【感想追記 10/28】新国立劇場 2023/2024シーズン開幕! シェイクスピア、ダークコメディ交互上演『尺には尺を』『終わりよければすべてよし』公開フォトコール&初日前会見レポート



公演をご覧になったおけぴ会員のみなさまからお寄せいただいた感想をご紹介いたします!※10/28追記

【尺には尺を】

シェイクスピアらしい言葉遊びが満載の中、ドキドキハラハラするストーリー展開が見事でしたし、ダークコメディというだけあって、シニカルな笑いがいっぱいで、最後まで笑いが堪えませんでした。シェイクスピアでこんなに笑ったのは初めてです。

セリフだけでこれだけ豊潤なストーリーを展開させるのはシェイクスピア劇の醍醐味ですね。岡本健一さん、浦井健治さん等々お馴染みの面々で安心して見ていられます。それにしても、最後の大どんでん返しにはびっくりしますよ。

膨大な台詞なのに、それを交互上演するなんて役者スゲーと感嘆しました。シンプルな赤い壁のセットですが、城壁や扉や窓と自由自在に使われて、そこ開くんだとビックリしながら見てました。明るい照明もコメディらしく、役者さんの表情も見やすかったです。ラストのイザベラの表情が秀逸で、観客も同じ気持ちだよ、と思わずツッコミました。

あまり上演されない舞台なので、初めて観ました。シェイクスピア作品なので、台詞はもちろん素晴らしいです。俳優陣も豪華で達者な顔ぶれで、安心して楽しめました。那須さんは今回もびっくりな登場でした(笑)。ソニンちゃんがとってもよかった。ラストシーンのソニンちゃんを楽しみにしてください。

お話の筋はこんがらがっているようで単純です。どんな職業であれ人は人。思いがけない欲望や権力を笠に着る自分がいつ出て来るかなんて分かりません。

今、この時代にシェイクスピアの演劇を観る必要性があるのか?と思いつつも、俳優さんに惹かれチケットを購入しました。結論から言うと、観てよかったです。面白かったです。人の心の弱さ、醜さは今も昔も同じ。

長年このカンパニーで上演してこられたので、なんといっても、チームワークというか、ぴったりと息のあった言葉のキャッチボールが素晴らしいです。

シェイクスピア作品ではあまり上演機会がない作品でしたが、面白かったです!道化に善人に愚か者が出てくる悲喜交々でシェイクスピアっぽさ満載でした。そしてソニンさんが上手い!切々とした嘆願は涙を誘いますし、真面目にやるほど面白いというのも上手い。皆さん見応えある芝居でした。

登場人物がみんな自分の欲望に忠実で、ヒロインも合理的な思考で誰かの犠牲になんかならない。悲劇のヒロインじゃないところが、モヤッとせずにしっかりたのしめました。


【終わりよければすべてよし】

浦井さんのクズ男ぶりを堪能させてもらいました。お付きのペローレスは、独白シーンで、シリアスな場面もあるのに、バートラムは終始一貫、傲慢なチャラ男でした。先の『尺には尺を』もそうですが、女性の毅さと弁舌が冴えるお芝居です。

同じキャストで『尺には尺を』と『終わりよければすべてよし』の2作を交互上演するという企画ですので、ぜひ両方観ることをオススメします。こちらも「終わりよければすべてよし」とすっきり終われない部分もありますが。両作とも亀田佳明さんがよかったです。

現代の感覚では不条理だけれど、いきいきとした登場人物たちはみんな魅力的で、思わず好きになってしまいました

舞台美術が洗練されていて、機能と見栄えを備えた見事な仕上がり。楽しくて3時間があっという間の劇だった。

シェイクスピアってこんなに面白いんだ、とダークなテーマのコメディを存分に楽しみました。戯曲を読んでも面白さがわからなかった作品でしたが、今回はヘレナの一途さ、バートラムのダメダメさ、ペーローレスの人間臭さが溢れていて、あっという間の3時間でした。最後の場面で、終わりよければすべて良し、と笑いながら拍手できます。

浦井健治が容姿も演技も彼ならではの良さを十二分に発揮していたし、中島朋子の上手さと若さには改めて驚いた。岡本健一の老フランス王も見事だった。那須佐代子やソニン、立川三貴ほか、脇役たちもとても良かった。

シェイクスピアはとっつきにくい?と、思っている方。または何度も観たという方。どちらにもお薦めします。滑稽な愛すべき人物たちが恋、戦い、裏切り、思い出を語ります。特にヒロインである中嶋朋子さん演じるヘレナは身分違いの恋に知恵と勇気を振り絞って向かっていきます。ベッド・トリック後の大団円は先に続く物語の始まりのようでした。安定感あるカンパニーの底力みせていただきました!

