2023年2月、「演劇の殿堂」帝国劇場で満を持しての初舞台化が開幕する
舞台『キングダム』。中華統一を夢見る少年、信役の三浦宏規・高野洸、嬴政/漂役の小関裕太・牧島 輝、王騎役の山口祐一郎をはじめ、各ジャンルからの多彩なキャストが集結! 2025年の建て替えに向けての一時休館を発表している帝国劇場での野心的な挑戦作として注目を集めている本作に、
帝国劇場と縁の深いレジェンド・キャストの出演が決定しました!
壤晴彦 山口祐一郎
王騎が、「中華の唯一の王」となる夢を口にした政の姿に重ねたのが、約55年間、戦争に明け暮れ中華に夢を追い求め、秦の戦神として名高い「昭王」。政にとっての曽祖父にあたります。その
「昭王」を、演劇界のレジェンド、帝劇とも縁の深い、
俳優・壤晴彦が演じることとなりました。稽古は12月からスタートしました。
壤晴彦、そして壤との久しぶりの邂逅を果す
山口祐一郎の言葉、そして演出を手掛ける
山田和也による最新の稽古状況についてのコメントをお届けします。
【壤晴彦コメント】
僕は先輩・後輩を問わず「いい!」と思う人には常に敬意を感じます。劇団四季では大先輩の日下武史さん、同期の鹿賀丈史、そして後輩の山口祐一郎君がそうでしたね。
俳優としての演技に"清潔感がある"というのが共通項でしょうか?
彼が抜擢された『オンディーヌ』では水界の王の僕と彼のハンスはやりとりがなかった。彼とは『ジーザス・クライスト・スーパースター』でイエスとピラトで歌の応酬をしたのみ‥今回初めて台詞を交わす事になります。
それもこんなに壮大な物語の中で‥昭王と王騎としては信頼と敬意を。竭氏としては不穏な腹の探り合い‥ゾクゾクしますね。楽しみです。
壤 晴彦(昭王/竭氏)
【山口祐一郎コメント】
壤晴彦さんへ
キングダム稽古場でお姿を拝見したとき、突然、1970年代後半にタイムスリップしました。私が研究生で朝の掃除を終えテラスで水を飲もうとすると、そこには既に、ケーツーさん(劇団では麦草平さんだったのですが、みなさん本名のケーツーさんと呼んでいらした)が、木洩れ日の中でベンチに腰掛け台本を読んでいらっしゃる。
「あっ、麦さん(心はケーツーさんでした)」
「・・・」
「あっ、お邪魔してすみません。あっ、おはようございます。私、17期山口祐一郎と申します」
「嗚呼、君か。次のジーザス。頑張れよ」と白い歯を見せた。格好良いなケーツーさん、と思った。
後年、ジロドゥーの『オンディーヌ』のハンスに抜擢されたとき、壤さんがぼくのチューター(個人指導教師)に専任された。そのとき演出家が呟いた。
「ホントは、ケーツーみたいに出来る奴が演じるべきなんだけどなぁ」
(その通りだよな)とぼくも素直に得心していた。だって、壤さんが紡ぎ出す科白には誰もが感動するのだから。
壤さん。2023年、不肖な弟子との共演。どうぞよろしくお願いいたします。
山口祐一郎(王騎)
【山田和也(演出)コメント】
舞台『キングダム』の稽古は今まさに佳境です。ここ数日は2幕のクライマックス場面に取り組んでいるのですが…… 主要キャストの殆どが入り乱れることになるので、演出家なのに目が幾つあっても足りません。そんな『キングダム』の世界に壤晴彦さんをお迎えすることになりました。数々の話題作に出演されていらした壤さんですが、私は特にミュージカル『レディ、ビー・グッド!』の壤さんが大好きでした。ご一緒できるのは最高の喜びです。
山田和也(演出)
壤晴彦は狂言大蔵流、茂山千五郎(四世・茂山千作・人間国宝)に師事。
その後劇団四季を経てフリー。
1990年イギリス・エディンバラ国際演劇祭批評家賞を受賞した、蜷川幸雄演出・三島由紀夫作の「近代能楽集・卒塔婆小町」や、92年ロンドン・バービカンセンターで上演した「テンペスト」に主演した国際的に評価される俳優で、帝国劇場でも、1987年「風と共に去りぬ」「NINAGAWA マクベス」、1991年に蜷川幸雄演出「仮名手本忠臣蔵」、2008年に宮本亜門演出のミュージカル「ルドルフ -ザ・ラスト・キス-」に出演しています。
舞台『キングダム』では、死期の迫る昭王(壤)が、昭王に忠を尽くす王騎(山口)に対して中華への熱き夢を語る――劇団四季在籍時の先輩後輩にあたる壤と山口にどこか重なるような、演劇ファンにとっては奇跡の邂逅といえる名場面が用意されています。二人の共演は約35年ぶりとのことです。
昭王の夢は、政の思いにも重なります。舞台全編に強い印象を残す役です。
壤晴彦は、昭王と竭氏(王弟・成蟜と共に政に対して謀反を起こす)の二役を演じます。
また、
稽古の最新状況も公開!三浦宏規・高野洸によるコメント、稽古場写真も併せてご覧ください!
写真:東宝演劇部
この記事は公演主催者の情報提供によりおけぴネットが作成しました