横内謙介の名作戯曲に気鋭の演出家が挑む!劇団扉座の横内謙介によって書かれた本作は、2000年の劇団での初演以降、PARCO劇場や明治座、2010年には韓国で上演されるなど長きに渡り多くの人を魅了してきた名作。今回、本作演出を手がけるのは、横内謙介に師事し、近年では自らが主宰する演劇ユニット「東京夜光」での活動が注目を集める気鋭の若手演出家
川名幸宏 。振付には
北尾亘を招き、新しい『いとしの儚』を表現する。
実力・個性溢れる俳優たちが暴れまわる!天涯孤独な博打打ち“鈴次郎(すずじろう)”役を演じるのは、映像作品、そして舞台では『熱海殺人事件』にて主役の木村伝兵衛に抜擢されるなど確かな実力が評価されている
荒井敦史。墓場の死体を集めて鬼が創った絶世の美女“儚(はかな)”役は、幼い頃から藤間紫に師事し、日本舞踊家として活動する一方、劇団「阿佐ヶ谷スパイダース」に所属する
藤間爽子。請け負う勝負は必ず勝つ、鈴次郎のライバルである千里眼のゾロ政を演じるのは、劇団「柿喰う客」の看板女優
七味まゆ味 。そして、鈴次郎との博打に負け、金の代わりに儚をくれた鬼であり、2 人の物語を左右する赤鬼・鬼シゲを個性派俳優
市川しんぺーが演じる。その他、川名作品の常連から、本家である劇団扉座の面々など実力派の個性豊かな出演者、総勢12名が下北沢のザ・スズナリで暴れまわる。
演出・川名幸宏からのコメント 師匠である横内さんの本を演出できること、とても光栄です。コロナ禍、こんなにも自分が、人恋しくなる生き物なんだと驚きました。人の心の中には、人と触れ合わざるをえない“何か”が“ある”と私は信じて疑いません。今、「いとしの儚」を読んだとき、抱き合いたくても抱き合えない鈴次郎と儚が、その信じる気持ちを後押ししてくれた気がしました。密を避ける日々に極限の密の物語を。ご期待いただければ幸いです。
鈴次郎役・荒井敦史からのコメント 鈴次郎を演じます荒井敦史です。作品としてその時その瞬間に、何度でも変化していく可能性があるなと感じています。それを繊細に時に大胆に表現する。自分にとっても挑戦です。川名さん演出『いとしの儚』がどう皆様に届くのか。自分自身もとても楽しみです。劇場でお待ちしております。観劇に来てくださる方、そして自分達も健康で駆け抜けられる様に精一杯頑張ります!
儚役・藤間爽子からのコメント これまで幾度となく演じられてきた『いとしの儚』。どこをどう探しても、今の私の中に儚はいない。追い求める愛もない。こんな時、どうやってこの世界に飛び込んでいけばいいのだろう。そうか、儚のように人を信じ、言葉を信じ、その場を生きることができれば、私はわたしの儚を見つけることができるかもしれない。こういう状況下の中、芝居ができることを幸せに思います。宜しくお願い致します。
◆ 互いに強く惹かれ合いながらも交わることが出来ない葛藤を抱え生きる鈴次郎と儚の姿は、人との距離を制限され画面越しの生活を強いられたコロナ渦中の私たちの姿と重なる。インターネットが人類のコミュニケーションの様態を大きく変え、SNS で繋がることが世界中に分断を呼び起こしている今、私たちに必要なのは「他者を渇望する物語」だ。
現代版「いとしの儚」にどうぞご期待ください。
この記事は公演主催者の情報提供によりおけぴネットが作成しました