フランス王、岡本健一さんのチャーミングなこと。王様ってこんなわがままだったに違いない。と思いました。そして、ぺーローレス。嫌味なく、不思議な魅力がありました。

イキイキとリアルな芝居の出演者、とぼけた様で痛い所をえぐる演出、とっても楽しかった! ラスト、あの男性の誓いは「本当かな??」「きっと裏切るね!」と思いましたが、まさに「終わりよければすべてし」でした!あのカテコも好きです。



新国立劇場にて開幕したシェイクスピア、ダークコメディ交互上演『尺には尺を』『終わりよければすべてよし』。シェイクスピア作品の中でも“ダークコメディ(暗い喜劇)”と呼ばれ、屈折したキャラクターの悲劇とも喜劇ともつかないストーリーは、その結末のために“問題劇”とも分類される2つの作品。そんな、時をおかずに執筆されたとされる『尺には尺を』『終わりよければすべてよし』は、表裏一体のような戯曲で、ともに女性が物語の主軸になるという共通点も有します。降りかかる困難に立ち向かい、世の理不尽を白日の下にさらす!かといって、すべてすっきりともちょっと違う。独特の余韻を残すダークコメディ交互上演は実に興味深い。ましてやそこに挑むのが、12年に亘りシェイクスピアの歴史劇を上演してきた“あのチーム”と聞けば尚更です。そしてやはり演出の鵜山仁さん、キャストの岡本健一さん、浦井健治さん、中嶋朋子さん、ソニンさんの会見でのお話は、作品同様に大変興味深いものでした!



<『尺には尺を』公開フォトコール>


この日に初日を迎える『尺には尺を』の公開フォトコールが行われました。公開されたのはものがたりの大詰め、留守をアンジェロ(岡本健一さん)に任せ旅に出たウィーンの公爵ヴィンセンシオ(木下浩之さん)。秘かにアンジェロの統治を見届けていた公爵がすべてを明かして……という登場人物たちが一堂に会する場面。(少々、後半の物語にも触れます)

ちなみに、ここまでのお話。
姦淫罪で死刑判決が下った兄クローディオの助命嘆願のためにアンジェロの元を訪ねたイザベラ。兄のために懸命に命乞いをするイザベラの美しい姿に、アンジェロの理性は失われ、自分に体を許せば兄の命は助ける、という提案をする。それを聞いたイザベラはアンジェロの偽善を告発すると告げるのだが、彼は一笑に付す。やがて公爵の前ですべてが明らかにされ……。その間の紆余曲折はぜひ劇場で!




前列)アンジェロ(岡本健一さん)、彼を想い続けるマリアナ(中嶋朋子さん)、公爵(木下浩之さん)
後列)老貴族エスカラス(下総源太朗さん)、神父ピーター(内藤裕志さん)、典獄(立川三貴さん)。※典獄:刑務所長


ことの成り行きを見つめる人々


過去に婚約破棄されながらもアンジェロを思い続けるマリアナ



修道尼見習いイザベラ(ソニンさん)と公爵



典獄に連れてこられたのは囚人バーナーダイン(吉村 直さん)と……


クローディオ(浦井健治さん)とその恋人ジュリエット(永田江里さん)


写真中央はルーシオ(宮津侑生さん)


後方には、死刑執行人アブホーソン(亀田佳明さん)、売春宿の女将オーヴァーダン(那須佐代子さん)と使用人ポンピー(小長谷勝彦さん)の姿も!


こうして大団円……なのかは、ぜひ、劇場で!
水戸黄門か大岡越前か!? お見事なお裁きと思いきや、こ、こ、公爵様ー!!独特の余韻に包まれるラストまでたっぷりとお楽しみください。


シンプル(ながら雄弁)な舞台装置、人を照らすだけでなく舞台上に道を作ったり、印象的な影を作る照明、そんな空間だからこそよりいっそう鮮明に浮かび上がる人間の姿や思考、言葉。シェイクスピアが描いた物語が、こうして現代にも響き、刺さり、私たちを楽しませてくれる。演劇ってすごい!(美術は乘峯雅寛さん、照明は服部 基さんです)


