【芸能活動25周年を迎えて】
──ここからは作品をちょっと離れて、今年は芸能活動25周年です。 おかげさまで25周年の節目を迎えました。ちなみに女優としては研8(研究科8年生)になりました(笑)。でも、(『ピピン』で共演中の)中尾ミエさんや前田美波里さんのお姿を拝見していると25年はまだまだ青いなと思えてきます。あの空中ブランコ!感動ですよ。ですので、節目として8月にディナーショーも開催しますが、同時にまだまだ途中という意識も持っています。男役としてキャリアをスタートさせ、今は女優として活動しながら、日々人間とは、演劇とは、その奥深さを感じています。
──様々な人物像を演じられている霧矢さん、歌や演劇的な表現だけでなく、ダンスやショーアップされたシーンもお手のものというところにこれまで培ってきたスキルが活かされていると感じます。 宝塚はやはりレビューが特長でもあるので、どうしても退団してからはダンスをする機会が減ってしまいます。それでも、少しずつでも踊らせていただく場面のある役柄も多いほうなのかもしれませんね。そういう意味でも、私は役との出会いに恵まれていると感じています。それに感謝しながらも、まだまだやってないキャラクターもたくさんあると思いますし、これから歳を重ねたからこそできる魅力的な役もあるでしょう。もっともっと幅を広げていきたいと思っています。これからも素敵な出会いを楽しみにしていますし、それに応えられるようにしっかりと準備はしていたいと思います。
──25thディナーショーについてもお聞かせいただけますか。今回、構成・演出は三木章雄先生です。 大変心強いです。まずそこで盤石の体制をとらせていただくという。やはりこの“霧矢大夢”という名前が誕生した原点は宝塚、そこからスタートするショーになると思います。ゲストも日替わりで瀬奈じゅんさん、蒼乃夕妃さん、彩吹真央さんが出演してくださいます。
──霧矢さんご自身にとって25周年であるとともに、応援してくださっている方にとっても25周年ですよね。 25年、私自身も応援してくださっている皆さんも一緒に重ねてきた年月です。お互いに歳とったね~なんて思うことも(笑)。それでも元気に劇場へ足を運んでくださることはとてもありがたいこと。25周年の節目に、改めてお礼の気持ちと今度ともよろしくお願いします!の気持ちをお伝えしたいと思います。
歳を重ねていくと、出会いだけでなくお別れもあります。そういう世代にもなってきました。でも、この『ビッグ・フィッシュ』や『ピピン』もそうですが思いを繋いでいく、継承していくことの尊さを強く感じる今日この頃です。
関西での会場となる宝塚ホテルも建て替えが決まっています。みなさんにおなじみの宝塚ホテルでの私のディナーショーは最後になると思いますので、ぜひお運びください。
──最後に、これから思い描いている人生について。 人生……やはり自分との戦いだと思います。今、ふと『ピピン』のバーサおばちゃんの歌が思い浮かびました。戦った、70年~(笑)。先のことを考えると結構心配性で不安になってしまうことが多いので、あまり先々のことばかり考えすぎず、今日を、今を生きることを大切にしたいと思います。そしてやってしまったことは忘れる!思いっきり楽しんで、思いっきり苦しんで、そこに打ち勝つ自分でいたいと思います。
──力強いお言葉、ありがとうございます!いつかあのおばあちゃんの役を演じる霧矢さんを見たいなんて声も。 しっかりと身体を鍛えておかないと(笑)。あれ、命綱なしですからね!!
◆ 悪妻から良妻まで(失礼!)、どんな役を演じても人間的魅力の備わっているキャラクターを作りあげる霧矢さん。だからこそ物語の中で確固たる存在感を示し続けているのでしょう。そしてそれはご自身の人間力や演劇に対する誠実さがそうさせるのだと感じます。これから先、どんな役に出会い、どんな物語を見せてくれるのか。これからも楽しみにしています!まずは、サンドラとの再会にワクワク!!
ヘアメイク/小森真樹(337inc.) スタイリング/山下明子
トップス、スカート/ヴィヴィアン タム(マツオインターナショナル)
ネックレス/ティー・ビー・テレサヴァンビューレン(マツオインターナショナル)
おけぴ取材班:chiaki(インタビュー・文)撮影:おけぴ管理人