ドラキュラが何故ヴァンパイアになったのか…。そこから始まる悲劇がスピーディに描かれていて作品に引き込まれて行きます!
おけぴ取材班:chiaki(文)写真提供:M Musical Art/Quaras