【初日前会見】



岡本健一さん)
二作品を同時に稽古をしてきて、今日、初日を迎えることができるのですが、正直、全体像みたいなものはまったく見えてない状態です(笑)。きっとお客さんが入って初めて成立するものなのでしょう。問題劇と言われる作品が、お客様にどのように届くのか、劇場で体験してもらいたいと思っています。



浦井健治さん)
この座組のみなさんは、稽古が終わることを寂しく思うほど大切な、家族のような存在です。
もう10年以上一緒にやってきて、旅立った方の思いや面影を見るような瞬間もたくさんあります。お客さんともそれを共有できることにワクワクしています。



中嶋朋子さん)
長く一緒にやってきたチーム、お稽古は緊張する日々でしたが楽しかったです。岡本さんがおっしゃったように、お客様が入って仕上がる、未知数のエネルギーがある作品だと思っています。こうして今日、幕が開き、そして明日も初日というのも不思議な体験です。それもみなさんと共有できたら嬉しいです!



ソニンさん)
みなさんのお話に激しく同意しています。2作品を、同じキャストでというのはなかなかないこと。私自身もこのような“2回の初日”というのは初体験です。作り上げるまでは、2作品だから2倍大変かと思っていましたが、そんなものではなく4倍大変でした(笑)。ここにお客さんの反応が加わったら、私たちもそれに乗っかって2の二乗(4)の二乗で16倍味わい深い公演になったらいいなと思っています。


──鵜山さんはかつて『尺には尺を』を演出されたことがありますが、今回の2作交互上演で改めて感じたことは。



鵜山仁さん)
コロナ禍やウクライナ侵攻──私たちは今まで善だと思っていたことが必ずしも善ではない。平和だと思っていたら、突然戦争が始まる。良いことと悪いことがどんどん入れ替わり、どこに軸足を置いて生きればいいかがわからなくなるということを経験してしまいました。

世の中にはいろんな考え方があって、いろんな変化がある。それを、悪いときにはきっと良いことがあるに違いないと思い、良いときにはまた悪いことが巡ってくるかもしれないと用心するというように様々な変化、多様性に対応するエネルギーを身につけなくてはいけないということ。多少の嘘と夢とを客席に振りまきながら、芝居がそれを率先して実現していかなきゃいけないんじゃないかと思うようになりました。

以前はやっぱり良いやつと悪いやつというように対比で物事を考えていたのですが、目まぐるしく変化する世界という視点で今回の二作を捉えました。すごく似ている二作で、このカンパニーの十余年の蓄積によって起こるいろんな変化が爆発して客席に飛び出しているような仕上がりになっています。

──問題劇と言われる二作ですが、物事を相対的に捉えるという意味では非常にシェイクスピア的とも言えます。

鵜山さん)
稽古をしていると、今まで見えていなかったところに目が行くというか、しわが伸びるというか。今まで意味があるとされていたことが実は薄っぺらだったことがわかるなど、思考がストレッチできるところがすごく面白い。それだけに正解がなにかというがわからないけれど、それは人生そのものだと。


──それぞれの役どころについて。



岡本さん)
『尺には〜』のアンジェロは権力をかざしパワハラをしているかのように見えますが、本人は統治者として法に則り正しいことをしているという意識。ただ、そこに女性との出会い、愛みたいなものが芽生えてしまうとそれがいとも簡単に崩壊してしまいます。でもそれも受け入れて進んでいかなくてはいけないとか、やがて取り返しがつかなくなるとか、いろんなことを考えています。稽古をしていても、これは本番をやっていてもだと思いますが、いろんな感情が出てくるんですよね。そういった新たな感情は自分ではコントロールできないもの。このシェイクスピアの言葉で、自分の感情、お客さんの感情がどう動くのか。そこに興味を持っています。

浦井さん)
僕が演じるどちらの役もすごく自分勝手な言動でクズみたいに言われる役ですが、演じていると懸命に生きる場所を捜している人物なのだと感じます。それには終着点はなく、それがこの役の面白さだと思っています。それこそ、舞台上にある池に突っ込んでびしょびしょになっても人生は続いていく。納得できなくても、それが人生。そんな風に自分自身で納得しながらやらないと役を愛せないくらい……ひどい人たちだと思ったりもします(笑)。

中嶋さん)
問題劇と言われる理由のひとつとして、両作品ともベッドトリックを使うということがあります。私はどちらの作品でも身代わりとなって愛を得ようとする役。彼女たちを突き動かすものは微妙に違いがありますが、生き物としての欲求、愛や欲望で動いているという点では等しい。そのエネルギーに立ち向かってお芝居をしている状態です。

