“フェイクコメディシリーズ”ムッシュ・モウソワール『レッド・ジャケット』取材会レポート

　あの妄想の紳士たちが帰ってくる！“フェイクコメディシリーズ”ムッシュ・モウソワール第二回来日（?!）公演作品『レッド・ジャケット』取材会をレポートいたします。

　さあ、みなさん、高貴な紳士たちの真剣な戯れごとの世界をちょこっとのぞいてみましょう。




　平野良 伯、滝川英治 伯、宮下雄也 伯、佐藤永典 伯、オラキオ 伯、5人の妄想紳士が演じる超妄想からの脱出劇！脚本・演出はもちろんこの方、西田シャトナー 伯！

化け物の軍隊に襲われて全滅した街の片隅、壊れかけた建物の小さな部屋の中。
瀕死の男。外へ出たがる男。中に居たがる男。最後の軍人。そして化け物の裏切り者。
5人の男たちはそこからの脱出方法を話している。
しかしたとえ話を続けるばかりで一向に実行しない。
はたして彼らに明日はあるのか…？

　稽古前に行われた、再来日後、初の記者会見のコメントも織り交ぜながらのレポートスタートです。

【公開稽古】

　公開稽古のはじまりは周囲より50cmほど高いステージに2人の男、それを怪しく囲む3人というシーン。

　壇上には平野良 伯と宮下雄也 伯、お二人とも前回に引き続いての来日ですが、「今回の役はこれまでとちょっと違う」（平野伯）。それに対しては…

　「平野伯はこれまで芝居が滑り出した後に変化球を放ち、揺らす役割が多かったけど、今回は宮下雄也 伯とともに作品の世界観を構築する役割。そして、それをほかの3人が揺らしていく展開になります」（シャトナー伯）





　続いては周囲を取り囲む3人の男。





　俳優、妄想紳士、密室の男たち、入れ子構造の面白さを十分に表現するため、各シーンでの芝居のスタイルも微妙に変化。その過程をシャトナー伯自らが解き示していきます。
　こうやってシャトナーワールドが出来るのだ！と、ちょっとテンション上がる一幕。




　いざ！密室空間へ！





　さあ、ここから怒涛の妄想たとえ話が始まります。



　「今年、弾丸ジャッキーを解散し、ここで演劇界にオラキオあり！を示したい」（オラキオ伯）
　「実際オラキオ伯の演技は、演劇好きの方にもこんな役者がいたんだと思っていただけるものです！」（シャトナー伯）




　トップバッターとして妄想たとえ話を炸裂させるオラキオ伯、その瞬発力と演技力で確かに物語を揺さぶります！そんなオラキオ伯に続けとばかりに参戦するのは、今回初来日となるお二人です。




　「勉強することがいっぱい、日々発見があります。刺激を受けながら、成長していきたい。作品が終わったときに、この作品に出られてうれしいと思えるようになりたい」（滝川伯）





　「稽古をしていてうれしいのは、ずっとこの5人でこの芝居の空間にいられること！僕らが新しく参加して、（シリーズ）2回目で終わるわけにはいかない」（佐藤伯）

　3人の勢いはとどまることを知らず…





　「暗転なしでノンストップ密室劇、男5人が舞台上でいろんな会話を繰り広げます。新しい世界、新しい生き物を見る感覚でいらしてください。アトラクションに乗ったような感覚を楽しむ前回ともちょっと違って、今回はいろいろと構築していく楽しさがあります」（宮下伯）

　「（体感的には）あっという間に終わる作品です。でも、僕らが仕掛けたものがうまく機能すれば、あとで作品を振り返ったとき、あれやこれや話は尽きず、短い作品だったとは思えない内容になっています」（平野伯）

　「前回は外へ外へとひろがるエンターテインメント性、今回は、井戸の中に落ちていきその底が見えない、いったいどこまで落ちるんだという楽しさがあります。
密室というけれど、密室ほどはてしなく広い暗黒はないって感じかな」（シャトナー伯）

　会見で明かされた、オラキオ伯＝最後の軍人という配役。果たして、瀕死の男は、化け物の裏切り者は…本番まで興味がつきません。
　そしてなにより、5人の男たちは密室から無事に脱出できるのか？！

　あなたの妄想力が試されるときかもしれません。

【稽古＝お茶会？！】

　会見で盛り上がったのは稽古中に繰り広げられるお茶会について。




　「要するに雑談です（笑）」とみなさんが笑うなか、シャトナー伯は「お茶会でのやりとりも作品に反映されているんですよ。それぞれの人生をまるごと、センスや感覚を芝居に持ち込もうとしているんです。様子を見ていて、この人突っ込みうまいな、とか、よっぽどじゃないと絡んでこないなとか（笑）」

　この5人でしか成しえない『レッド・ジャケット』の世界を味わいましょう！

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おけぴ取材班：chiaki（撮影・文）　監修：おけぴ管理人