正義とは、愛とは・・・
日生劇場で上演中のミュージカル・ロマン『モンテ・クリスト伯』ゲネプロの模様を
レポートいたします。
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エドモン・ダンテス(石丸幹二さん)とメルセデス(花總まりさん)
日本では“巌窟王”の名でも有名なアレクサンドル・デュマ原作の人気小説を
ドラマティックな楽曲でミュージカル化!
ヨーロッパ、韓国に続き、日本初演を迎えた『モンテ・クリスト伯』。
開幕を翌日に控え、独特の気忙しさとついにその全貌を現す新作への期待が満ちた
劇場、まず耳に響いてきたのは荘厳な合唱。
続いて舞台後方のスクリーンに時代背景などの解説が映し出されます、
これは初観劇の際は大きな助けとなりますよ。
痛快な復讐劇のイメージが強いこの作品ですが、
そこに描かれているのは、人生という旅のドラマ。
裏切りや絶望の中での出会い、それによって蘇る生命力が印象的です。
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獄中での大きな出会い、師であり友であるファリア神父(村井國夫さん)
エドモンの人生における重さ同様、村井國夫さんの存在感が光ります。
哲学、数学、歴史・・・あらゆる学問にたけたファリア神父ですが、
なかなかお茶目なところもあり、人間的魅力に溢れます。
こちらはエドモンを陥れる男たち
金、権力、愛・・・欲望に溺れるダングラール、ヴィルフォール、そしてモンデゴ。
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坂元健児さんは伸びやかな歌声と、勝ち誇った高笑いで会計士ダングラールを熱演
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石川禅さんは、佇まいも不敵な笑みも豊かな歌声も検事ヴィルフォール仕様
そして、モンデゴを演じるのは岡本健一さんは欲望にとりつかれた男の業の深さを体現!!
脱獄後出会う女海賊ルイザは濱田めぐみさんと彩吹真央さんのダブルキャスト。
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濱田めぐみさん
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彩吹真央さん
海賊船のシーンはショーアップされた華やかなシーン♪
ルイザという女性にみなぎる生命力が眩しく、
お二人それぞれのルイザが観たくなる、心憎いダブルキャストです。
(今年の初めのロクサーヌとは好対照なルイザです!!)
海賊船ではもう一つの出会いが・・・岸祐二さん演じるジャコポです。
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“友” の響きにグッときました!!
そして、みなさまお待たせいたしました!
石丸エドモン、花總メルセデス!!
稽古場取材でも披露された、♪さあ乾杯だ!での、石丸さんの青年エドモンは
さわやかで、順風満帆な笑顔が眩しいっ。
そこから一転、絶望の淵に突き落とされ、そこから這い上がりモンテ・クリスト伯として
再び人々の前に姿を現したときの凄味たるや。
全編を通じて出ずっぱり、歌いまくりで激動の人生を歩むキャラクターを演じる、
凄まじいエネルギーです。
運命に翻弄される女性、メルセデスは幸せいっぱいの笑顔も
その後、満たされない生活を送る憂いの表情も美しい。
幸せの絶頂から、突然の別れ、そこから偽りの人生を歩みながらも母としての
強さを見せるその姿、歌声に胸が締め付けられます。
原作小説「モンテ・クリスト伯」(岩波文庫)全7巻を2時間半のミュージカルに
作り上げているので、やや駆け足感は否めませんが、
ゴージャスな衣裳、これぞワイルドホーンのドラマティックな楽曲、
実力派キャストによるミュージカル・ロマンをぜひお楽しみください!
おけぴ取材班:chiaki(文) 監修:おけぴ管理人 写真提供:東宝演劇部