ソニンさん)
私が演じる、イザベラは修道尼になりすべてを神に捧げようとし、ダイアナは母親の貞淑を守るという圧力にとらわれています。二人とも、そこをスタートに、物語の中で、周りの貪欲に生きている人たちを観ながら成長していくところがあります。

特にイザベラがたどる変化は非常に複雑で、この物語の中で自分の心をどう動かして、どう成長させていくか──稽古しながら苦労したところです。今も「こういう感情です」と説明しがたいですが、お客様に「人生ってこんな感じだよね」と思っていただけるような存在になれたら嬉しいです。

──稽古場では、これまで以上に闊達なディスカッションが行われていたように思います。

鵜山さん)
みんな、うるさくなっちゃいました(キャストのみなさん:笑)。つまりそれは、ざっくばらんな話ができるようになってきた、みんなサビが付いてきたということ。言い換えれば経験が蓄積されてきたということ。でも浦井くんだけが不思議と年なんかとっていないよという顔で芝居をしているのが面白かったです。



ですって、健ちゃん(浦井さん)

──演じる役が変わる、気持ちの切り替えは?

岡本さん)
『終わりよければ~』では、年老いたフランス王を演じます。そちらはおじいちゃんなので衣裳を着たら勝手に気持ちも変わります。

浦井さん)
僕ももう一方の役、バートラムでは全ウィッグ、長髪になるのでそこで変わりますね(笑)。

中嶋さん)
確かに扮装が変わると気持ちも変わります。あと、このマリアナは鵜山さんがちょっと変わった人物にしたいとおっしゃったと小耳にはさんだので、それでチューニングした部分もあります。

ソニンさん)
私が演じるイザベラとダイアナは立場的に似ているところがあるので、稽古中は切り替えが難しかったことを覚えています。方向性が決まり、衣裳を身につけると、ダイアナは母親が許す限りの露出がありますし、それは女神の名を持つダイアナとしてある種象徴的な格好になっています。やはりそこにも助けられています。

──『終わりよければ~』では舞台上の雰囲気はどのように変化するのでしょうか。

鵜山さん)
今の『尺には~』では、ご覧の通り赤と白に少し黒も入っている世界。それが『終わりよければ〜』では、ほぼ白黒の世界になります。しかも幕開きはみんな喪服を着て出てきます。そこではさらにHMI照明と言う強い光が効果を発揮しています。また、今は壁ですが、『終わりよければ~』では白い布だけで変化をつける。両者の対比について、とてもうまくいっていると感じています。これは僕が作ったわけではなく、装置家の乘峯(雅寛)さんや舞台設営をしてくださったスタッフのお陰なのですが(笑)。

──このカンパニーの絆について。

岡本さん)
作品に対して挑んでいく姿勢や思いの強さで結ばれています。

シェイクスピアって難しいと思われますが、このカンパニーでやることによって、人間的で、日常的に感じられる。そう表現できる人が集まっている中で、このお三方はそれが突出しています。みんなの私生活はまったく知らないのですが(笑)、舞台の上での信頼感は揺るぎないものがあります。

浦井さん)
この板の上に乗るだけで、旅立った先輩方からの励ましや、手を抜くんじゃないぞと鼓舞してくれるエネルギーを感じます。ずっと一緒にやってきた那須(佐代子)さんの台詞を通して、あの方、この方の思いも届けられるような感覚です。そのくらいこれまでの作品が僕のなかでは地続きです。

ソニンさん)
みなさんは家族のような存在で、遠慮なく「こうだと思うんだけど」と言い合えるカンパニーです。そしてシェイクスピアの問題劇と呼ばれる二作を上演することについても、みなさん意気込みも十分、とても真剣な向き合い方ですが、グーっと力が入るわけではなく楽しんでいるのがこのカンパニーらしさだと思います。
イザベラの人生があまりに激しすぎて、稽古の後、抜け殻のようになってしまいました。そのときに「いやー、疲れました」と言ったら、勝部(演之)さんから「芝居ができるって楽しいじゃないの!笑おう!」と言われ。改めて大切なことを教えていただきました。しあわせです。

