パワーアップした『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』開幕!



帝国劇場にていよいよ開幕! 衝撃の初演から1年、再演となる『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』(以降、『MRTM』)の初日を前に、囲み会見が行われました。ご登壇されたのはサティーン役:望海風斗さん/平原綾香さん、クリスチャン役:井上芳雄さん/甲斐翔真さん、ジドラー役:橋本さとしさん/松村雄基さん、デューク役:伊礼彼方さん/Kさんです。(それぞれWキャスト)



──初演から1年、いよいよ再演の幕が上がります。まずは昨年の公演の手応えや再演がスタートする現在の心境からお聞かせください。



サティーン役・望海風斗さん(以降、望海):昨年は、セットも音楽も壮大なこの作品を日本で初めて上演するということで、私たちもやるべきことに追われている部分がありました。でも、幕が開いて日が経つにつれ、お客様と一緒に楽しさを見つけ、作っていくという感覚になっていきました。一方的に私たちがエネルギーを渡すのではなく、お客様からもエネルギーをもらって一緒に熱く盛り上がる。お互いにそういう作品だということが分かった状態で始まる今年の公演がとても楽しみです。

サティーン役・平原綾香さん(以降、平原):まだ初日も開けていないのに、すでに終わってしまうことへの寂しさもあります。昨日のゲネプロでそんなことを感じました。昨年はオーストラリアで、今年の4月にはニューヨークで『MRTM』を観ました。それぞれの良さがあったのですが、改めて日本公演の良さにも気づくことができました。海外作品を、ただ日本に持ってくるだけでなく、ちゃんと日本でやるための演出を海外チームがギリギリまで考えてくださっているからこそ、今年はさらに私たちらしい魅力のある公演ができるような気がしています。

海外で観て感じたことは、お客さんも劇に参加しているということ。この作品はサティーンが亡くなった後、クリスチャンが作った劇を上演しているという設定で、最後に「サティーン、二人の物語ができたよ」とクリスチャンがパッと顔を上げて幕という演出です。ですので、クリスチャンが作った物語を観ているお客さんも、ある種、出演者の一人。望海さんが先ほどおっしゃったような「お客さんと一緒に」ということを特に感じました。日本公演も最高に盛り上がっているので、ぜひ、一緒に参加していただけたらと思います。

クリスチャン役・井上芳雄さん(以降、井上):お客様も昨年は初めてでしたし、チケット代も高額で、その豪華さはどんなものかと思われていた中、結果的にすごく盛り上がったことを嬉しく思いました。実のところ、今年、またちょっとだけ値上がりしました……いや、こういうことは言ったほうがいいと思うんです。僕たちはそれに見合う、いや、それ以上のものをお届けしようと日々頑張っています。前回よりは落ち着いて稽古もでき、華やかなシーンはさらに華やかになり、ドラマはより深められ、すごく良いバランスに仕上がっていると思います。僕らだけでなく、アンサンブルのみなさんのパフォーマンスもより一層素晴らしくなり、作品全体がパワーアップしています。

現帝劇での『MRTM』は最後となる、それは寂しいことですが、この夏、僕たちも存分にこの作品の楽しさを味わいたいと思います。あとは大きな話題を呼んでいるロンドンの『千と千尋の神隠し』に負けないように(笑)!

ジドラー役・橋本さとしさん(以降、橋本):今、心がチクッとしました(笑)。
(※橋本さんは『千と千尋の神隠し』にも釜爺役でご出演)

井上:さとしさんにも、ここではこちらに集中してもらって(笑)

橋本:もちろんです!

井上:みなさん、一緒に盛り上がりましょう。

クリスチャン役・甲斐翔真さん(以降、甲斐):昨年は、これだけの大作の日本初演を成功させるということがまずありましたので、千穐楽を迎えられた時になにより大きな手応えを感じました。平原さんの話にあった、クリスチャンが作った物語を届けるという意味でも、それをやり遂げたことが僕にとって大切な財産になりました。また、公演後にパリの“ムーラン・ルージュ”に行ってきました。前回は想像で演じていましたが、今年は五感で味わってきた体験を活かし、パリの物語をより鮮明に届けられるのかなと思っています。(実際に“ムーラン・ルージュ”を訪れた感想は)120年前からあるエンターテイメントの先駆け、その発想力に驚きました。でも、現代のエンタメ、僕らの『MRTM』も負けていません!

