──そして8月には連続共演となるミュージカル『王家の紋章』が控えています。浦井)
今年は連載開始から40周年を迎え、今なお続いている作品です。原作ファンの方が本当にたくさんいらして、単行本も60巻まで出ていて、累計4000万部ですよ。伊礼)
ちょっとお金に換算してみる?浦井)
何でそういうこと言うの!伊礼)
たまにはそういうエグイ話をする浦井健治を出していかない?真っ白いイメージを覆すような (笑)。浦井)
そういうの大丈夫だから!!(笑)伊礼)
あ、そうですか(笑)──お話を戻しますと(笑)、こちらの原作はご存知でしたか。浦井)
知ってはいました。
彼方は?伊礼)
うん、タイトルは知ってた。
読んだことはなかったけど、絵も知ってたよ。──その『王家の紋章』がミュージカルになるのですね!浦井)
そうなんですよね。40周年のメモリアルイヤーに初舞台化。それが東宝ミュージカルで、演出が荻田浩一さん、作曲がシルヴェスター・リーヴァイさん、そしてわれわれがそのキャラクターを演じさせていただけるのは大変光栄なことです。
原作ファンのみなさんにも納得していただけるものでありながら、演劇的な楽しみ方、ミュージカルならではというものを目指していけたらと思います。ワクワクします。伊礼)
浦井くんがメンフィスで、僕がライアンお兄ちゃんなんだよね。実際、芝居で絡むかは…僕は現代人なんでね。浦井)
時空の狭間から彼方の声が聞こえるのかな(笑)。──各キャラクターへの思い入れも含め、非常に有名な原作のある作品に挑むのはどんな感覚ですか。やりにくさなど特別な感覚はありますか。伊礼)
漫画原作にはあまりやりにくさは感じないのですが、オリジナルがあるものとしては、2014年に出演した『朝日のような夕日をつれて』のときに苦労したことが思い出されますね。
1982年に生まれた、ちょうど僕らと同い年くらいの作品で、作品ファンが作品と共に歳を重ねてきた層なんですよね。つまり、台詞とか劇中の詩とかを覚えている人たちがいっぱいに見にくる…。まぁ、あんなに血を吐くような稽古をしたのは初めてでしたね。
本番が始まってからも無言のプレッシャーは続き、精神的につらかったです。あんなに舞台袖に捌けたくない、出るならずっと出ていたいと思う作品は初めてでした。袖に捌けると恐怖心が甦るし、いろいろ考えちゃうから。浦井)
それ、相当だね。作品がそれだけ愛されているってことでもあるんだけど、それはかなりのプレッシャーだったんだね。──浦井さんも熱狂的ファンがたくさんいる『デスノート The Musical』で主人公の夜神月(ライト)を演じられましたよね。浦井)
自分も原作ファンだったので、“月”や“L”に対する強いイメージを持っていました。なので、原作ファンの方に失礼がないようにという思いはありました。でも、それと同時に栗山さんが目指す演劇、そしてワイルドホーンさんとのタッグで立ち上げられる『デスノート The musical』の中での夜神月を作りあげなくてはならないと思っていました。
それは今回の作品でも一緒で、まず、このチラシにあるようなグラフィックを含め、作品のイメージは大事にしないといけないなと思っています。この作品が大好きで、ミュージカルに興味を持っていただいた方が見たときにがっかりさせないように、ヴィジュアルも大切にしていきたい。ミュージカルなので、リーヴァイさんがどんな曲を作ってくるのかも楽しみですし、山口祐一郎さんや濱田めぐみさんをはじめとするみなさんと一緒にミュージカルとして立ち上げていくことへの期待も大きいです。今回集まった共演者のみなさんとだからこそできる『王家の紋章』を目指す!そのトライアルも楽しみです。──伊礼さんは漫画原作にはやりにくさは感じないとおっしゃっていましたが。伊礼)
原作には忠実にやらなくてはいけないと思っていますよ。ここで自分はこういう考えだから、こう遊んでやろうなんて思うと、さっき浦井くんが言ったように原作ファンはお怒りになりますよね。原作を尊重して『王家の紋章』の世界を生きることを考えていこうと思います。黒髪でね!──ヴィジュアルも含め、どんなミュージカル作品が立ち上がるのか楽しみです!
さて、お話の尽きないお二人ですがそろそろ楽しい対談も終わりのお時間が…。
2016年はどんな年になりそうですか。
おけぴ取材班:chiaki(インタビュー・文) おけぴ管理人(撮影)