中嶋さん)
稽古場で健ちゃんに(岡本さん)「私、うまくできない」と言ったら、「うまくやるってどういうこと?」と率直に返してくれたんです。そこから私の演劇人生が変わったんです。うまくやるとかじゃないんだなと。そんな風に、みんながふと発するひと言がすごく大きい、それがこのカンパニーです。そしてそのひと言を待っている自分がいる。この信頼関係は宝物です。

──最後に、鵜山さんからひと言。

鵜山さん)
この劇場は、結構、とりとめのない劇場で、ある意味大きすぎるし、隙間もいっぱいある。でも不思議な話、みんな舞台上に出てくると伸び伸びとしているんです。今、カンパニーの絆について話が出ましたが、その意味では、劇場との絆というもののあり、それを客席のお客さんにも楽しんでいただけたらと思います。



【公演情報】
シェイクスピア、ダークコメディ交互上演『尺には尺を/終わりよければすべてよし』
2023年10月18日(水)~11月19日(日)@新国立劇場中劇場
作:ウィリアム・シェイクスピア
翻訳:小田島雄志
演出:鵜山 仁

キャスト
岡本健一 浦井健治 中嶋朋子 ソニン
立川三貴 吉村 直 木下浩之 那須佐代子 勝部演之
小長谷勝彦 下総源太朗 藤木久美子 川辺邦弘 亀田佳明
永田江里 内藤裕志 須藤瑞己 福士永大 宮津侑生

※『尺には尺を』でルーシオ役、『終わりよければすべてよし』でデュメーン弟役で出演を予定しておりました清原達之は、怪我のため降板いたしました。この降板に伴い、宮津侑生が同役で出演いたします。

公式HP:https://www.nntt.jac.go.jp/play/shakespeare-dark-comedy/

<あらすじ>
『尺には尺を』
ウィーンの公爵ヴィンセンシオ(木下浩之)は、突然出立すると告げ、後事を代理アンジェロ(岡本健一)に託し旅に出る。だが実は、密かにウィーンに滞在したまま、アンジェロの統治を見届ける目的があった。というのも、ウィーンではこのところ風紀の乱れが著しく、謹厳実直なアンジェロが、法律に則りそれをどう処理するのか見定めようというのだ。
そんな法律のなかに、結婚前の交渉を禁ずる姦淫罪があり、19年間一度も使われたことがなかった。アンジェロはその法律を行使し、婚姻前にジュリエット(永田江里)と関係を持ったクローディオ(浦井健治)に死刑の判決を下す。だがクローディオはジュリエットと正式な夫婦約束を交わしており、情状酌量の余地は十分にあったのだ。
それを知ったクローディオの妹、修道尼見習いのイザベラ(ソニン)は、兄の助命嘆願のためアンジェロの元を訪れる。兄のために懸命に命乞いをするイザベラの美しい姿に、アンジェロの理性は失われ、自分に体を許せば兄の命は助ける、という提案をする。それを聞いたイザベラはアンジェロの偽善を告発すると告げるのだが、彼は一笑に付し、「誰がそれを信じる?お前の真実は、私の虚偽には勝てぬ」とイザベラに嘯く。
クローディオの命は?イザベラの貞節は?すべてはアンジェロの裁量に委ねられる。

『終わりよければすべてよし』
ルシヨン伯爵夫人(那須佐代子)には一人息子バートラム(浦井健治)がいた。彼はフランス王(岡本健一)に召しだされ、故郷を後に、パリへと向かう。だが王は不治の病に蝕まれ、命は長くないと思われていた。
もう一人、伯爵夫人の元には侍女として育てていたヘレナ(中嶋朋子)という娘がいて、その父は、先ごろ他界した高名な医師だった。彼はヘレナに、万病に効く薬の処方箋を残していた。そしてヘレナは、実は密かに、身分違いのバートラムのことを慕い、妻になりたいと願っていた。
その想いを知った伯爵夫人は、ヘレナにバートラムを追ってパリへ向かうことを許す。パリに到着したヘレナは王に謁見し、亡父から託された薬で王の病を見事に治してみせる。王は感謝の印として、ヘレナに望みのものを褒美として与える約束をする。ヘレナはバートラムとの結婚を望むが、彼はそれを拒否し、自ら志願して、逃げるように戦地フィレンツェへ赴いてしまう。残された手紙には「私を父親とする子供を産めば、私を夫と呼ぶがいい。だがその時は決して来ないだろう。」と認められていた。
ヘレナは単身、バートラムを追ってフィレンツェへと旅立つ。愛する彼と結ばれるために。

おけぴ取材班:chiaki(撮影・文)監修:おけぴ管理人

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