橋本:1年での再演は稀なこと。なんだか自分の中でずっと『MRTM』が続いていたような感覚もありましたが、稽古場でカンパニーが揃ったときは、苦楽を共にしたファミリーと再会できた喜びを改めて感じました。それぞれが一年間でいろいろと経験をし、この真っ赤な世界に帰ってきた。僕も、体型がグレードアップし衣裳もちょっとサイズアップ。やっぱり人間って成長するものやなーと。

井上:なんか違う気がする(笑)

橋本:脂身たっぷりでこってりとしたジドラーをお届けできたらと思います!

ジドラー役・松村雄基さん(以降、松村):昨年は、初めての帝劇、初めてのWキャスト、初めての海外スタッフによるリモートでのオーディションと初めて尽くしでした。そしてたくさんの方の支えで、2か月の公演を務めることができ、強く願い、頑張れば道は開けるということを実感しました。今年は、僕もそれなりの経験をし、還暦も迎え、61歳になりました。また新たな気持ちで臨みます。さとしさんほどこってりとはいきませんが、翔真が見てきた本物のムーラン・ルージュの猥雑さなんかを出していければと思います。

デューク役・伊礼彼方さん(以降、伊礼):昨年の公演では、客席からたくさんの歓声が上がったことが嬉しく、『MRTM』が日本に上陸したことによってこのようなミュージカルの観劇の仕方が根付いていけばいいなと思いました。さとしさんがおっしゃったように1年で再演というのもなかなかない経験、みなさんも、ぜひもう一度、この真っ赤な世界に浸ってください。

デューク役・Kさん(以降、K):昨年の公演を客席から観て、自分の中でミュージカルのイメージが変わりました。お客さんのノリもどこかロックコンサートのようでしたし、実際、ドラマだけでなく、音響も大迫力、楽曲アレンジなど音楽的にも楽しめる作品です。

また、帝劇での公演を観た韓国スタッフの方と少しお話する機会があったのですが、同じセットながら、歴史が刻まれた劇場、椅子の色などの雰囲気が作品にピッタリで、“ムーラン・ルージュ”そのものだとおっしゃっていました。その帝劇で再演できることを誇りに思います。あと、やっぱりデュークは悪役、僕らがどう動くかによってストーリーの印象は大きく変わっていくので、頑張って“アク”を出していけたらなと思います。

──井上さんはクリスチャンを演じるにあたり「なけなしの若さ」で挑まれるとお話されていましたが。

井上:世界中のクリスチャンを演じる俳優の中で最年長だと、これは自分で言っているだけですが、その後、海外スタッフからも訂正されないのでおそらくそうなんだと思います。ですから、もうちょっと僕のことを大切に扱ったほうがいいと思うんです(笑)。世界最年長ってすごくないですか? でも、もしかしたら甲斐くんは最年少かも。

甲斐:どうなんでしょう。確かに30代の方が多いかもしれませんね。

井上:我々、年齢に幅のある二人のクリスチャンでお届けしています! でも、昨日のゲネプロでは、舞台上で通すことで出てくる“俺の若さ”みたいなものがある気がしました。

橋本:“俺の若さ”って(笑)。

平原:確かにいつもはエレベーターで疲れたと言っているのが、昨日は言ってなかったかも。すごく清々しい感じでした。



エレファント・チーム


ウィンドミル・チーム

伊礼:はじめはエレファント・チームとウィンドミル・チームで分かれて稽古をし、終盤でミックスするようになったのですが、劇中劇での芳雄さんの若さがすごくて、さとしさんもなんだかすごくて、あれはいったい?

橋本:僕らは演出家の言う通りにやっているだけです。

井上:劇中劇では昔の様式でお芝居するということで……

橋本:最初は「100%でやってください」と言われ、やってみたら「50%でいいかな」となり、最終的には「0%で」って(笑)。

井上:まあ今は、2、3%ぐらいですかね(笑)。

橋本:僕らの中では、もうさじ加減がわからなくなっています(笑)。

甲斐:僕ら、あのシーンは芳雄さんを「よすおさん」って呼んでいます。

望海:それがなぜかはお楽しみに! 私たち自身は別々にお稽古をしていたので、チームごとに言われることがどう違ったのかはわからないのですが、その人に合ったノートをしてくださっていたと思います。

井上:公演が始まれば、チームも混じり合うのでバランスが取れてくると思います。

平原:そこでちょうどよくなるってことですね!



