2013/05/15 ミュージカル『二都物語』製作発表レポ



チャールズ・ディケンズの名作『二都物語』。
一人の女性を愛した二人の男、酒浸りの弁護士シドニー・カートンとフランスの亡命貴族チャールズ・ダーニー。
フランス革命期の動乱に翻弄されながら、ロンドンとパリ、二つの都市を舞台に繰り広げられる友情と愛の物語!
この夏注目のミュージカル『二都物語』の製作発表が行われました。



豪華キャストと演出家の鵜山仁さんがご登壇されての華やかな会見。
まず、衣装を身にまとったみなさんが登場した時の華やかさにクラクラ、よろめきました!!


麗しきセンターお二人は、StarS活動でも“王子のきらめき”拡散中、井上芳雄さんと浦井健治さん!
物語の時代を感じさせながら、現代的なカッコよさも併せ持つ前田文子さんの衣裳、この着こなし、あっぱれです!
モデルさんでもある すみれさんは純白のドレスの眩しさに負けないハツラツ笑顔です。
橋本さとしさんと濱田めぐみさんはご夫婦役。ナチュラルトーンでまとめられた素敵な衣裳です。

そして、この魅惑のキャストとともに物語を紡いでいくのは、演出家の鵜山仁さん!
つい先日、こまつ座さんのお芝居の稽古場でお目にかかっていたので、その作品の幅にびっくりでしたが、作品、カンパニーは変わろうが、鵜山節は健在!
ここからは製作発表レポfeat.鵜山さんでお届けいたします。

ちなみに、鵜山さんの東宝デビューは・・・これはちょっと意外?!
ミュージカル「シカゴ」@帝国劇場!!

<ご挨拶>
まずは鵜山さんの意気込みから、


「とりあえず、『レミゼ』には負けられないっていう(笑)。
手近にこうやって競争相手がいるのは良いことですよね。」

―『二都物語』について

「これは一人の人間の一生を超えて、信義とか愛のために、愛したり憎しんだりという、そういう小文字の人間のスパンを超えた、大文字の人間の話だと思っています。
人ひとりの一生の中でこれが良いことだとか、これが生きがいだと思っても、たかだか80年。
800年、8000年経つと180度発想の転換を迫られるということがあって、これは我々が今、直面している問題、世界のありさまなんじゃないかと思います。
だから、80年スパンじゃなくて、800年、8000年の“生きがい”というか、“死にがい”というのを考えるという意味で、大変興味あるお話です。」

<キャストのご紹介>
鵜山さんからみた印象とそれに対するコメントを交えて!

鵜山)
まず、キャストのみなさんの印象は、みんな若い!でかい!って感じ(笑)

【シドニー・カートン役:井上芳雄さん】

鵜山)
井上さんとは、初めてですね。
これまでも楽屋などで、よくすれ違ってはいますが、いつも、
はにかんで笑い合う感じでね。


井上)
僕にとって、鵜山さんといえば、こまつ座で井上ひさし先生の作品を演出されている方というイメージです。
初めて見た(こまつ座作品)「兄おとうと」も鵜山さんの演出でした。
そして、井上先生もディケンズがお好きで、こうして鵜山さんとディケンズ作品でご一緒できることを、うれしく思っています。井上先生も、上から見ていてくれるかな。

【チャールズ・ダーニー役:浦井健治さん】

鵜山)
浦井君には、この座組では僕の通訳をしてもらおうかと。
ミュージカルは慣れないものですから、精神的にもつなげてくれるかと(笑)。


浦井)
『ヘンリー6世』、『リチャード3世』とご一緒し、絶対的な信頼を寄せている方です。
鵜山さんの独特の世界観や、ものすごく早い頭の回転に、僕自身ついていくのが必死なのですが。。。ちゃんと通訳ができるように、日本語を学びたいと思います(笑)。

この話題には、すかさずこの方から


井上)
鵜山さんとお仕事された先輩から、「最初は、鵜山さんが何を仰っているかわからないと思うよ。」と言われ、大丈夫かと思っていたところに、通訳は浦井君と聞き。
一抹の不安が。最終的には僕が通訳になれるように頑張ります(笑)

浦井)
僕、頑張ります、通訳を!!

【ルーシー・マネット役:すみれさん】

鵜山)
すみれさんは、どちらかというと英語が母語?
(この脚本は)もともとは英語で書かれていますからね。芝居を作っていく中で、すみれさんとのキャッチボールを楽しみにしています。


すみれ)
脚本は英語(で書かれているもの)を先に読みました。
その後で、日本語で読みましたが、すーっと入ってきたところもあれば、英語(での表現)とは全く変わっていたところもあります。そのあたりなど、じっくりお話ししたいですね。


すみれさんは歌唱披露も♪

【ドファルジュ役:橋本さとしさん】

鵜山)
橋本さんとは本当に初対面。でも、先程の挨拶を聞いて、かなりリラックスしました。
「東京會舘、何するものぞ!」、「帝劇、何するものぞ!」ああ、これが橋本さんの魅力の一つだと!!※こちらの件については後程!


橋本)
僕の俳優としてのバイブルは、尊敬する山崎努さんの書かれた「俳優ノート」。
その中では、鵜山さん演出の『リア王』についても書かれています。役者と演出家としての信頼関係がすごく伝わって、
いつかこの方と一緒に!と願っていました。
緊張というか、まだ心が開き切れていないのですが、稽古中は、できるだけ通訳を介さずに対話できるようになりたいです。

鵜山)
最近は、割と言っていることがわかりやすくなったと言われるんだけどな。でも、わかっていることをやるんだったら、稽古する必要ないですよね。
自分がAだと思っていたことを、みんなはBだといい、答えはC。稽古で、そういう世界を作っていきたいですね。

【マダム・ドファルジュ役:濱田めぐみさん】

鵜山)
濱田さんはご一緒するのは初めてですが、舞台芸術学院の遥か後輩。どこからエネルギーを爆発させるか、とても楽しみにしています。


濱田)
はち切れんばかりのエネルギー、パンパンに膨らんだところをパンッと針で弾けさせるような演出をお願いいたします!


