2011年に初演されたミュージカル『ドラキュラ』オーストリア・グラーツ版。
宝塚の 宙組 元トップスター和央ようかさんの中性的で美しいドラキュラが
この夏、再びよみがえります!!
安定の続投初演キャスト、今回の再演からのフレッシュな新キャスト入り混じる、
新生『ドラキュラ』の稽古場の様子をレポートいたします。
和央ようかさんのドラキュラ再び!
原作はブラム・ストーカーによるヴィクトリア朝文学の傑作『ドラキュラ』。
登場するドラキュラ伯爵は吸血鬼(ヴァンパイア)の代名詞的な存在で
これまでも数々の小説、映画、舞台作品となっています。
黒いマントを翻す、その姿はおなじみですね。
哀しく美しい愛の形を描くストーリー、
ヒットメーカー フランク・ワイルドホーン氏のメロディ、
幻想的で耽美な世界を作り出す舞台効果などなど、みどころ満載の
ゴシック・ホラー作品『ドラキュラ』。
2シーン拝見しましたが、稽古場ながら、その世界観がすごいです。
まずはこの方、ドラキュラに見初められるミーナには安倍なつみさん。
ミーナ役:安倍なつみさん
初演時には可愛らしいルーシーを演じられた安倍さん、今回は、ミーナとして
はかなさの中に芯の強さも見え隠れする、大人の女性の演技、歌声に引き込まれます!
ミーナの婚約者、イギリス人青年弁護士ジョナサン・ハーカーに辛源さん。
ジョナサン役:辛源さん
続投キャストが多いこともあり、稽古スケジュールは通常より早めに
組まれているとのことで、初めて参加されるキャストさんは大変そう、
という勝手な心配をしておりましたが。。。
新キャストのお一人である辛源さんの様子を見ていると、
稽古前にピアノ前に駆け寄りご自身のパートの確認をより綿密にされるなど、
万全の体制で臨まれていました。
もう、しっかりジョナサンとしてドラキュラカンパニーの一員!
長身に長い手足・・・扮装姿もかなり期待!!!早く見たいっ!!!
再会の喜び!
療養中のジョナサンがミーナと再会したときの、喜びと安堵の表情、
重なり合う歌声♪
そして、この美しいハーモニーにドラキュラの歌声が加わり、
心情もメロディもより立体的な三重唱に。
“愛する人は誰?” 、“永遠の愛” 、“運命の人”、“幸せな花嫁”
ドキドキキーワードいっぱいで、絡み合う “愛の力” が印象的なシーンです!
ミーナは幸せな花嫁になれるのでしょうか・・・。
幸せな花嫁と言えば!ルーシーです。
ルーシーは天真爛漫な、愛される女性。
菊地美香さんのまっすぐで伸びやかな歌声が役にピッタリ!
3人の男性に求婚されるという、しかもその3人が・・・
初演から引き続きアーサー役は矢崎広さん
初参加のジャック役、渡辺大輔さん
松原剛志さんのクインシー、ワイルドな風貌ですね!
矢崎広さん、渡辺大輔さん、松原剛志さんという魅力的な3人が演じる
アーサー、ジャック、クインシーに想いを寄せられるなんて、
なんだかうらやましくなるようなルーシーです。
が、何やら様子が。
(初演をご覧になった方はご存知かと思いますが、非常に切ないのです・・・涙)
菊地さんの多面的な芝居もご注目ください。
右)ルーシー役:菊地美香さん
ルーシーを気遣う、友人でもあり、妹を心配する姉のようでもあるミーナです。
ルーシーの身に何が?!実は・・・
ミーナとルーシー2人の女性とドラキュラ伯爵の危険な恋。
彼女たちを愛する男たちに、ヴァン・ヘルシング(鈴木綜馬さん)も加わって
ドラキュラ退治の死闘が始まるのです。
この怪しく美しい世界観を作り出す、舞台装置や照明効果も、初演時、非常に
印象的でしたね。
稽古場でもその一端を目撃!!
ドラキュラ伯爵の手下(?)3人のヴァンパイアにもゾクゾク!
ドラキュラ城を訪れたジョナサンに忍び寄るヴァンパイアたち
動きで“人間でない”感じをしっかりと醸し出すヴァンパイアは
初演に引き続き長谷川達也さん、神谷直樹さん、宮田祐也さんの3人です。
妖しくエロティックに忍び寄る様子に、
思わず心の中で「ジョナサン、逃げてーー!」
と、そこに登場するのは・・・
妖艶に揺らめく布が突然ダイナミックに動く様子は、まるで生きているよう!!
颯爽と現れ、翻すマントさばきもカッコいい!
ジョナサンに襲いかかるヴァンパイアを制したのは・・・ドラキュラ伯爵。
和央さん、登場するなり、圧倒的な存在感です!!!
心の奥底へ響いてくるような力強い歌声、
この危険な香りと美しさ、和央さんのドラキュラの引力おそるべしでございます。
“いけないこと”と分かっていても、ドラキュラ伯爵に惹かれる気持ちを
抑えることができない。
理屈じゃ説明できない、抗えない運命の恋の魔力に説得力十分の和央ドラキュラ!
ヴァンパイアやコロスのみなさんは初演から続投、
厚みのあるコーラスやマイム、ダンス、さらに完成度が高まった舞台になりそうです。
おけぴ “おコンサート” でもおなじみの武井基治さんも初演から引き続きご出演!
稽古前は和気あいあいと、シーンが始まるとそこはドラキュラの世界に
緩急バッチリのとても雰囲気の良いカンパニーです!!
闇の世界、愛の光に導かれた先にあるのは・・・。
物語、衣裳、セット、そして楽曲、すべてがドラマティックな
ミュージカル『ドラキュラ』、夏の暑さも、しばし忘れさせてくれそうな
予感です。
圧倒的な強さの中に垣間見せる哀しみが美しい!!
※この日は残念ながらヘルシング役の鈴木綜馬さん、レンフィールド役の
櫻井貴之さんのご出演シーンはありませんでした(涙)。
歌声、佇まい、お芝居、すべて魅力の綜馬さんの進化したヘルシング、
男性ヴォーカルグループBaby Booのリードヴォーカル櫻井さんの歌声で
表現されるレンフィールドはぜひぜひ劇場で♪
おけぴ取材班:chiaki(文/撮影) 監修:おけぴ管理人
写真提供:キョードー東京