──それはいろんな組み合わせを観たくなりますね。では、最後にメッセージを!

K:『MRTM』再演、今年で最後かと思うとちょっと寂しいですが、思う存分楽しみたいと思います!

伊礼:今回は大阪公演もあります。西の方にも、この赤い景色、熱気を広げていきたいと思っております!

松村:悲劇的要素もありますが、僕はこの作品から希望を感じます。みんなが明るく歌う姿を多くの方にご覧いただき、元気になって笑顔になって帰っていただきたいと思います。精一杯頑張ります。

橋本:(後方の景色を振り返り)こうしてステージはすでにすごいことになっています。観るたびに発見もある作品。なによりも日頃のストレスを発散し、僕たちと一緒にカンカン!大いに盛り上がってください。みなさんも劇場に入ったらギャンギャン、ギーギーと……

井上:カンカンじゃなくなっていますが(笑)。

橋本:僕ももう、本番ではなにを言うかわかりません(笑)!

井上:そこはカンカンで(笑)。

橋本:みんなで一緒にカンカンしましょう!

甲斐:今年も、クリスチャンという、サティーンからもらった大きな愛をみなさんに届ける役目を務めます。帝劇の後には大阪、梅田芸術劇場での公演もあります。客席も赤くシャンデリアもあるので梅芸にも絶対このセットが似合うと思うので楽しみです。最後まで応援していただけたら嬉しいです。

井上:再演でドラマが深まったことに加え、舞台の見え方についても、たくさんのお客様にちゃんと楽しんでいただけるように少し調整、変更しています。そこも期待してください。昨年同様、始まったらどんどん盛り上がっていくと思いますので、みなさん、(チケットは)お早めに!ということをお伝えしておきます。

平原:ミュージカルデビュー10周年の年を、こうしてまた素晴らしい作品とともに駆け抜けられることを嬉しく思います。日本でも世界でも辛いことが起こっている現在、日々、人の命の尊さを感じています。また、最期を迎えるときに人は一番強い生命力にあふれるという話を聞いたことがあります。サティーンとして、心臓の最後の一音までカッコよく生きられるように、しっかりと務めていきたいと思います。

望海:こうして昨年と同じメンバーで『MRTM』の世界に帰ってくることができました。一人ひとりがパワーアップし、そのみんなが心からこの作品を楽しんでいることが一番素晴らしいところだと思っています。そのエネルギーがお客様に伝わり、劇場の中でエネルギーが増幅していったらいいなと思っています。普段はミュージカルをご覧にならない方も、素晴らしい体験が待っていますので、とにかく騙されたと思って(笑)劇場にいらしてください!
そして楽しい時間を過ごしていただけたら嬉しいです。こちらも熱い日々を過ごしていきたいと思いますので、どうぞ大阪の大千穐楽まで、よろしくお願いします。





『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』2023年公演より 写真提供:東宝演劇部



『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』2023年公演より 写真提供:東宝演劇部



『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』2023年公演より 写真提供:東宝演劇部



『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』2023年公演より 写真提供:東宝演劇部


会見の後に行われたウィンドミル・チームの公開ゲネプロを拝見しましたが、まずはやっぱり象さんがいて風車があって、シャンデリアがあって……“帝劇がまるでムーラン・ルージュに!”というゴージャスな空間に感激。プレショーが始まり、クリスチャンが登場しセットを押し上げるようにして始まる物語。会見でもお話のあった「クリスチャンが描いた物語」という枠組みがしっかりと受け渡されます。そこからは歌と芝居、照明などでめくるめく『MRTM』の魅惑の世界に飲み込まれていきます。初演ではあの曲とあの曲が……とマッシュアップの妙を強く感じましたが、今や、幕開きからフィナーレまでのひとくくりで『MRTM』の楽曲という印象。それほどまでに音楽と物語の相乗効果、一体感が増しています。とりわけ一幕ラストを飾るラブソングに次ぐラブソングのエレファント・ラブ・メドレーは聴いても観ていても気持ちがいい! 望海サティーンは輝きと強さ、可愛らしさを増し、甲斐クリスチャンは朴訥で未熟で真っ直ぐな愛すべきキャラクターを等身大の魅力で体現。二人の出会いから激しい恋に落ち、気持ちを確かめ合うまでの第一幕はコメディセンスと豊かな歌声が印象的。



