こまつ座 第122回公演『父と暮せば』開幕レポート!~山崎一さん、伊勢佳世さん、鵜山仁さん(演出)初日コメントも!~



 山崎一さん、伊勢佳世さんによる新生『父と暮せば』開幕です!感激観劇レポートを、早速届いた舞台写真、鵜山仁さん(演出)、山崎さん、伊勢さんの初日コメントとあわせてお届けします。



伊勢佳世さん、山崎一さん



 戦争、原爆、ヒロシマ……そこで語られるのは辛く、目を背けたくなるようなこともありますが、でも、キラキラとした明るさがたしかにそこにある。生きること、繋ぐことを改めて考える『父と暮せば』が俳優座劇場にて開幕です。

 24年前の初演、すまけいさんと梅沢昌代さんが演じた父・“おとったん”と娘・“美津江”、以来、数々の名優たちによって上演されてきた本作。2008年からは辻萬長さんと栗田桃子さんのコンビで上演、2015年には通算上演回数500回を達成しました2004年に公開された映画版をご覧になった方もいらっしゃるかと思います(父:原田芳雄さん、娘:宮沢りえさん)。



◆鵜山 仁さん(演出家)

 二十四年目の『父と暮せば』の初日には、作者の井上ひさしさん、作曲の宇野誠一郎さん、音響効果の深川定次さん、そして初代竹造のすまけいさん...今は亡き、いろんな方たちがあらわれて、新しい時代の竹造、美津江の始まりを祝福してくれたような気がします。
 原爆投下から七十三年、戦争を知らない世代が日本人の大半を占めることになります。
 これからがこの作品の、本当の、独り立ちの時なのかもしれません。





◆山崎 一さん(福吉竹造)

 いつにも増してあたふたしております。通し稽古は他の公演と比べて倍以上やっているのに。演出の鵜山さんもスタッフの皆さんももう何百回とやって来られている事なので慌てることなどなく、ただ目の前の作業を淡々とこなしていらっしゃる。新人は僕と伊勢さんの二人だけ。 でもその伊勢さんはここ俳優座のご出身なのでここで芝居をしたことがあるとか。すると、まったくの新人は私だけ?
 そんなことを考えているうちに初日の幕は上がりました。




◆伊勢佳世(福吉美津江)

 初めての二人芝居、膨大なセリフ。稽古はいつも以上に大変でしたが、とても充実していました。初日を迎えた朝は、なんだかお嫁に行くような...不安だけど嬉しい...そんな気持ちでし た。いざ舞台に立つと、お客様が「ガンバレ!」と身内のように見守って下さっているのが演じていてすごく伝わってきて、俳優座劇場の空気がとても優しく温かく、不思議な感覚になり ました。まだ幕が開いたばかりですが、もっと作品が成長できるよう演出の鵜山さん、山崎一 さん、そしてスタッフの皆さんと共に頑張ります。





 広島に暮らす娘・福吉美津江と、父・竹造が織り成す、壮絶な命の会話は、何度観ても心揺さぶられます。(というか正直、毎回、嗚咽級の号泣です……)でも、重厚なテーマを扱いながらも、そこは井上作品、“恋の応援団長”として大奮闘する竹造の姿には思わず笑みがこぼれます。男手一つで育てた自慢の娘が心配でしょうがないお父さんと、そんなお父さんが大好きな娘。娘の恋心。いつの世も変わらぬ愛おしい人の営みから感じる平和の尊さ。

 劇場での通し稽古を見学いたしましたが、新しいキャストを迎えることで、観ている側も戯曲に改めて向き合えた気がします。「美津江、どうしてそんなことを言うの?」そんなふうに、心がノッキングを起こすようなところがありました。聡明で生真面目な伊勢佳世さんの美津江が意固地になってしまう、その頑なさがスパッと胸に刺さったのです。恋する乙女になれない硬質な娘の姿が切なく映るのです。

 山崎一さんのおとったんは、身体キレキレ!ひょこひょこと歩く姿がなんともチャーミング。おまんじゅうの意味合いを説くシーンも、一寸法師の寸劇?!も新しい!当たり前なのかも知れませんが、ぜんぜん違うのです。でも、変わらないのは娘への大きな大きな愛情。

 「ぜんぜん違う」、それは同時に観ているこちらにも、辻さんと栗田さんの父と娘がどれだけ染み込んでいたかということを痛感する瞬間でもありました。まっさらなキモチでと思っていても、どうしてもお二人の名調子が心と身体に記憶されているのです。おそらく初演からご覧になっている方は、これまでにも同じような経験をされたのでしょう。



 でも、それを無理やりどうのこうのする必要もなく、こうして新しい『父と暮せば』が生まれ、育ち、受け継がれていくことを、ただただ嬉しく思うのです。観る立場ですら、そうなのですから、演じられるお二人のプレッシャーたるや…想像も及びません。でも、舞台上を生きるおとったんと美津江は、あの時のヒロシマを生きた父と娘として、イキイキと暮らしています。

 こうして『父と暮せば』のバトンを繋いでくださった山崎さん、伊勢さん、そして初演より演出を務められる鵜山仁さん。ここからは舞台を観た私たちが、作品の、井上ひさしさんのメッセージを、現代を生きる私たちの糧として、受け継いでいきたい。新生『父と暮せば』を観て、改めてそんなことを感じました。




◆あらすじ◆ ~被爆者の皆さんが遺した膨大な手記から編まれた井上ひさしの傑作戯曲~

 1948 年、原爆投下から3年後の広島で、図書館に勤めながら一人で暮らす福吉美津江のもとに、父・竹造があらわれる。竹造は、美津江がほのかに抱いた恋を実らせるために「恋の応援団長」 として美津江の前に現れたのだという。
「うちはしあわせになってはいけんのじゃ」
 かたくなに恋の進展を拒む美津江と。娘の心を解き放とうとする竹造。生き地獄のヒロシマを舞台に繰り 広げられる父と娘の優しくも壮絶な命の会話を通して、平和への希求とその尊さを後世へと語り継ぐ。

【公演概要】
こまつ座第 122 回公演『父と暮せば』

【日程】2018 年 6 月 5 日(火)~6 月 17 日(日)
※公演期間中、スペシャルトークショーあり
【劇場】六本木・俳優座劇場

【作】井上ひさし 【演出】鵜山 仁

【出演】
山崎 一 伊勢佳世

【スタッフ】
音楽:宇野誠一郎
美術:石井強司
照明:服部 基
音響:深川定次 秦 大介
宣伝美術:安野光雅
方言指導:大原穣子
演出助手:西本由香
舞台監督:宮﨑康成

こまつ座HP

舞台写真提供:こまつ座
おけぴ取材班:chiaki(取材・文) 監修:おけぴ管理人

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