<お客様からの質疑応答>

―みなさんにとって二都とは?それぞれの解釈でお答えください。ここで、大喜利的な質問が飛び出しました!

みなさんの答えは、
ミュージカル発信地として、ニューヨークとロンドン(井上さん)、ニューヨークと東京(濱田さん)

生まれた土地、現在の生活拠点として、大阪と東京(橋本さん)
自らのルーツとして、ホノルルと京都(すみれさん)


という中で・・・浦井巨匠から驚きの二都が!いや、もはや二都でない?!

浦井)やっぱり一つは帝国劇場。

これには、やはり参戦せずにはいられない!


思わず一度置いたマイクを手にする井上さん

井上)“都”はどこに?大丈夫でしょうか。

浦井)はい、帝国劇場と、東京會舘(この日の会場)です。

なぜか場内拍手!これにはこの方も!


いつの間にか橋本さんも手にマイクを!

橋本)これは何の拍手なんですか?

井上)で、どういう意味?

浦井)自分にとっての心のふるさと、大切な場所、かけがえのない場所。

井上)それが・・・

浦井)二都物語!


やり遂げた感いっぱいの浦井さん!


井上さん、爆笑!

すみません、単に上演場所と現在地かと思ってしまいました(笑)

会場に漂う“?”と“笑”、
この混沌をすべて包み込んだのは、この方!鵜山さんです。


「この質問から芝居のテーマが浮かんできました。
『二都物語』って、なんでこんなタイトルを付けたんだろうと。
それは理想と現実、本音と建て前、生まれたところと生活しているところ、芝居と現実、妻と愛人・・・。
様々な人生を前に進めてくれる相反する力、プラスとマイナス。
その両方がないと“生きがい”がない、“死にがい”がない。そういう話なんだということがわかりました。」

うーん、これが浦井さんの仰る、もの“すごい早い頭の回転”か。個性的なキャストとともに、鵜山さんが描く『二都物語』への期待が一層膨らむ製作発表会見でした。

【ちなみに】
鵜山さんがリラックスしたという橋本さんのご挨拶は・・・
「こうしてミュージカル界を代表するイケメンが2人。僕はといえば、もうミュージカル界を代表するフケメンで(笑)
まずブーツが2人とは違うな、みたいな。かっこいいブーツで、僕のはこんな感じで。」


「2人の召使役をします、橋本さとしです・・・(会場、不思議な空気に)違いますよ!!ハハハッ!
マダムの暴走を止める冷静な男の役、冷静に色んなものをみながらみなさんと楽しく演じていきたいと思います。」


会見では暴走する夫と、それをいさめる妻でした(笑)


やや緊張した空気をぐっと引き寄せ、笑いでリラックスさせる橋本さんの魅力炸裂です!

【おまけショット】


すみれさんに続き、エスコートを求める井上さんと断る浦井さん(笑)


【公演情報】
ミュージカル『二都物語』
2013年7月18日~8月26日@帝国劇場

<スタッフ>
原作:チャールズ・ディケンズ
脚本・作詞・作曲:ジル・サントリエロ
追加音楽:フランク・ワイルドホーン
翻訳・演出:鵜山仁

<キャスト>
井上芳雄/浦井健治/すみれ/濱田めぐみ/橋本さとし
今井清隆/福井貴一/宮川 浩/岡 幸二郎
原 康義/塩田朋子/ 原 慎一郎
安部誠司/奥山 寛/さけもとあきら/管谷孝介/武内 耕/谷口浩久
寺元健一郎/松澤重雄/溝渕俊介/森山 純/山名孝幸/横沢健司
石原絵理/岩﨑亜希子/樺島麻美/河合篤子/木村帆香
保泉沙耶/真記子/三木麻衣子/やまぐちあきこ
‐子役‐
小さなルーシー(交互出演) 
倉方遥香/佐々野愛梨/日浦美菜子/三木理紗子
ガスパール少年(交互出演) 
大西統眞/吉本 光

<ストーリー>
18世紀後半、イギリスに住むルーシー・マネットは、
17年間バスティーユに投獄されていた父ドクター・マネットが
酒屋の経営者ドファルジュ夫妻に保護されていると知り、パリへ向かう。

父娘でロンドンへの帰途の最中、
フランスの亡命貴族チャールズ・ダーニーと出会うが
彼はスパイ容疑で裁判に掛けられてしまう。

そのピンチを救ったのはダーニーと瓜二つの酒浸りの弁護士シドニー・カートン。
3人は親交を深め、ダーニーとルーシーは結婚を誓い合う仲になる。
密かにルーシーを愛していたカートンだが、2人を想い身を引くことに…。
しかしダーニーは昔の使用人の危機を救おうと祖国フランスに戻り、
フランス革命により蜂起した民衆たちに捕えられてしまう。

再び裁判に掛けられたダーニーだったが、そこで驚くべき罪が判明し、
下された判決は死刑。
ダーニーとルーシーの幸せを願うカートンはある決心をし、
ダーニーが捕えられている牢獄へと向かうが…。

公式HPはこちら
UK15



おけぴ取材班:おけぴ管理人(撮影)、chiaki(文/撮影)

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