『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』2023年公演より 写真提供:東宝演劇部



『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』2023年公演より 写真提供:東宝演劇部



『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』2023年公演より 写真提供:東宝演劇部



『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』2023年公演より 写真提供:東宝演劇部


二幕に進むと物語は複雑性を帯び、愛ゆえのもどかしさや怒り、葛藤、暴走などシリアス度も増します。コントロール不能に陥った甲斐クリスチャンの若さがヒリヒリとした芝居で伝わり、望海サティーンの愛を貫く強さに胸を打たれます。彼らに関わる人々も、より緩急のついた芝居に! デュークの底知れぬ恐ろしさには客席でも思わず息を殺してしまうほど。劇場全体がピリッとした緊張感に包まれます。またサティーンを中心としたムーラン・ルージュの踊り子たちの連帯、苦楽を共にしてきたサティーンとジドラーの家族のような愛、ボヘミアンズの友情もこの物語の大きな魅力であることがしっかりと伝わります。会見でのお話の通り深められたドラマもしっかりと堪能。

サティーンとクリスチャンのラブストーリーの結末を見届けた後は、ジドラーの仕切りでもうひと盛り上がり! 興奮の中、劇場を後にする帰り道では楽曲が頭を巡り、口をついて出るのは「あー、楽しかった!」の言葉。まさに「体験型」「参加型」の傑作!
現帝劇ではラストとなる『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』は8月7日まで、その後、9月14日~28日に大阪・梅田芸術劇場メインホールにて上演です。みんなでカンカン!



『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』とは
『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』はバズ・ラーマン監督が映像によってつくり上げた、きらびやかなビジョンを、アレックス・ティンバース演出によってさらにパワーアップさせ、めくるめく世界へと観客をいざなう革命的なミュージカルです。
2018年のボストン公演を皮切りに2019年には NYブロードウェイ公演がオープン。トニー賞最優秀作品賞(ミュージカル部門)をはじめとする10部門の受賞に輝きました。
そこはナイトクラブでありダンスホール、劇場でもある、まさに夢のような空間。19世紀にオペレッタを創始したオッフェンバックから、ローリング・ストーンズ、エルトン・ジョンやマドンナをはじめとする20世紀に大流行したメガヒット曲、21世紀が生んだ最高の歌手レディ・ガガまで、160年以上にわたるポピュラーミュージック約70曲が散りばめられた『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』は、NYブロードウェイが誇る、絢爛豪華なマッシュ・アップ・ミュージカルです!!
『ムーラン・ルージュ!ザ・ミュージカル』
2024年6月20日~8月7日 東京・帝国劇場
9月14日~28日 大阪・梅田芸術劇場

キャスト:(各役五十音順表記)
サティーン:望海風斗 平原綾香
クリスチャン:井上芳雄 甲斐翔真
ハロルド・ジドラー:橋本さとし 松村雄基
トゥールーズ=ロートレック:上野哲也 上川一哉
デューク(モンロス公爵):伊礼彼方 K
サンティアゴ:中井智彦 中河内雅貴
ニニ:加賀 楓 藤森蓮華

ラ・ショコラ:菅谷真理恵 / 鈴木瑛美子
アラビア:磯部杏莉 / MARIA-E
ベイビードール:大音智海 / シュート・チェン

アンサンブル(E)/スウィング(S) (五十音順表記)
ICHI(E)/乾 直樹(E)/加島 茜(E)/加藤さや香(E)/加藤翔多郎(E)/酒井 航(E)/篠本りの(S)/杉原由梨乃(E)/仙名立宗(E)
高橋伊久磨(E)/田川景一(E)/田口恵那(E)/茶谷健太(S)/富田亜希(E)/平井琴望(E)/堀田健斗(S)/三岳慎之助(E)
宮河愛一郎(ダンスキャプテン E)/米島史子(S)/ロビンソン春輝(S)/和田真依(S)

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おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人

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